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偏光板――住友化学が首位に躍進(点検世界シェア)

[ 2019年8月2日 / 日経産業新聞 ]

 液晶や有機ELディスプレーパネルの基幹部品である偏光板の2018年の世界シェアは住友化学グループが前年比1ポイント上昇の24%となり、17年の3位から首位に躍り出た。17年首位の韓国LG化学や2位の日東電工がシェアを落とす中で、住友化学は中国での大型液晶パネルの生産拡大に合わせた偏光板の需要を取り込んで販売を伸ばした。

 偏光板はガラス基板などと重ねてパネルを形成するフィルム状の部品で、発光ダイオード(LED)などの光源からの光の流れを制御する機能を持つ。画像の鮮明さなど画質を左右する重要な部品だ。

 18年の偏光板の総出荷量は前年比4・3%増の5億1473万平方メートル。中国需要がけん引した。50型を超える大型テレビの需要が世界で拡大し、京東方科技集団(BOE)や華星光電(CSOT)などが大型パネルを量産した。

 LG化学が採算悪化から中国向けの出荷を抑えたり、日東電工がスマートフォン向けなど高付加価値品に重心を移したりする中、住友化学が中国関連の需要の受け皿となった格好だ。

 4位でシェアを14%と前年から4ポイント伸ばした韓国サムスンSDIは同じグループのサムスンディスプレー向け需要も好調だった。

 中国では高水準のパネル生産が19年春まで継続していた。過剰気味の生産に加え、中国の景気減速や米中貿易摩擦の影響もあり、足元ではパネルの生産調整に入っている。偏光板の世界的な需要も鈍化しそうだ。偏光板はパネルの生産コスト全体の10〜15%程度を占めることもあり、中国などのパネル大手からの値下げ圧力も強まりかねない。

 日韓の偏光板大手は有機ELパネルに使う高付加価値品に注力する方針。有機ELはスマホ向けで日東電工と住友化学、テレビ向けで住友化学とLG化学がぼぼすべてのシェアを握る。液晶でも、景気動向にかかわらず世界の富裕層の需要が見込める高精細の大型テレビのパネルに使う偏光板に活路を見いだす。

 足元の懸念材料は日韓関係の悪化だ。業界内ではパネル関連も日本からの対韓輸出規制の強化対象となる懸念は強い。偏光板自体は韓国国内でも生産されているが、偏光板の原材料である保護フィルムなど日本から調達する部分は大きく、偏光板やパネルの生産に影響する可能性は否定できない。(後藤宏光)

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