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産業景気予測特集――「晴れ・薄日」横ばい16種、素材は価格上昇で好転。

[ 2017年10月5日 / 日本経済新聞 朝刊 ]

 2017年10〜12月の産業天気図は7〜9月に比べ「晴れ」が2業種増えたものの、「晴れ」と「薄日」の合計は変わらず16業種だった。景気回復の長さは「いざなぎ景気」を超えた可能性が高く、鉄鋼・非鉄や化学など素材産業にも晴れ間が広がってきた。だが、賃金の伸びは低水準で、消費拡大につながっておらず、外食が「曇り」から「小雨」に転じるなど苦戦している業種もある。

 政府は9月の月例経済報告で国内景気の基調判断を前月から据え置き、「緩やかな回復基調が続いている」との表現を維持した。景気回復が長期化していることで、これまで値上げが遅れていた素材産業を中心に原料価格や流通コストの上昇分の価格転嫁が浸透してきており、10〜12月の産業天気図で晴れ間が広がるのを後押しした。

 7〜9月に比べ業種の天気が好転するのは「鉄鋼・非鉄」「化学」「プラント・造船」「電子部品・半導体」の4業種。鉄鋼・非鉄は高騰した原料価格の転嫁が進み、新日鉄住金とJFEホールディングスが18年3月期に大幅な増益となる見通しを発表した。

 アジアで代表的な鋼材製品「ホットコイル」が5年ぶりの高値となっているほか、20年の東京五輪に向けた需要も増えるなどで経営環境が好転している。

 化学も世界的に需要が堅調で、エチレン設備の稼働率は好不況の目安となる90%を50カ月連続で超える見通し。実質フル稼働とされる95%も22カ月連続で超えた。

 プラント・造船では造船業界で進む環境規制強化の動きに対応した新規需要が出始めそうだ。トヨタ自動車が輸出車の運搬船を従来の重油ではなく、液化天然ガス(LNG)を使った船に切り替える案件が浮上しており、新規案件が続く可能性が高い。

 「薄日」から「晴れ」に改善した電子部品・半導体は産業機械などに使う電子部品の需要が拡大し、ロボットや半導体製造装置などの部品需要が長期にわたって伸びるとの見方が強くなってきている。米アップルの新型「iPhone」発売で、スマートフォン(スマホ)向け部品の需要もピークを迎える。あらゆるモノがネットにつながる「IoT」の普及で、関連機器や部品の安定的な需要拡大が期待できそうだ。

 一方で、天気が悪化したのは「石油」と「外食」の2業種だ。石油は灯油需要が増える冬商戦に入り、元売り各社がガソリンや軽油などの在庫を積み増す動きが出ている。在庫が増えれば、灯油の価格競争が激しくなることも予想される。石油業界にとって7〜9月の収益を維持するのは難しくなる可能性がある。

 外食はハイデイ日高が9月にビールやギョーザを値上げしたほか、鳥貴族も10月から均一価格を280円から298円に改めるなどこれまで低価格で伸びてきたところでも値上げの動きが広がっており、一時的に消費が鈍りかねないとの警戒感がある。

 ただ、スーパー大手のイオンや西友などが一部製品の値下げを発表した。乳製品やサラダ油などはメーカーが値上げを表明しているが、消費者の根強い節約志向のため、店頭価格に反映させるのは難しい状況が続いている。原材料費や輸送コスト、人件費などは上昇しており、こうしたコスト増をどう吸収し、どう販売価格に反映させるかで、スーパー各社の売り上げや利益に影響が出ることもありそうだ。

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