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日経の紙面から

「脱・百貨店依存」の年――J・フロントリテイリング山本良一社長、商圏、アジアまで広がる(2019トップに聞く)

[ 2019年1月7日 / 日経MJ(流通新聞) ]

 ――消費動向はどう変化していますか。

 「2017年に東京・銀座で開業した『GINZASIX(ギンザシックス)』は、売上高が前年を上回り続けている。訪日客に加えて、入居する店舗それぞれに固定客がついてきている。これまで厳しかったアパレルも伸びている。購入者をアプリで分析すると、20代から40代が80%と、狙い以上に若い世代がきている。百貨店の顧客層とは明らかに異なる」

 ――ネット通販の利用が加速する中、来店が増えている理由は?

 「ギンザシックスに行かなければ体験できない環境だ。クリスマスには海外のアーティストと組んで、吹き抜けに巨大な『光るぞう』を取り付けてみたりと、リアル店舗でないと味わえないスケールがある。店舗が独自の限定商品を提供している。ギンザシックスは定期賃貸借契約なので百貨店では出しづらい店ごとのブランドの世界観を思う存分表現できる。こうした取り組みを2019年も加速していきたい」

 ――訪日客は今後も安定して増えますか。

 「海外ブランドの人から『日本のインバウンドは緒に就いたばかりだ』と言われる。フランスや英国に比べればまだ小さい。世界の旅行者数は2030年に18億人と16年から5億人程度増えるという調査がある。東京は人気の上位に入る。楽観的かもしれないが、日本の経済環境に組み込まれていくと感じる」

 「現場には観光客という捉え方ではなく、商圏が拡大していると視野を広げた方がいいと言っている。例えば大阪だと和歌山などを含めた関西エリアと考えがちだが、上海、ソウル、台北からも週末に買い物に来れる環境がありリピーターになりうる。言語対応や決済対応などを充実させる」

 ――郊外でも百貨店ではなく商業施設を増やしますか。

 「百貨店などの店舗を核にエリアの魅力を最大化する『アーバンドミナント戦略』を推進している。例えば、東京の御徒町では百貨店とグループのパルコがあるが、近隣に新たな商業施設を設け健診施設など地域にないものを誘致する。京都でも商業施設の開発に着手した。グループを通じて資産効率を上げ、街を活性化していく。百貨店だとできないことを不動産事業として進める」

 ――19年10月の消費増税で消費への影響をどうみますか。

 「前回(14年4月)と違うのは時期だ。春物だったら早めに買うというのがあったが、9月のまだ真夏の段階で冬物衣料の先買いは期待できない。では10%に上がった後で心理的に買ってもらえるかどうか。14年は閉店などの影響を除いた前年対比は0・5%増だったが、地方郊外店が若干苦戦した。高額品を前倒して販売するなど、ビジネスのあり方を変えていく」(花井悠希)

注目する人物・企業
大谷翔平

消費のキーワード
ESG(環境や持続可能性に配慮した企業に対する投資)

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