日経メッセ > LED NEXT STAGE > ニュース > 有機EL、曲面も生産、JOLED社長「他社と違うことを」。

日経の紙面から

有機EL、曲面も生産、JOLED社長「他社と違うことを」。

[ 2018年7月24日 / 日経産業新聞 ]

 ソニーとパナソニックの有機EL事業を統合したJOLED(ジェイオーレッド)の石橋義社長は23日、日本経済新聞のインタビューに応じ、能美事業所(石川県能美市)に曲面パネルや10〜32型の製品を生産するラインを新設する計画を明らかにした。自社技術を他のパネルメーカーにライセンス供与する考えも示した。一問一答は以下の通り。

 ――ジャパンディスプレイ(JDI)から取得した能美事業所に新棟を建設中です。

 「1日付で同事業所を設立し、順調に立ち上げを進めている。2019年初めに新棟が竣工する。同時に製造装置を搬入し、20年の量産開始をめざす。タイトな計画だがやりきりたい」

 「石川技術開発センター(石川県川北町)の試作ラインで17年12月から製品出荷を始めた。そこで学んだことを能美に生かす。パネルの性能や生産効率を引き上げる」

 ――量産資金として1000億円の増資を目指しています。

 「資金調達を進めていることは事実だが、候補企業に迷惑がかかる可能性があるためコメントは控えたい」

 ――能美事業所で量産するパネルの用途は。

 「初期はパソコンのモニター向けを考えている。生産するのは10〜32型の高精細、薄型軽量の製品だ。用途は限定していないが、車載ビジネスも考えている。(樹脂基板を使い曲面形状にできる)フレキシブルタイプの有機ELパネルも生産する」

 「新市場の開拓も大きな柱だ。1日付で担当の事業本部を新設した。(パネルに景色を映す)デジタル窓などを検討している。製造は外部委託するかもしれないが、今後は自社で最終製品を開発することも考えている」

 ――テレビ向けのパネルは自社生産せず、他のパネルメーカーにライセンス供与する方針です。

 「業界標準にするため複数社へのライセンス供与をめざしている。複数のパネルメーカーから話をもらっているが、途中段階なのでコメントは控える。大型パネルはパナソニックの技術をベースに、材料や生産プロセスを進化させている」

 ――JOLED固有の有機ELの生産技術である印刷方式の優位性は。

 「様々なサイズのパネルをひとつのプロセスで生産できる。1方式で市場の変化にタイムリーに対応できる」

 「他社は市場の大きいテレビやスマートフォン(スマホ)から参入している。これからビジネスを始める当社は他社と違うことをやりたい。韓国メーカーと真っ向勝負するのは得策ではない」

 ――現在の売り上げ規模や収益状況は。

 「試作ラインは少量を出荷して市場の反応をみるのが目的で、売り上げが立ってはいるが表に出せる数字ではない。黒字化についてどうこう言えるのは、能美事業所を立ち上げてからだ」

 いしばし・ただし 90年(平2年)学習院大院修了、ソニー入社。15年JOLED執行役員、18年6月25日から現職。東京都出身。54歳

ニュースの最新記事

PAGE TOP