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「働きやすさ」収益に直結、格付け上位40社の4割が最高益、本社調査、生産性・多様性、成長促す(SmartWork)

[ 2017年12月18日 / 日本経済新聞 朝刊 ]

 日本経済新聞社は17日、上場企業・有力非上場企業602社を「働きやすさ」の視点で格付けした「スマートワーク経営調査」をまとめた。格付け上位40社の4割が今期、過去最高の純利益を見込む。いずれの企業も外国人など多様な人材の活用(3面きょうのことば)を進め、イノベーション(技術革新)を生み出している。社員の能力を最大限に引き出す経営が、高い成長につながっていることがわかった。(関連記事5面、総合格付け一覧を別刷り第二部に)

 多様で柔軟な働き方の実現、新規事業などを生み出す体制、市場を開拓する力の3要素によって組織のパフォーマンスを最大化させる取り組みを「スマートワーク経営」と定義した。調査ではコーポレートガバナンス(企業統治)などの経営基盤も加えて各社の総得点を算出し、格付けした。

 総得点の偏差値が65以上の40社には、コニカミノルタやダイキン工業、アサヒグループホールディングス、花王、イオン、NTTドコモなどが名を連ねる。

 40社のうち、6割強の26社(未上場の2社を除く)が今期の純利益で増益を見込む。4割の17社(同)は過去最高を更新する見通し。上場企業全体では、最高益を見込む企業は24%だった。

 人手不足が深刻になるなか、社員の生産性を高める働き方改革が急務となっている。上位企業はいずれも長時間労働の是正や多様な働き方で社員の能力を高めて、収益向上につなげている。

 システム開発のSCSKは月80時間を超える時間外勤務は社長決裁とするなど、経営トップが率先して長時間労働の是正に取り組み、月平均の残業時間を4年前から約3割減らした。2017年3月期の売上高は4期前から18%増え、純利益は167億円から284億円に増えた。朝型勤務の導入などで残業時間を15%減らした伊藤忠商事も、今期、純利益で2期連続の増益を見込む。

 新しいアイデアを吸い上げる仕組みをつくる例も目立つ。18年3月期に10年ぶりの最高益を見込むソニーは、平井一夫社長直轄で社内から事業アイデアを集め、13の事業を選出した。腕時計のバンドに情報端末機能を内蔵、機械式時計に組み合わせてスマートウオッチとして使える製品などを開発した。キリンホールディングスは20代の女性社員に商品開発の権限を持たせ、新しいノンアルコールビールをヒットさせた。

 グローバル化に伴って、海外で働く現地社員への権限委譲も進んでいる。18年3月期で5期連続の最高益を更新する見通しのダイキン工業は売上高の約7割を海外で稼いでおり、現地法人の約半数で外国人が社長を務める。

 資生堂は外国人社員中心の欧州地域本社が提携交渉を主導し、有名ブランド「ドルチェ&ガッバーナ」から化粧品の生産・販売のライセンス権を獲得した。

 スマートワーク経営調査では今後の重要な経営課題についても調べた。「人材の確保・育成」が45%と最も多かった。新市場の開拓やグローバル化が急務な日本企業にとって、働き方改革が最優先課題になっている。

 スマートワーク経営調査は今回が初めて。全国の上場企業と従業員100人以上の有力非上場企業を対象に調査票を配布し、602社(上場は587社)から回答を得た。

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