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外して使えるLED灯(金沢市)――電池内蔵、災害に強く(ほくりく逸品一品)

[ 2019年2月16日 / 日本経済新聞 地方経済面 ]

 電力の供給不安をもたらした東日本大震災からまもなく8年。災害時に公共施設などで電気が途絶えた場合、照明をどう安定確保するかが課題だ。金沢市の商社が開発したバッテリー内蔵型の発光ダイオード(LED)照明は、地震の揺れで電池が使えなくなる問題を克服。停電を察知するとスイッチがオフのままでも自動で点灯し、複数の原子力発電所が採用している。

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 事業所や公共施設で通常使う非常灯はバッテリーと照明を配線でつないで運用している。東日本大震災の際は地震の揺れでこの接続が切れ、非常灯が機能しなくなるケースが相次いだ。また、普段から人が立ち入らない倉庫などの非常灯は停電時には懐中電灯などで壁のスイッチを探して点灯させる必要がある。

 こうした問題を解決しようと、機械や工具などの輸出入を手掛けるラピュタインターナショナル(金沢市)が新たな非常灯を2017年に商品化した。LEDを使った蛍光灯タイプで長さ約1・2メートル。天井のソケットにつないで通常の照明としても使える。

 耐熱性のある小型のバッテリーを照明に内蔵し、地震時に断線する心配をなくした。

 バッテリーは消灯中に充電する。停電で電圧がかからなくなったことを感知すると、壁のスイッチがオフのままでも自動で点灯。通常の10分の1の明るさで最大3〜5時間光り続ける。ソケットから外して懐中電灯のように持ち運ぶことも可能だ。

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 機械メーカーの開発者として長く勤務した堀田誠社長が「東日本大震災後の電力事情を何とかしたかった」と製品化を主導した。中国の提携工場で量産化にこぎつけた。参考価格は税別1万9800円。

 展示会への出品をきっかけに非常時の使い勝手の良さが評価され、今は関西電力や四国電力の原子力発電所が採用。緊急時の作業を担う対策室など重要な部屋の照明として使われている。昨年には石川県が独自性や新規性で優秀と認めた製品を認定する「プレミアム石川ブランド」に選ばれた。

 現在は非常用照明として国土交通省の大臣認定を申請中で、年内の取得をめざしている。認定されれば建物の設計段階から非常灯として敷設することが可能になり、公共施設や商業施設などに販路が広がる。堀田社長は「安全基準の厳しい原発での採用実績を生かし普及させたい」と意気込む。(小野嘉伸)

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