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ジンズ原宿店――陳列減らし高級感演出、若者・外国人取り込む(HotZone)

[ 2017年10月25日 / 日経MJ(流通新聞) ]

 眼鏡専門店のジンズが6月に改装開業した「ジンズ原宿店」(東京・渋谷)が好調だ。展示する眼鏡の本数を3割以上減らし、ゆったりした空間が高級感を生み出す。まず商品を主役に見せるため、従来の陳列棚にあった値段表示をやめた。納得してから購入できるようになったとして、客単価も上昇。若い世代だけでなく外国人観光客にも人気が出ている。

 「店に入ってもジンズとは気付かなかった。高級な眼鏡店と思った」。路面店の同店を初めて訪れたという東京都在住の会社員、藤井光洋さん(24)は驚いた様子。

 それもそのはず。まず入り口で目に飛び込むのは壁に描かれた斬新なアート作品だ。ロゴは小さく表示されているのみ。ジンズのコミュニケーションユニットの松浦亮介ユニット長は「眼鏡が欲しい人でなくても、ジンズに触れるきっかけを増やす必要がある」と改装の意図を語る。

 ジンズは現在、全国に320店舗を超え、一定のパッケージとしての認知が広がりつつある。だが「路面店では画一的なブランドでないことを表現したかった」(松浦氏)。このため、原宿店は従来にはない店作りを目指した。

 什器(じゅうき)や陳列ケースはプロのデザイナーに初めて依頼し、価格を棚の上に大きく掲示するのをやめた。眼鏡が目立つような陳列を実現した。「商品がぎゅうぎゅうに展示してあるとチープに見えてしまう」(同)として、あえて陳列棚を減らした。本来は1000本以上の眼鏡を並べられるが、現在置いてあるのは厳選した約700本だけだ。空間をぜいたくに使うことで、店舗に高級感が生まれた。

 商品構成も独特だ。海外でしか販売しない特別注文品を約3割販売する。同社は中国や米国にも進出するが、米国で人気なのはフレームが白や黄色などのカラフルな眼鏡。日本ではまず売れないデザインだが、「原宿はちょっとやんちゃ。先を行くファッションを実現する街だからこそ唯一売れる」(同)とにらみ、店頭にそろえた。

 果たして売れ行きは好調。こうした取り組みが功を奏して、販売単価は全店平均が7400円程度のところ、同店は1000円強ほど高くなっているという。

 「眼鏡だけ並んでいるのはつまらない」(松浦氏)として眼鏡ケースなどの雑貨も1割ほど扱う。同社としては初となるサングラスの通年販売も始めた。外国人の購入も多いといい、全体の3割を占めるという。

 田中仁社長は「業績が良いところは会社のキャラクターが明確だ。『可もなく不可もなく』ではなく、これからはブランドの再定義を始めていく」と話す。原宿店がブランドイメージの変化を示す一つの象徴といえそうだ。

(沖永翔也)

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