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植物工場のコンサル、受託拡大、大成建設、閉鎖型の研究棟新設。

[ 2019年4月1日 / 日経産業新聞 ]

 大成建設は植物工場のコンサルティング事業を本格展開する。太陽光を使わない完全閉鎖型工場の研究開発を担う研究棟を新設。2019年度に企業からの受託件数を前年比で最大で2倍となる15件に増やす。設計や施工だけでなく、事業計画から運営管理や販売先の開拓まで幅広く支援することで、成長が続く植物工場の需要を取り込む。

 閉鎖型の植物工場の研究を拡大するため、戸塚技術センター(横浜市)にこのほど次世代研究開発棟を設置した。レタスなど葉物野菜で1キロ当たりの生産コストを従来の閉鎖型工場の半分となる600〜900円に引き下げるのを目標に研究開発を進める。

 閉鎖型は天候に左右されず害虫の被害を気にせずに栽培できるが、人工照明だけで植物を育てる必要があり、消費電力に課題がある。蛍光灯を使うと事業支出の40%が電気代になるという。電気代の安い発光ダイオード(LED)照明が普及してコストが下がる余地も出ているが、まだ露地物の野菜に比べて高い。

 同社はスタンレー電気と共同で、光源を工夫して光が面で広がるようにした、植物専用のLED照明を使ったユニットを開発。植物に光が行き渡るように工夫しており、必要なLED照明数を削減、蛍光灯に比べて消費電力を64%減らすことができた。この技術を発展させ、生産コスト低減に向けた研究を急ぐ。

 研究開発棟ではスーパーのほか、レストランなどの業務用ニーズに合った野菜の栽培ノウハウの取得に向けた開発も進める。企業からの植物工場の研究案件を積極的に取り込んで、18年度に7件だった受託研究件数を19年度には10〜15件に増やす方針だ。

 大成建設は食品や医薬品工場の設計などエンジニアリング事業のノウハウを生かし、00年ごろから植物工場事業に着手した。太陽光を使った工場の設計から始まり、一時は農業ベンチャーにも出資し、販売先などのノウハウを蓄積した経緯がある。

 矢野経済研究所によると、国内の完全人工型植物工場の建設工事の市場規模は22年度に1734億円と15年度に比べて4・8倍になる見通しだ。セブン―イレブン・ジャパンが相模原市で専用の野菜工場を稼働させるなど、コンビニエンスストア大手が相次ぎ植物工場で栽培された野菜の調達に動いている。

 大成建設は防災工事などを手掛けるベルテクスコーポレーション傘下のゼニス羽田のアグリ事業のコンサルティングを手掛け、太陽光型の野菜工場の設計や、工場で生産する高糖度トマトの販売などを支援した実績がある。今後も太陽光を併用したタイプなども含め、顧客のニーズに応じた植物工場のコンサルを手掛ける方針だ。(加藤宏一)

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