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LED、次世代車向け先行投資、スタンレー、3拠点新設。

[ 2019年5月17日 / 日経産業新聞 ]

 自動車用ランプ大手のスタンレー電気は次世代車向けランプの開発・生産体制を整える。電気自動車(EV)や自動運転車では、光の加減を制御しやすい発光ダイオード(LED)ランプが欠かせず、将来的な需要増を見据えて先行投資する。2021年度までに計150億円を投じ、LEDの新工場や試験施設など3つの拠点を新設する。

 スタンレーの自動車ランプ主力工場の秦野製作所(神奈川県秦野市)の隣接地にトンネル型の試験施設を建設する。長距離での光の届き方などを検証することが可能になる。20年6月をめどに完成予定で、投資額は90億円規模になるとみられる。

 試験施設には4車線の道路が敷かれ、全長は220メートルで、「同様の施設では世界最長になるのでは」(スタンレー電気幹部)と規模の大きさが売りだ。

 対向車や歩行者を感知して照らす範囲を調整するランプや、進行方向などの情報を路面に矢印で写して近くの歩行者に知らせるコミュニケーションランプなどを技術開発する実験場となる。

 横浜市では6月に新たな開発拠点「みなとみらいテクニカルセンター」を開設する。これまで広島市や宇都宮市など全国5カ所の事業所それぞれで手がけてきた製品設計の一部機能を集約する。技術者は100人規模となる。設計作業を効率化し、自動運転や電動化など先端領域の開発を加速させる。

 既存工場も能力増強する。LED製造子会社、スタンレー鶴岡製作所(山形県鶴岡市)の隣接地に新工場を建設する。鶴岡製作所は、スタンレー電気のLED製品の国内生産の7割程度を担う。新工場の生産能力は現在の1・5倍となる見込みだ。総工費は約60億円で、21年5月から操業を開始する予定。既存の工場は21年以降、取り壊す。

 新工場は新型LEDを生産する。殺菌能力を持つ深紫外線を出したり、暗闇でも物体認識が可能になり自動走行を支援する赤外線を出したりする製品がある。新型LEDは車以外にも応用できる。新工場は当面、監視カメラなどの車向け以外の新型LEDを生産し、将来は車向けを製造することも検討する。

 自動運転車や電気自動車(EV)ではガソリン車のような内燃機関が不要となる。それだけ走行の音も静かになって、歩行者が車の存在を知るにはヘッドランプなどの光に頼ることになる。車内のすごし方も変わるなかで、照明をはじめ車内外でランプの機能が重要になる。電子制御に向くLEDの需要は今後も伸びる見通し。スタンレー電気は独自技術を磨き、いち早い量産化につなげ、次世代車を巡る競争で優位に立つ狙いがある。(為広剛)

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