日経メッセ > JAPAN SHOP > ニュース > 多彩な「買い方」実現へ――アスクル社長岩田彰一郎氏、生鮮配送、手応えある(2018トップに聞く)

日経の紙面から

多彩な「買い方」実現へ――アスクル社長岩田彰一郎氏、生鮮配送、手応えある(2018トップに聞く)

[ 2018年1月8日 / 日経MJ(流通新聞) ]

 ――17年2月、埼玉県三芳町の物流拠点で火災が起こりました。

 「本当にたくさんの方にご迷惑をおかけした。近隣地域の皆さんの生活との関係などは大きな学びになった。失火した段ボールの廃材については処理の方法を見直し、他の物流拠点では既に新方式に改めている」

 ――個人向けの「ロハコ」の復旧状況は。

 「出荷能力は戻ってきた。火災から1年以内に、売上高が前年超えできると思っている。顧客の利用データを分析し、これを機会に品ぞろえや利便性を高めながら成長できるようにする。食品や飲料の分野では、買い物の入り口となる定番商品は価格競争力が必要だが、暮らしになじむデザインのような高付加価値の商品も必要。その組み合わせで成長する」

 ――17年秋にセブン&アイ・ホールディングスと始めた個人向けの生鮮食品の宅配サービスは、18年のネット市場の注目分野のひとつです。出足はいかがですか。

 「毎日かなりの注文が途切れずにある。基本的なニーズがあるとみている。リピーターも出てきている」

 「最初はタマゴや牛乳が売れ筋とみていたが、レシピ付きの食材を宅配するミールキットなどが売れてきている。可能性は非常に大きい。対象エリアは計画通り広げていく」

 ――物流業界では配達員不足に伴う「宅配クライシス」が課題です。そのなかで個人向け通販の競争力は磨けますか。

 「例えばまとめ買いして配送回数を減らせば便利だし、負担も減る。そうした具合にユーザーのメリットを高めながら、社会的課題に取り組む。再配達の問題では配送サービスの『ハッピーオンタイム』で不在率を抑えていく」

 「当社が法人向けで使ってきた自社物流網を、徹底的に個人向けにも生かしていく。配送した帰りに古い段ボールを回収するといった例だ。利用者が欲しい時間にピンポイントで受け取れるサービスが提供できており、冷凍車を使わなくても冷凍品や冷蔵品を届けられる。夢のような話をすれば、焙煎(ばいせん)したてのコーヒーや焼きたてのパンも届けられる。保冷バッグなどの性能も十分で、生鮮分野も含め食品の宅配の可能性はより広がる」

 ――主力の法人向け通販にはアマゾンも参入しました。

 「日本の商慣習をかなり勉強していて、まだ課題はあるが解決してくると思う。当社はもともとカタログ通販が主だったが、ネットの検索から入ってくるロングテールの重要性に、アマゾンやモノタロウによって気付かされた。専門のチームをつくり、キャッチコピーを人工知能(AI)で作成するなど、約400万種類の商品のデータベースを充実させる」

 ――18年の展望・戦略は。

 「物流のネットワークなど基本的なものを一新し、価値を高める。生活の習慣が変わるようなサービスを提供できるプラットフォームにし、他社とも共用していく」

(聞き手は諸富聡)

【表】
年末の日経平均株価予測 
上下しながらも、年内に2万6000〜7000円程度 

注目する人物・企業 
20〜30代のベンチャー経営者。社会革新の鍵となる技術を持つ 

消費のキーワード 
ワクワクキラキラした消費と、無駄なものは合理的に

ニュースの最新記事

PAGE TOP