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キラーテナントどこ?、SC突撃調査、コスメ、男も呼び込む、THREE、シンプルさ支持。

[ 2019年2月11日 / 日経MJ(流通新聞) ]

ゴンチャ どこでも行列 eスポーツでビック

 ショッピングセンター(SC)で今、旬なテナントはどこか? 日経MJは主要デベロッパーの担当者らを直撃し、是非誘致したいテナントを聞いたところ、注目のコスメ分野で首位は「THREE(スリー)」だった。食分野では台湾茶の「ゴンチャ」がトップ。ただ、票は分散傾向にあり、他のSCとの違いを出すため、個性派のテナントを求める動きが強まっている。

 SCのテナントで今、一番熱い分野はコスメだ。そのコスメで首位はポーラ・オルビスホールディングス傘下のアクロ(東京・品川)が手掛ける「THREE」。天然由来の素材をふんだんに取り入れた自然派ブランドで、有効回答者の1割強が推した。洗練された商品、店の内装のデザインで30歳代女性を中心に支持を集める。

 都内の店舗を訪れた長野県安曇野市の中村史絵さん(34)は「がちゃがちゃしていないシンプルなデザインが好き」と話す。普段はネット通販で購入しているが、友人に会うため上京したついでに初めて来店した。

 2位の「shiro(シロ)」(ローレル=東京・港)も自然派コスメだ。北海道の老舗造り酒屋の酒かす、北海道のがごめ昆布など素材選びからこだわった。あるデベロッパー担当者は「シンプルさが女性に支持されている」と評価する。

 「両ブランドに共通するのはライフスタイル提案」。講談社の美容誌「VOCE(ヴォーチェ)」の高橋絵里子編集長は指摘する。「メークからスキンケアまで幅広い商品を展開し、流行に敏感で美しい生活を求める消費者に支持されている」

 同点2位はエイチ・ツー・オーリテイリング傘下のエフ・ジー・ジェイ(東京・港)の「フルーツギャザリング」で「ものすごく集客力がある」(鉄道系デベロッパー)という。三越伊勢丹系の「イセタンミラー」同様、百貨店で扱う高級ブランドを横断的に買える。

 SCにとってコスメは男性客も呼び込める。フルーツギャザリングで1年で最も売上高が大きいのは3月13日。お返しを買う男性が集まるホワイトデーの前日だ。「スキンケアは筋トレに似てやるほど効果が出る。最近は男性のメークも広がっており、はまる男性はさらに増えそう」(ヴォーチェの高橋編集長)

 飲食・食物販分野もSCで存在感が高まっている。首位は台湾発のティー専門店「ゴンチャ」だ。15年に日本に進出し、26店を展開。「大阪でも名古屋でも店を出せば一番行列ができる」(大手デベロッパー)。タピオカなどのトッピングが選べることも受けている。

 2位は定番「スターバックスコーヒー」と、キャメル珈琲(東京・世田谷)が展開する「カルディコーヒーファーム」。コーヒー豆のほか、輸入食品や菓子、ワインなども充実。宝探しの感覚で買い物を楽しめる迷路のような店作りでも支持される。4位の成城石井は「グローサラントが欲しい」(不動産系)。

 実は食関連で多くの担当者が口をそろえたのが「チェーンよりも地元の個店。フードコートでは大抵一番人気」(大手小売り系)という。

 新設SCの2割強を占めるサービス分野は票が分散。業態での回答が多く、最多はフィットネスだった。健康に気をつかう人が増え、定期的な来店も見込める。ホットヨガ教室「LAVA」を推す大手商業施設担当者は「教室から出てくる女性の表情がイキイキしている。頻繁に体験キャンペーンもしており、女性客の来店増につなげられそうだ」と話す。

 プラネタリウム、仮想現実(VR)体験施設などのエンタメ分野を推す声も。「欲しいのはビックカメラ。でも物販じゃなくてeスポーツ施設」。ちなみにブランド別の首位はボディワーク(東京・港)が運営するリラクゼーション施設「ラフィネ」だった。

 最後に、ネット通販などに押され気味のアパレル・雑貨分野。誘致したいアパレルブランドに求める条件で多かったのは「安定した集客」だった。「もはやアパレルによる集客増は期待できない」(大手商業施設の担当者)との声もあった。

 そんななか、キラーテナント首位はセレクトショップの「ビームス」。「新しいことにいろいろチャレンジしている」(九州のデベロッパー)。定番ブランドに続き、4位に入ったのが作業着チェーン大手ワークマンの「ワークマンプラス」だ。アウトドアウエアとして高機能、デザイン性、低価格。ある関係者は「面積当たりの売上高が物販平均の10倍。今がまさに旬」と話していた。

(杉垣裕子、永井伸雄)

「コスメの次」はや物色
誠品生活、イチオシ
「メルカリ」ほしい

 「食の有望テナントの大本命は『ピーター・ルーガー』。既に誘致争奪戦です」と不動産系デベロッパー担当者は話す。このニューヨーク発の老舗高級ステーキレストランは熟成肉ブームの先駆けで日本初上陸する。

 日本人観光客も訪れる台湾の人気セレクトショップ「誠品生活」も「ブレーク間違いなし」(大手デベロッパー)。日本1号店は三井不動産が東京・日本橋に今春開業するSCに出る予定だ。

 今回の調査で上位には入らなかったものの、有望なテナントは今後、続々登場する。さらに現在、旬のコスメの「次」を探す動きも出てきた。

 大手百貨店系幹部は「体幹を鍛えるエクササイズとしてのバレエ教室を導入したい。できれば(著名バレエダンサーの)熊川哲也さんの」と話す。別のデベロッパーは現在は存在しない「メルカリの実店舗、ゾゾの実店舗」を挙げる。R・B・K(東京・港)の飯嶋薫社長は「SCにわざわざ足を運ぶ動機づけになるテナントをそろえるには、既存店舗だけでは難しくなる」と指摘する。

 年32兆円のSC市場。都心の再開発は一巡し、SCの新設数は減少傾向だ。18年は37施設と17年比2割減った。「テナントの定借契約期間を考えると、これからはSCのテナント入れ替え戦が本格化する」(ドイツ証券の風早隆弘氏)

 SCのテナント賃料が比較的高い物販系が振るわず、低めのサービス系が増えている。テナント発掘力が試されている。

 調査の方法 1月に横浜市内で日本ショッピングセンター協会が開いたビジネスフェアに出展したデベロッパーのテナント誘致担当者らに「入居してほしいテナント」「将来有望だと思うテナント」を聞いた。対象はアパレル・雑貨、飲食・食物販、サービス、コスメの4分野。それぞれ3つまで答えてもらった。有効回答者数は55人。

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