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大卒内定9年ぶり減、来春、本社調査、銀行・証券2桁減、景気に不透明感。

[ 2019年10月16日 / 日本経済新聞 朝刊 ]

 日本経済新聞社が15日まとめた2020年度の採用状況調査で、主要企業の大卒採用の内定者数(20年春入社)は、19年春入社数と比べ0・5%減だった。前年実績を下回るのは9年ぶり。銀行・証券がともに2ケタ減と採用抑制を続けていることが響いた。景気の不透明感が強まり採用に慎重な企業も増えている。

 主要企業1035社を対象に10月1日時点の内定者数を聞き、924社から回答を得た。大卒者は大学院卒も含む。

 大卒の内定者数は11万8837人。内定者数が前年の入社数を下回るのは11年度の調査以来。11年春入社の採用活動は、リーマン・ショックの影響が残り企業が採用を減らしていた。

 この10年ほどで採用を巡る環境はガラリと変わった。

 イノベーション(技術革新)の波に直面するのが金融業界だ。銀行は11・1%減、証券は26・4%減といずれも2ケタ減。長引く低金利による収益環境の悪化に加え、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)などの活用による単純業務の自動化が進むためだ。

 三菱UFJ銀行は内定者が530人と前年より44・7%減らした。みずほフィナンシャルグループも21・4%減の550人。メガバンクは店舗などの削減も進める計画で、業務体制の変化が採用抑制につながっている。野村証券は44・7%減の333人、大和証券グループも29・4%減の480人だ。投資信託の販売減少などが背景だ。

 全体の集計から銀行と証券を除けば内定者数は1・1%増となる。ただ、製造業では自動車・部品が5・5%減、機械が3・9%減となるなど19業種中で10業種がマイナス。製造業は19年度調査で前年度割れは5業種で、採用減は様々な業種に広がっている。

 電機も1・3%減とマイナスに転じた業種の一つだ。日本電産はグループで内定者数を249人と19年度採用実績と比べ38・8%減らした。「米中貿易摩擦などを背景に、世界経済の不透明性が高まっている」ことを理由に挙げた。景気動向が企業の採用活動に影響する面も出てきた。

 今回の調査では53・8%の企業が当初の採用計画と比べて実際の内定者数が未達となった。これまで人手不足が続いてきた業界でも、採用では量だけを追わずIT(情報技術)などのスキルを重視する企業が増え状況は変わりつつあるようだ。

 製造業派遣のUTグループは内定者数が388人。採用計画を19年春の入社実績より142人少ない1050人に設定していたが、それでも達成率は4割に満たない。企業からのニーズが高い理系人材の確保に動くが、「顧客からの需要が人材の量より質になっている」(UTグループ)という。優秀な人材は他社との争奪戦が激化している。

 採用を増やしている業種もある。出店を拡大しているドラッグストアなどを含む「その他小売業」(7・2%増)、次世代通信規格「5G」などへの投資が増えている「通信」(9・4%増)だ。調剤薬局大手のアインホールディングスはグループで2・2倍の900人、楽天は1・7倍の700人と内定者を増やした。

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