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JDI、起死回生の一手なるか、有機ELパネル量産、市場は半信半疑。

[ 2017年10月8日 / 日経ヴェリタス ]

 液晶パネル大手のジャパンディスプレイ(JDI、6740)の有機ELパネル戦略を巡って、株式市場の評価が割れている。グループ会社のJOLED(ジェイオーレッド)が有機ELパネルの量産にメドをつけたと伝わった4日、JDI株は一時30%近く上昇したが、翌5日には8%下げる場面もあり、値動きの荒さが目立った。

 株価の値動き同様、アナリストら市場の見方も分かれている。「有機ELシフトが遅れていたJDIグループにとってポジティブ」(外資証券)との声がある一方、「量産の実現性は依然として不透明」(野村証券の岡崎優氏)との指摘も聞かれる。

 市場がもろ手を挙げて喜べないのは、JDIがこれまで市場の期待を何度も裏切ってきた経緯があるからだ。

 前期は最終黒字を公約していたにもかかわらず、事業環境の読みが甘く、繰り延べ税金資産の取り崩しに追い込まれ、赤字を計上。15%出資するJOLEDについても、昨年末にJDIが2018年3月期の上期中に子会社化することを決めたが、今年6月には時期を「未定」に変更するなど流動的だ。

 スマートフォン(スマホ)用パネルなどの競争環境の変化が激しく、構造改革にも追われる。今期に入って3700人の人員削減を発表。今期の業績予想は開示していないが、リストラの影響で4期連続の連結最終赤字は避けられそうにない。

 やっかいなのは営業損益でも上場来初の赤字になる公算が大きい点だ。主要顧客の米アップルが有機ELパネルを採用した「iPhoneX(テン)」を発売する予定で、JDIが得意としてきたスマホ用液晶パネルの販売が減少する。

 JDIグループではスマホ用有機ELパネルの量産は19年になるとみられ、液晶パネルの減少を補いたくてもすぐにはできない。本業が厳しい状況は当面、変わりはない。

 有機ELパネル量産に向けたJOLEDの資金調達も不透明さが残る。

 1000億円を目標にソニー(6758)など大手製造業を中心に拠出を呼びかけているものの、有機ELパネルは韓国勢が先行している。資金の出し手にしてみれば、費用対効果のハードルは高い。

 パネル事業は国策と結びつけて語られることが多い。東芝(6502)の半導体事業売却の過程で浮上した「奉加帳」の様相が色濃くなるようだと、一段の曲折もありそうだ。(浜岳彦)

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