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イートインの次は、グローサラント――家庭で広がる調理キット、変わる食の楽しみ方。

[ 2017年9月27日 / 日経MJ(流通新聞) ]

 食の体験の変化は家庭内にも及ぶ。広がりを見せるのが下ごしらえをした食材と調味料をセットにした調理キットだ。共働き世帯の時短需要をとらえたほか、本格的なレストランの料理を家庭でも体験できる点が支持を集める。

 東京都内に住む木下真理さん(39)は週に3回、オイシックスドット大地の調理キット「キットオイシックス」を利用する。使い始めたのは約4年前、育児休暇を終えて職場復帰するタイミングだった。「調理時間や献立を考える手間が省け、食材を余らせることもない」。

 調理キットの広がりの背景にあるのが共働きの世帯の増加。2016年は1129万世帯となり、10年前に比べて16%増えた。この世帯構成の変化は総菜を持ち帰って食べる中食市場を成長させた要因だ。同時に夕食の調理で手間をかけたくないが、総菜をそのまま家族の食卓に出すには抵抗感があるという家庭のニーズも生み出した。

 調理キットの需要は時短だけにはとどまらない。家庭で高級レストランの本格的な料理を作りたい、料理のレパートリーを増やしたい――。そんな需要も掘り起こす。

 紀ノ国屋と三井物産は29日から順次、インターネットを通じた調理キットの販売を始める。6〜8月に一部店舗で販売したところ好評だったため、全国展開に踏み切る。岩手県産の合鴨のコンフィやスペイン産サフランを使った海鮮パエリアなど主菜と副菜各6種類を税別1480〜2180円で販売する。

 ベンチャー企業も参入。「おうちをレストランに変える食材キット」とのうたい文句で調理キット「TastyTable(テイスティーテーブル)」を展開するのがブレンド(東京・品川)。イタリア料理やフレンチのシェフが考案した本格メニューを週替わりで提供する。

 インスタグラムなどのSNS(共有サイト)が普及し、自宅で高級レストランのような料理を作ってSNSで公開したい人も増えている。一から作るには難しい料理を作るという体験と、それを見せる楽しみ。調理キットには時短という実用性だけにとどまらないニーズがある。

(今井拓也)

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