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イオン、ダイエーに「逆転換」、本丸も不振、体制見直し進む、スーパー事業、一体で再建。

[ 2017年9月1日 / 日経MJ(流通新聞) ]

 イオンは5日、総合スーパー(GMS)のイオンリテールが運営する2店をダイエーに転換する。これまでダイエー店舗をグループ企業に移管することでダイエーの再建を進めてきたが、その逆の動きだ。不振に苦しむのはダイエーだけでなく、本丸であるイオン側のGMS事業も同じ。スーパー事業の立て直しに向け、両者一体での体制見直しを進める。

 「イオンモリシア津田沼店は、ダイエーモリシア津田沼店に新しく生まれ変わります」。8月下旬、千葉県習志野市のイオン店舗の入り口にそうした貼り紙があった。イオンとしての営業を8月末で終え、4日間の改装を経て5日にダイエーとして開業する。

 同じ日程でダイエーに変わるのはもう1店ある。「イオン南砂町スナモ店」(東京・江東)だ。2店とも売り場面積は2000〜4000平方メートルと、GMSのイオンリテールにしては小規模。売り上げも食品がほとんどを占めているため、食に特化したスーパーへ転換するダイエーが運営するのがふさわしいとの判断だ。

 イオンは経営再建中のダイエーを2015年に完全子会社化。抜本改革のため、15年時点で約280あった店舗のうち、九州や北海道、大型のGMSなど約90店をグループの他の企業に移管した。赤字店の切り離しもあり、17年2月期の営業赤字額は約70億円とこの2年で半減した。

 今回の2店の移管は、グループの資産でダイエーが活用できるものはダイエーに移すという意向の表れだ。関西でも、マックスバリュ西日本や光洋といった企業の店舗をダイエーを軸に再編する方針。3000億円まで縮小した売上高は、20年2月期に7000億円に再拡大する目標を掲げる。

 岡田元也社長は14年、ダイエーの完全子会社化に関する記者会見で「ダイエーの看板はなくなる」と発言。時期については18年度前後との見通しを示した。

 だがダイエーに残った約180店のうち、改装店は約60店あるが、これまでに「イオンフードスタイル」などに看板が変わったのはわずか13店。ダイエー関係者は「今後も屋号の転換は1店ずつ検討する」と、店舗ブランドの統一ありきで改装を進めることは明確に否定する。

 「ネット時代に、多くのブランドがあるのは不利」という岡田社長の考えは原則的に変わっていないとみられる。だが本業が不振ではイオンを軸にした改革に、大ナタを振るいにくいことも確か。今は使えるものは全て使いながら、適切な事業構造に作り替えていくほかない。

 イオンは現在「5年後、10年後のあるべき姿を議論している」(岡田社長)。度重なる買収で複雑に膨れあがったグループの資産を、いかに整理・活用すれば新しい流通業に生まれ変われるのか。既存の企業や事業の枠組みにとらわれない骨太のビジョンと、実行力が必要だ。(中川雅之)

【表】イオンのダイエー再建を巡る動き  
2013年8月 連結子会社化 
  14年9月 完全子会社化を表明。岡田社長が「ダイエーの看板はなくなる」と発言 
  15年1月 完全子会社化を完了 
  15年9月 北海道や九州などの約60店をイオンのスーパー運営会社に移管 
  16年春  首都圏と近畿の約30店をイオンリテールに移管。
        物流子会社のロジワンをイオンの物流会社が吸収合併

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