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服、注文分だけ作る、ネット通販で受け付け、アパレル各社、在庫リスクを軽減。

[ 2018年7月11日 / 日経MJ(流通新聞) ]

 アパレル各社がインターネット通販を介した受注生産を取り入れる動きが広がっている。TSIホールディングス傘下のナノ・ユニバースは自社サイトを経由して仕事着を製作。ストライプインターナショナル(岡山市)やTOKYO BASEも受注生産に取り組む。売れ残り在庫を抱えるリスクを軽減し、過剰なセールから脱却する。

 ナノ・ユニバースは縫製のクラウドソーシングのシタテル(熊本市)と組み、顧客の悩みに応じた衣料品を提案するプロジェクトを始めた。商品は受注生産で、15日までネット通販サイトとアプリから注文できる。

 あらかじめ生産数の上限を設けており、上限数に達した場合は注文を締め切る。生産数を限定したのは「希少性に加え、残らないものを作ること自体が付加価値となる」(ナノ・ユニバース)と判断したためだ。

 サイト画面も工夫する。生産の上限数や注文期間のほか、現在の受注数も開示する。人気な商品は一目で分かる。購入するかどうかの判断材料にしてもらう。

 第1弾はオフィスに合うカジュアルな装いを提案する。店頭や通販サイトを通じて、仕事着にまつわる相談が多く寄せられたことから実現した。販売する商品は全部で7種類をそろえる。例えば、コートはタスラン糸を用い、軽くてしわになりにくい。生地には耐久撥水(はっすい)や透湿防水加工を施す。衣服内の蒸れなどが軽減できるという。価格は2万8080円。生産上限は50枚。

 カジュアル衣料大手のストライプインターナショナル(岡山市)も「くまのパディントン」と組んだ衣料品を受注生産する。キャラクターの生誕60周年を記念し、かわいいパディントンのデザインを取り入れた商品を販売。大人と子ども向けを扱いネット通販サイトのみで受注する。

 TOKYO BASEは2017年に自社ブランド「ソーシャル ウェア」を立ち上げた。衣料品通販サイト「ゾゾタウン」のみで販売する。あらかじめゾゾタウンで予約を募り、予約数に応じて生産する。余剰在庫を抑えて消化率を高める。

 衣料品では販売の数カ月から1年前にデザインを決め、需要を予測して生産する手法が一般的だ。トレンドや天候を読み違えて売れ残った商品は値引き販売にまわる。セールが常態化し、値引き販売比率が増えると収益の圧迫要因となる。

 高級ブランドや紳士服スーツで受注生産を取り入れる動きはあったが、1万円を切るアパレルブランドでは珍しい。買ってすぐに着たいという需要にはこたえられないが、余剰在庫に苦しむアパレル業界の問題解決手段として浸透しそうだ。

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