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LINE、位置情報で販促支援――来店客にお得情報発信(戦略ネットBiz)

[ 2019年4月10日 / 日経MJ(流通新聞) ]

 LINEが位置情報を使った販売促進策で、小売店の後押しに力を入れている。2月に始めた「LINEチェックイン」はビーコン(電波受発信器)を使い、来店者のLINEアカウントにピンポイントでキャンペーン情報を送れる。LINEの顧客基盤を活用したサービスの一環で、企業のニーズに合わせて食品や日用品のメーカーにも展開を見込んでいる。

 「チョコレートがあたった」「毎日チャレンジできて便利」――。SNS(交流サイト)のツイッターには2月から、ローソンに来店した人のこんなコメントが並ぶようになった。ローソンはLINEチェックインを導入した第1弾の企業だ。

 店の入り口付近にビーコンを置き、あらかじめ同意を取った利用者が入店すると近距離無線規格「ブルートゥース」で検知する。店内でLINEを開くと、ローソンの公式アカウントからキャンペーン情報を送る。

 ユーザーはその場で抽選に参加でき、当選すればお菓子などが当たる仕組みだ。1日1回抽選でき、来店を習慣にしてついで買いが期待できる。ユーザーにとって有益な情報なため、アカウントを「ブロック」する割合も「飛躍的に改善した」(ローソン)。

 LINEは2018年、店頭販売を支援する「LINEセールスプロモーション」を始めた。小売店が人手不足に苦しむ中、店頭販促(POP)の差し替えは現場の負担になり効果もはかりにくい。飲料・食品メーカーからも店頭施策にLINEを活用したいとの声が挙がっていた。その一つが入店の位置データを生かす「チェックイン」だ。

 位置情報を使って店頭販売を支えるといっても、ネットと店舗の担当部署が異なる企業は多い。ネットに疎い店舗担当者にも使いやすいサービスが欠かせない。

 インストアセールスプロモーション室の江田達哉室長は「デジタル経験が浅い担当者にも使ってもらえるよう工夫した」と説明する。利用する企業はキャンペーンに使う画像などと一緒に申し込めば、後はLINEがまとめて対応する方式とした。

 「チェックイン」とは別に位置情報を用いる販促として、3月には個人の関心や属性に合わせた電子チラシを対話アプリに配信する実験にも着手した。ダイエーのイオンフードスタイル港南台店(横浜市)で、半径2キロメートル以内に住み友だち登録した2700人を対象とする。

 多品目を掲載したチラシを一律に配るより効果が高いと見込み、家電量販店などへの展開も検討する。カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の「Tポイント」事業のように、将来は顧客の購買データを店づくりや販促活動に生かせるかもしれない。

 江田室長は「小売店だけでなく食品や飲料メーカーも新しいサービスを活用できるはず」と意気込む。小売店で購入する前に、メーカーが店を通さず、LINEで新商品のキャンペーンを打つことも考えられる。

 EC(電子商取引)市場は広がっているが、経済産業省によると物販市場のEC化率は5・8%にとどまる。実店舗での買い物の際にネットで検索したり、SNSで目にした情報を元に実店舗へ足を運んだりと、オンラインとオフラインを行き来する「O2O」市場の余地は大きい。LINEは顧客データを生かして、店舗での物販にも切り込む。(吉田楓)

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