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ユニクロ、通販サイト一時ダウン、EC拡大戦略に死角?、インフラ整備点検急務。

[ 2017年11月29日 / 日経MJ(流通新聞) ]

 ファーストリテイリングの「ユニクロ」が手掛けるインターネット通販サイトが一時ダウンした。同社が構える毎年最大のセール「感謝祭」初日に発生した障害は約1日後に復旧したが、余波は続いている。ネット販売の拡大を目指すさなかに起きた今回のトラブルは、ユニクロが進めるネット通販の拡大戦略に死角があることを示した。

 「原因を調査するとともに、復旧に向けた緊急メンテナンスを実施中です」。ユニクロのスマートフォン(スマホ)アプリは23日夜、注文画面の代わりにおわびの文面が掲載された。アプリの通販が再開したのは24日夕。その後も購入しづらい状況が続いた。

 ファストリによると「これほどまで大規模な障害は初めて」(広報担当者)。「正直、原因が分からない」(関係者)状況で解決に時間がかかった。当初から社内では深刻な状態であることが共有されていたようだ。

 天候などの偶発的な事象に原因を求める見方もある。だが、販売現場ではサイトが混雑する要素が感謝祭以前から積み重ねられていた。

 「購入者にはレジで必ず『アプリに入っていますか』と聞くように言われています」。首都圏の店舗で働く20代女性はこう話す。「来店者のメジャー(採寸)もたくさんして下さい」というのも、最近力を入れる接客手法の一つだという。

 店頭商品のサイズが合うかを確かめるだけではない。アプリ上では店頭にないサイズも頼めるセミオーダーシャツなどを販売する。ジャストサイズを買えるとうたい、アプリに誘導しようとしているのだ。店員に助けられながらアプリを起動して注文する利用者の姿も見られるようになった。

 ネット通販はユニクロにとって在庫リスクが少なく、利用者にとっても欠品による買い逃しを減らせる。「顧客目線でないといけない」と説く柳井正会長兼社長にとってネット通販の拡大は重要課題。現状6%の国内ユニクロ事業の売上高に対するネット通販比率を「早期に30%」(同)に高める号令をかける。

 拡大施策を全国800強ある店舗で急速に進める一方で、サーバーやシステムといったインフラ整備との歩調が合わなかった、という「ひずみ」が今回表れた格好だ。日々増加するアプリ会員が一斉にアクセスした事態を想定して対策を講じていたのか。早急にIT(情報技術)戦略を点検する必要がありそうだ。

 折しも感謝祭の前日である22日、衣料通販サイト「ゾゾタウン」運営のスタートトゥデイはセンサー付きボディースーツで自動採寸するプライベートブランド(PB)の立ち上げを発表した。成功すればファストリを脅かす可能性がある。

 業界では「サイトがダウンするほどユニクロの商品にまだ需要がある証左」と分析する声も上がる。機能性が高く手ごろな価格で気軽に買える、というブランドイメージをネット上でも堅持し続けることこそが、新興勢力に対抗しネット事業の拡大を実現する第一歩だ。(原欣宏)

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