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商店街の鏡、高松中心街に空き店舗――活力維持へ再開発継続(列島追跡)

[ 2017年10月16日 / 日本経済新聞 朝刊 ]

 高松市中心部に連なる8商店街は総延長2・7キロと全国有数の規模を誇る。中核の高松丸亀町商店街は思い切った再開発により約10年間で変貌を遂げ、中心市街地活性化のお手本として今も視察が相次ぐ。ただ、商店街全体では有力店舗の撤退など変調もみられる。

 丸亀町商店街の北側の起点であるドーム広場を囲み、ティファニーなど海外ブランドの店舗も入る再開発ビルで5月末、紀伊国屋書店が営業を終えた。2006年の再開発ビル開業と同時に出店したが、契約切れを理由に撤退し、広い1フロアが今も空いたままだ。近くでは書籍・雑貨店のヴィレッジヴァンガードも7月に閉店し、郊外商業施設内の店舗に重点を置く。

 商店街全体では老舗洋品店などの閉店もここ1年ほどで相次いだ。一部は後継店舗が入るものの、県外資本の居酒屋やドラッグストアなどが目立ち特色が薄れている。貸店舗の仲介を多く手掛ける地元不動産会社によると、「商売をやめた商店主の大家化が進んでいる」という。

 空き店舗率はじわりと上昇している。高松商工会議所の動向調査によると、1階部分の空き店舗率は16年12月、17年6月とも13%台でそれ以前の12%弱からやや増えた。全フロアでも17年6月で17・9%と2年前に比べ0・9ポイント増。8つある商店街のうち丸亀町は7・3%にとどまるが、4商店街で20%を超す。

 丸亀町商店街は06年から段階的に再開発を進めている。中でも12年に開業した再開発施設「丸亀町グリーン」は総事業費約150億円。国の補助金の活用に加え、定期借地権の活用で所有権と使用権を分離するなどの手法が注目されて見学が絶えない。

 再開発に伴い集客力のある店舗の誘致などを進めてにぎわいにつなげてきたが、郊外への消費シフトは続き、ネット通販も広がる。高齢化や人口減もあり、物販を柱とした商店街の役割も変化を迫られている。丸亀町商店街振興組合の古川康造理事長は「エリアマネジメントの観点からも再開発を急ぐ必要がある」と強調する。

 今後、力を入れるのが商店街での医療・福祉環境の整備だ。丸亀町では商店街側の主導で3月に健康管理の新たな拠点を開設し、紀伊国屋書店の撤退跡は医療関連施設の誘致を検討。「再開発の目的は生活しやすい街づくり」(古川理事長)とし、健康維持や予防診療などに関係した施設を充実していく。

 再開発施設に分譲マンションなどの住居部分を設け、居住者を倍以上の800人に増やす目標も掲げる。丸亀町の一部地区では地権者である商店主らの合意形成が進まず難航している再開発もあるが、隣接する地区で生鮮食品市場や診療施設などを整備する計画が具体化しつつあり、活力を保つための模索が続く。(高松支局長 真鍋正巳)

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