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デンカ、蓄光シート、屋外寿命20年、誘導標識、変色しにくく、五輪需要を開拓。

[ 2017年5月9日 / 日経産業新聞 ]

 デンカは太陽光や風雨にさらされる屋外でも約20年間利用できる蓄光シートを開発した。耐候性の高い樹脂を使い、20年後の紫外線による変色を従来品の約7分の1にとどめた。国は2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて避難場所を示す誘導標識の整備を進めている。訪日客が集まる五輪までに国内で採用実績を積み上げ、海外へも拡販していく考えだ。

 蓄光シートは樹脂に太陽光や照明などの光エネルギーを蓄積する「アルミン酸塩」と呼ぶ顔料を混ぜ、暗くなると発光する機能を持たせたもの。デンカは耐候性や防汚性が高く、太陽電池パネルの下に敷くバックシートなどに使われるフッ素系樹脂「ポリフッ化ビニリデン(PVDF)」に蓄光機能を持たせた。

 PVDFフィルムが光を透過するようにアクリルと混合。硬い蓄光顔料を200度以上の高温で混ぜ、均一に分散させる独自技術を開発した。酸化チタンを含む反射層と一体で押し出し成形する製造技術も確立。現在は最大で30センチメートル四方に対応する。表面に電圧をかけて改質することで標識などを自由に印刷できる。

 従来の蓄光シートには塩化ビニル樹脂やウレタンが使われてきた。ただ塩ビは紫外線、ウレタンは水に弱く、屋外で長期間使用するとひび割れや変色により視認性が低下する問題があった。屋外では5年もたたずに劣化することも多いという。

 開発した蓄光シートは紫外線に対する耐久試験で「促進試験上は20年ほど長持ちする」(事業推進部の増子芳弘主幹)ことを確認したという。

 3月にはPVDFに蓄光材を混ぜてシート化する製造法で特許を出願した。デンカは伊勢崎工場(群馬県伊勢崎市)で蓄光シートの研究開発体制を強化し、今年度中に60センチメートル四方程度まで製造できるようにする計画だ。

 東京五輪を控え、訪日観光客向けに図記号を用いた屋外の案内板の設置が進んでいる。国は災害種別の避難誘導標識の日本工業規格(JIS)を設け、設置費の7割を補助するなど整備を後押しする。標識だけでなく階段や手すりの滑り止めなど、夜間や停電時でも避難路を見えやすくするといった用途も見込む。デンカはまず国内で普及を図ることで訪日客にアピールし、海外での販路獲得につなげる。(小柳優太)

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