日経メッセ > LED NEXT STAGE > ニュース > 高純度の発光素子開発、山形大、ディスプレー、高精細に。

日経の紙面から

高純度の発光素子開発、山形大、ディスプレー、高精細に。

[ 2018年10月17日 / 日経産業新聞 ]

 山形大学の城戸淳二教授と千葉貴之助教らは、高精細なディスプレーにつながる発光素子を開発した。セシウムなどを含む結晶の微粒子を使って有機ELと同じ構造の素子を試作すると、高純度の赤色を出せた。寿命や効率などを向上させ、3年以内に技術の確立を目指す。

 研究チームはペロブスカイトと呼ぶ結晶構造をもつ物質に注目した。直径が10ナノ(ナノは10億分の1)メートル前後の微粒子に加工すると、電気を光に変えられるようになる。高純度の色を出せるため、高精細なディスプレーの開発に役立つと期待されている。

 原料が安価になり、製造コストの削減にもつながる。

 セシウムと鉛に臭素を混ぜた結晶の微粒子は緑色の光を出す。臭素の代わりにヨウ素を含む結晶は赤色の光を出すが、すぐに壊れて光らなくなってしまう問題があった。緑色の結晶に含まれる塩素の8割を臭素に置き換え、耐久性を保ちながら赤色の光を出す結晶を作製した。

 有機ELと同じ構造の発光素子を試作した。赤色に光る結晶の微粒子の性能を詳しく解析したところ、高精細の4Kテレビや8Kテレビに使う国際規格を上回る性能だった。

 発光に必要な電圧は5・6ボルトから3ボルト以下に下がり、従来の結晶に比べて消費電力を抑えられるという。

 試作した発光素子が電気エネルギーを光エネルギーに変換する効率は21・3%だった。

 寿命は約2時間で、微粒子の表面を覆う界面活性剤と呼ぶ物質の量などを工夫することで耐久性を高める。鉛を含まず、高効率に光る結晶を目指す。

 成果は英科学誌ネイチャー・フォトニクスで発表した。

ニュースの最新記事

PAGE TOP