日経メッセ > JAPAN SHOP > ニュース > 住商、地方でイオンに挑む、400億円で5商業施設、中規模都市の空白に活路。

日経の紙面から

住商、地方でイオンに挑む、400億円で5商業施設、中規模都市の空白に活路。

[ 2017年9月9日 / 日本経済新聞 朝刊 ]

 住友商事は日本の地方都市で商業施設を増やす。約400億円を投じ、2017〜21年に5カ所開業する。日本の人口は減少傾向だが、30万人以上いる都市なら堅調な集客が見込めるとみて、地方に強いイオンモールに挑む。

 千葉や埼玉、沖縄や北海道で食品スーパーやドラッグストアなどの店舗を誘致する。「土地区画整理事業」と呼ばれ、地元の地権者たちがつくる組合を通じて、それぞれの土地を集めて再開発する手法をとる。住商は組合側からまとまった用地を買い取るため、個別の買収交渉が不要となるのが利点だ。

 まず7月に千葉県流山市で商業施設「LEVENおおたかの森」を開業した。事業費は約25億円。食品スーパーやドラッグストア、100円ショップなどを誘致した。05年に開業した鉄道「つくばエクスプレス」駅から徒歩圏内で、人口増が続く同線沿線では集客が見込めると判断した。

 埼玉県羽生市では7月、約6万4千平方メートルの敷地を買収する契約を地元の組合と結んだ。スーパーやホームセンターなどが入り、20年に大型商業施設を開業する。

 北海道や沖縄県などでも進行中で、19〜21年に開業を計画する。今後開発する4件で投資額は350億〜400億円となる。

 地方の商業施設ではイオンモールの集客力が群を抜く。ただ住商はイオンが出店していない地域で「トップの施設をつくれれば勝ち残れる」(営業担当者)とみる。

 土地区画整理の手法を使い11年に神奈川県藤沢市で「テラスモール湘南」を、16年に仙台市で「セルバテラス」をそれぞれ開業した。住商の商業施設は開発地域の人口や世帯収入にあわせて、設計や入居店舗を決めている。イオンのように統一した施設名を持たず、施設ごとに名前を決めることで地元密着感を打ち出し集客する。

 開発後はファンドや不動産投資信託(REIT)などに施設を売却し、利益を得る手法が基本だ。金融緩和で不動産に資金が流入し、都市部のオフィスやマンションだけでなく、地方の商業施設でも買い手がつきやすくなっている。

 住商にとって不動産は祖業で、企画から開発まですべて手掛ける。不動産事業の純利益は開示していないが、年間150億〜200億で推移し、17年3月期の連結純利益(1709億円)の約1割を稼ぐ。17年3月期で5200億円ある不動産の資産を20年3月期には6500億円にまで上積みする計画だ。

 ただ地方都市は集客のパイが限られる。商業施設が増えれば顧客を奪い合い、収益が悪化する施設も出てくる。イオンモールも地方に出店を進める計画で競争は激しくなる。

 不動産のノウハウを蓄積する住商の目利き力が試される。

ニュースの最新記事

PAGE TOP