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日経の紙面から

産業景気予測特集――経営者の目、柿木厚司・JFEスチール社長、鋼材、国内外とも堅調、他11名。

[ 2018年7月2日 / 日本経済新聞 朝刊 ]

柿木厚司・JFEスチール社長
鋼材、国内外とも堅調

 国内向けは東京五輪関連などの需要が強く、生産が追いつかない状況だ。海外も新興国を中心に伸びが続く。原油価格が上昇基調でエネルギー関連需要もようやく回復してきた。国内外とも鋼材需要は堅調といえる。

 米国の鉄鋼輸入制限の影響がどう出るかを懸念している。米国からはじき出された鋼材はどこかに向かうことになる。どういった影響を世界の鉄鋼貿易にもたらすのか、慎重に見ていく必要がある。

奥平総一郎・ダイハツ工業社長 
女性・高齢者・地域に着目

 国内市場では(景気の変動や貿易問題の影響など)年内もいろいろな変化があると思っており、見通すのが難しい。ただ昨年並みには販売できるよう発破をかけている。日米貿易を巡り軽自動車の優遇税制がテーマになるとは聞いていないので、問題にはならないだろう。6月に女性チームで企画した新型軽自動車を発売した。初めて車を買う若年層を開拓したい。女性、高齢者、地域をキーワードに利用しやすい車を供給していく。

辻田泰徳・芙蓉総合リース社長 
遊休不動産活用に需要

 企業の先端設備導入や更新投資はあるが、国内リース取扱高は減少傾向が続く。企業の遊休不動産活用の需要は強く、地方を含め物流、商業施設などの案件も出ている。介護系の建物やホテルのリース案件は底堅い。

 銀行の設備資金融資と競合し、低金利下で機能の差別化は難しい。航空機など複雑な提案型の案件が増えてきている。事業リスクを取るような資本力も必要だ。IoTや医療介護の事業への投資は成長余地が大きい。

塚本厚志・ココカラファイン社長
働く女性の消費に期待

 消費全体では節約志向が続くが、働く女性の消費には期待できる。美容などの分野では、高付加価値な商品も受け入れられている。訪日外国人の需要も加わって、ドラッグストアとしては追い風になる。メーカーの開発意欲も湧いているように見える。

 働く女性が増えることで、時間をつくることに価値が置かれるようになる。短時間で的確に説明する接客能力の向上や商品の取り置き、宅配などに力を入れる。

押味至一・鹿島社長     
鋼材価格上昇を懸念

 東京都心では東京オリンピック開催以降に完成する再開発案件が多く、施工のピークは2023〜24年になりそうだ。世界情勢の行方次第だが当面、建設需要は堅調に推移するとみている。

 技能労働者の高齢化や処遇改善を受けた労務費の上昇の動きのほか、足元では鉄の調達価格が上昇しているのが懸念材料だ。市況が堅調に推移するとはいえ、粗利益率など業績の先行きについてはかなり保守的な見方をせざるを得ない。

中島圭一・シチズンマシナリー社長    
半導体向け 伸び続ける 

 国際政治がらみのリスクが心配だが工作機械の直近の受注は堅調だ。2018年3月期は地域別も業種別も全てプラスだった。今までになかったことだ。要因の一つは半導体の伸び。少し鈍化すると思うが伸びることに変わりないと思う。

 自動車も足元ではガソリンエンジンの部品関連が忙しい。中国はどんどん車が大きくなりインドも多目的スポーツ車(SUV)が売れる。豊かな生活をしたいという欲望に車は必要だ。

登坂正一・太陽誘電社長    
高性能なスマホ部品好調

 スマートフォン市場は2017年度に伸び悩みが鮮明になったが、小型で高性能な電子部品の出荷は高水準だ。

 データセンターや自動車向けでは特に大容量のセラミックコンデンサーの需要が増えている。当社は関連投資を毎年10%増やす方針だが、需要は予想以上に拡大しており18年度も生産が追いつかない状況だ。コンデンサーの市場規模は現在、年2兆から3兆個だが今後も継続して増えるとみている。

岡田元也・イオン社長     
デジタル投資など課題 

 単身世帯の増加や時間短縮ニーズの高まりを背景に、消費者はより価格に敏感になり、消費行動も変化している。コンビニエンスストアやドラッグストア、ネット通販と、業態を超えて他の領域を相互浸食する動きはさらに広がるだろう。

 このような環境の中で小売業のフォーマットは、従来型を維持するだけでは通用しない。デジタル投資の強化や健康志向への対応、商品の企画開発力の引き上げなど取り組むべき課題は多い。

野村均・東京建物社長   
立地重視の傾向強まる

 マンションの売れ行きは都市が好調で郊外が不調という単純な二極化では語れなくなった。郊外や地方でも駅に直結しているなどの特徴があれば売れる。希少性の高い駅前物件への関心は地方でも高く、地元の富裕層らの購入意欲は旺盛だ。

 都市機能を集約するコンパクトシティー化の流れは追い風だ。郊外から、車がなくても暮らしやすい中心市街地に移り住むシニアが増加。共働き世帯も増え、立地重視の傾向はますます強まる。

町田公志・SGホールディングス社長   
運賃適正化、一定の理解

 2017年は社会、経済の動きの中で運賃の適正化に一定の理解が得られた。新サービス提供のほか、配送や荷物の扱い方の工夫などの結果として単価が上がり、生産性も向上することを目指している。

 宅配便の現在の配送能力は限界だとは言わないが背伸びをしている。品質維持のため急には増やせない。人手を確保しつつ品質を上げるには、賃上げや協力会社への還元などを通じて全体を底上げする必要がある。

堀切功章・キッコーマン社長 
中食・外食向け、開拓余地

 北米では日本の食材や調味料が浸透してきた。欧州などでは日本食というカテゴリーで飲食店などが増えているが、ラーメンブームの米国では日常の食べ物となってきている。

 国内では少子高齢化が進み家庭向けは長期的に厳しい。料理機会や世帯人数の減少に合わせた高付加価値の商品づくりが必要だ。一方でブランドが表に出ない中食や外食向けは、人手不足に対応する商品を提案できれば開拓余地が残っている。

水田正道・パーソルHD社長  
製造業への派遣高水準 

 事務派遣の需要は全体的に強く、この動きはしばらく続くだろう。製造業派遣も電機や自動車などが高水準で、全体的に数年前に想定していた市況見通しに比べても強い。依然として人手不足が続いているが、当社では派遣社員の応募者数は高水準を維持している。

 顧客企業の職場環境も向上しており、派遣時給の単価も上昇しているので全体的に派遣社員の仕事環境は良い。スキル取得などで、様々な支援をしていく。

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