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三越日本橋本店コンシェルジュサービス(三越伊勢丹ホールディングス)――越後屋流のおもてなし(出来たてスポット)

[ 2018年10月31日 / 日経MJ(流通新聞) ]

 三越伊勢丹ホールディングスが24日、旗艦店の三越日本橋本店(東京・中央)を30年ぶりに改装して開いた。化粧品などの売り場を改装したが、目玉はコンシェルジュサービスの本格導入だ。ネット通販の台頭などで百貨店離れが加速。ネット通販との違いを鮮明にして起死回生を図る。

 記者(39)がコンシェルジュサービスを体験し、実力を探ってみた。本館1階のレセプションカウンターにはガイド30人が待機し、食品や婦人服など7分野でスタイリストやコンシェルジュを紹介する。予約の有無にかかわらず対応してくれる。

 記者が試したのは紳士服のコンシェルジュ。まず、2階の紳士服フロアの専用スペースに通された。販売担当の飯島芳之さんと、メンズコンシェルジュの増島慧さんが担当に付いてくれた。いずれも経験を積み上げたスペシャリストだ。

 早速、購入したい商品、色、予算などを聞かれる。「取材相手に失礼にならず、ジーンズにも合わせられる。同僚にもオシャレな人だと一目置かれるジャケットを」。恥ずかしさをこらえ希望を伝えてみた。

 「お客様に合う『カラー診断』を始めましょう」。増島さんが赤、青など4枚の生地を記者の肩に当てていく。大きく4分類に分けられるといい、記者は日本人に最も多いタイプで安倍晋三首相と同じだった。会話の間に飯島さんが紺やグレーのジャケットなど3種類を集めてきてくれた。

 どうせなら、いつもと違う色に挑戦してみたい。「茶色や紫とか合わないですか」。ここで店内を2人と一緒に回ることに。1人だと店員との距離感に戸惑うことも少なくないが、新サービスではコンシェルジュが各店舗でお薦めの商品を説明したり、試着させてくれたりする。

 改めていくつか試着してみる。「このパープルのジャケットが一番お似合いですね」。自分なら選ばない色だが、不思議としっくりくる。コーディネート完成まで2時間を要したが、意外と時間の経過を感じることがなく、楽しめた。

 ネット通販が台頭する中、三越伊勢丹が人手が必要なコンシェルジュサービスを強化するのは「情報がネット上で氾濫する中、何を着ればいいか、何が似合うか分からないという人が増えている」(杉江俊彦社長)ためだ。

 ただネット通販の商品比較を思い起こすと、実店舗の商品点数は圧倒的に少ない。杉江社長は「グループのネット通販で検索、購入できる商品を増やさなければいけない」と話す。

 老舗中の老舗である三越日本橋本店でも売上高の前年割れに悩む。同店の発祥は1673年に創業した「越後屋」。日本の百貨店の発祥で、得意客を出迎える「おもてなし」を始めた先駆けでもある。来店客に付き添い、好みに合った商品を提案するおもてなしに原点回帰した。コンシェルジュサービスは1年間に累計4万人の利用を見込む。百貨店の存在意義が問われる取り組みとなる。(花井悠希)

《店舗概要》    

▽ 改装開業日  2018年10月24日
▽ 所 在 地  東京都中央区日本橋室町1の4の1
▽ 店舗面積   約6万2300平方メートル

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