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日経の紙面から

訪日客の位置情報、観光につなぐ、業種超え地域内で拡大――広島・宮島、AIが分析混雑を抑制、北海道、タイ人最寄り店に誘導。

[ 2019年2月11日 / 日経MJ(流通新聞) ]

 インバウンド(訪日外国人)の位置情報を生かし、業種や業態を超えて観光振興につなげる取り組みが各地で広がっている。厳島神社がある宮島(広島県廿日市市)では商店街や駐車場のカメラで人の流れをとらえ混雑を抑制。北海道では販売や移動データを組み合わせてタイ人の動きを把握して店内に誘導する。地域で情報をつなぎ、ビッグデータをうまく活用する。

 「王道ルートですぐに帰ってしまう」「混雑状況の発信は観光客が来る前にしないと」。NTT西日本広島支店や廿日市市、地元の観光協会や商店街などが参加して、宮島でストレスフリー観光をめざすプロジェクトが昨年4月に発足した。

 島内6カ所にカメラを設置。対岸の駐車場にはセンサーを付け車や人の流れの情報を蓄積する。人工知能(AI)が映像を分析して年齢や性別を判断し、車両台数の情報などと組み合わせる。

 観光客が混雑状況をリアルタイムで確認できるサービスを5月にも始める。混雑を避けて訪日客の滞在時間が延びれば、消費底上げにつながると期待する。

 北海道ではさっぽろ産業振興財団が築いたビッグデータのプラットフォームの活用が進む。道内小売業の販売データや大手通信会社が持つ訪日客の移動データを共有。イオン北海道はタイからの観光客が多く通るルートを把握し、最寄りの店舗に誘導してタイ人向けの売り上げを前年比で3倍に伸ばした。

 ほかにもシステム開発のエコモットは位置情報を発信する携帯端末を開発。端末のQRコードをスマートフォンで読み取ると、現在地周辺の観光情報が15言語で見られる。観光情報を提供する北海道宝島旅行社(札幌市)と組み、個人旅行客向けのオプショナルツアーの情報を充実させた。

 移動や買い物の動向が地元住民とは異なる訪日客に対し、ビッグデータの活用はかねて重要とされてきた。それでも位置や交流サイト(SNS)の情報だけではとらえきれない内容が多く、カメラなどのインフラの整備や企業をまたいだ情報の共有が地域で進み、データ活用がようやく本格化してきた。

 茨城県では、ナビタイムジャパンが持つ利用者の移動経路などのデータを生かす。茨城大学の学生が水戸市内の観光施設で観光客から地域の魅力を聞き取り、データを組み合わせる。神奈川県ではNTTドコモが提供するモバイル空間統計を活用。携帯電話の位置情報などを基に、特定の場所にいる利用者の年齢層や性別などのデータを分析し、集客に生かす。

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