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殺菌力高い紫外線LED、徳島大発VBが量産技術、安く長寿命、家電開拓。

[ 2018年4月20日 / 日本経済新聞 地方経済面 ]

 徳島大学発の半導体ベンチャー、ナイトライド・セミコンダクター(徳島県鳴門市)は、殺菌効果を大幅に高めた高出力の紫外線発光ダイオード(LED)を開発した。同時に量産技術も確立。今後、様々な用途を家電メーカーなどに提案し、年間50万個の販売を目指す。20日には東京に紫外線LEDの効果を体感できるショールームを開設し、自社の一般向け空気清浄器の拡販も狙う。

 波長275ナノ(ナノは10億分の1)メートルと高い殺菌効果が発揮できる短波長の深紫外線を発光するLEDを、高反射アルミニウムパッケージに4個載せ、光出力50ミリワットを実現した。これまで同社が主力としていた深紫外線LEDの出力は約2ミリワット。村本宜彦社長は「現時点で世界最大級の殺菌効果がある製品。応用範囲は飛躍的に広がる」と期待している。

 すでに米国と韓国のメーカーと協力して半導体結晶の量産技術を確立しており、1万個の生産で価格を1個3000円程度に下げた。

 同社によると、同じ程度の出力で波長が長い(殺菌効果は短いほど高い)他社製品と比較した場合でも価格は約3分の1だという。

 従来、紫外線による殺菌では、水銀などを封入した紫外線ランプが使われてきた。紫外線LEDは応答速度がランプに比べて圧倒的に速く、発光を繰り返すことによる劣化もない。寿命はランプの10倍以上の約1万時間。照射体の構造も小さく、製品の小型化や省電力化につながる特徴がある。

 同社では今後、紫外線LEDの利用がハンドドライヤー、温水洗浄便座といったトイレ周辺の機器や、浄水器、冷蔵庫などキッチン周辺機器へ拡大すると見込んでいる。また高出力を実現したことで、医療や研究開発施設など高いレベルでの殺菌が必要な分野に広がると期待している。

 紫外線LEDの殺菌・消臭の効果を一般の消費者に体感してもらうことを目的に、20日、東京・新宿にショールームを初めて開設する。同社の紫外線LEDによる殺菌技術は国際宇宙ステーションに採用された実績があることも訴え、「近未来的なデザインで最新技術を紹介する拠点にして、ブランドイメージ向上につなげたい」(村本社長)という。

 ナイトライド・セミコンダクター 青色LEDで知られる日亜化学工業とともに半導体開発をしていた徳島大学の酒井士郎教授の研究を基本に2000年4月設立。当時、難しいといわれた紫外線LEDの量産化に世界で初めて成功した。16年11月に設けられた徳島大学発ベンチャー認定制度で第1号認定を受けた。売上高約4億円、従業員数は約10人。

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