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薄さ1ミリ未満、木地透ける照明、守田漆器、USB給電で海外対応、訪日客や飲食店の需要開拓。

[ 2018年4月20日 / 日本経済新聞 地方経済面 ]

 山中漆器製造卸の守田漆器(石川県加賀市)は照明製品を拡充する。極薄の木地をランプシェードに使った小型の卓上照明を年内に商品化する。1ミリ未満に薄くひいた木地を発光ダイオード(LED)の光が透過。スマートフォン(スマホ)などで使われるUSB経由で給電し海外でも使える。訪日客向けのほか宿泊施設や店舗といった業務用の市場も開拓する。

 商品化するのはLEDを木製漆器で覆った卓上型のライトスタンド。湾曲する部分を0・5ミリ程度まで極薄に削る「薄びき」という技法を用いてランプシェードを仕上げる。明かりをつけると木目がくっきりと浮かび上がり、淡い光を放つ。

 10ワット程度の小電力で点灯する。部品調達先の照明機器メーカーと協力し、USBに接続して安全に発光するメドを付けた。

 USBはコードで機器と電源の挿入口を結べば使える世界共通の規格。スタンドを訪日客が日本で購入し自国に持ち帰って使えるようにした。最近はコンセントとしてUSBの挿入口を設けるホテルなどが増え、飲食店や宿泊施設といった業務用の需要も見込む。

 開発にあたっては石川県工業試験場から木地の強度確保に関する技術協力を得た。LEDが発する熱を効果的に逃がし、漆器を傷めないように工夫する。石川県デザインセンターとも連携し、光の具合や形状を調整して意匠性を高めた。

 今後、デザインや仕様の詳細を詰め、東京などで開くインテリア・照明機器の展示会に出品。年内に本格発売し、全国のインテリアショップや石川県の土産店などに出荷する。価格は2万〜3万円を想定。需要をみながら壁掛け型など別タイプの投入も検討する。

 漆器を使った照明製品は「ウスビキライト」シリーズとして2015年に初めて商品化した。現在はつり下げ型の照明やキノコ型の間接照明を扱う。通常の電源コンセントにつないで使い、一部は海外にも出荷している。

 USB対応の新製品の投入により、現在26種類あるラインアップが10種類ほど増える見通し。

 同社は1909年創業で年間売上高は約2億円。照明関連製品の売り上げは5%程度。商品のラインアップを広げることで、2020年ごろにこの比率を1〜2割程度まで高める考えだ。

 山中漆器の年間生産額は約100億円と全国の漆器産地で最大規模。ろくろで木地をひく技法に特徴があり、塗りや絵付けを強みとする輪島塗などと得意領域が異なる。漆器産地では後継者不足などで事業所の減少が続いており、守田漆器は新たな用途開拓を産地の活性化につなげる。

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