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進化するトランクルーム、シェアクラ、スマホで荷物管理、イオン、店舗に併設、狭まる新築面積に商機。

[ 2019年7月25日 / 日本経済新聞 朝刊 ]

 かつて野ざらしのコンテナ型も多かったトランクルームが進化している。日本の家はこの20年間で畳7畳分、約12平方メートル小さくなった。収納不足に悩む消費者の受け皿として、スマートフォンと宅配網を駆使し必要なものを必要な時だけ取り寄せるサービスなどが広がる。インスタ映えを意識し部屋をすっきりさせたい若い女性など顧客層も厚みを増し、市場規模は2018年に590億円と10年で倍増した。「押し入れ」をシェアする時代が近づいている。

 国土交通省によると日本の新設住宅の1戸当たり床面積は17年度に約80平方メートルと、20年前より約12平方メートル減った。都心部では30平方メートル台の小型マンションも多く、「ウオークインクローゼットが欲しいけれど現実には難しい」(30代女性会社員)といった悩みは多い。

 限られた居住空間を快適にしようとトランクルームの活用が広がる。

 日鉄興和不動産は20年に竣工予定のマンションから「宅配型トランクルーム」を順次、装備する。宅配型収納アプリ「シェアクラ」を今年1月に始めたデータサイエンスプロフェッショナルズ(東京・中央)と連携。居住者は本や衣類など預けたいものを専用段ボールに詰め、外部の宅配員が回収し倉庫で保存する。

 ネット通販の普及で整備された宅配網を生かし、従来型のトランクルームに付加価値を付けたサービスだが、デジタル技術もフル活用する。

 シェアクラは預かった荷物を1点ずつ写真に撮り、利用者はスマホで閲覧できる。預けている服の色を見ながら似合う靴を買ったり、預けた本を確認し二度買いを避けたりできる。スマホで取り出しを依頼すると最短翌日には自宅に届く。

 箱の大きさに応じ月額料金(250円〜)がかかる。一方、通常800円からの荷物の取り出し手数料を日鉄興和のマンション居住者には無料にする。「顧客からは収納を確保したいという要望が最も多い」(同社)といい、マンションの契約増につなげる狙いだ。

 宅配型の収納サービスは寺田倉庫(東京・品川)が12年に始めた「ミニクラ」が先駆けとされる。その後も新興勢が続々と生まれ、「サマリーポケット」では預けた雑貨や服が不要になればオークションサイトに代理出品してくれるなど、サービス内容が広がる。

 旧来型のトランクルームも様変わりしている。

 東京・世田谷の住宅街に近い幹線道路沿いに今年、遠目にはマンションのような地上4階、地下1階のビルが完成した。大手のキュラーズ(東京・品川)が6月末に開業したトランクルームだ。

 従来は空き地にコンテナを並べたものも多かった。全国に64店舗を持つ同社は屋内型に特化。温度や湿度管理に加えスタッフや防犯カメラを配備するなど安全・安心にこだわる。部屋をすっきりさせたい若い女性など顧客層を広げる。

 キュラーズによると国内市場規模は18年に590億円と10年で倍増。拠点数は約9500カ所とファミレス(約9600店)に肉薄する。25年には1千億円に広がるとされ異業種参入も相次ぐ。

 イオンはグループ会社を通じ進出した。イオンのショッピングモールなどに倉庫を設け、買い物ついでに使ってもらう狙いだ。最も小さいサイズでは月500円。19年内に3店増やし10店体制を目指す。

 クリーニング店「ポニークリーニング」を運営する穂高(東京・中央)は日本ユニシスや日本郵便と組み、クリーニングと保管をセットで提供する。夏場は使わない冬物の衣服などを日本郵便の宅配員が回収。ポニーの工場で洗濯した後、日本郵便の倉庫で最大9カ月保管し、利用者が必要な時に自宅に届ける。

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