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九州大学、厚くても発光する有機EL。

[ 2019年8月8日 / 日経産業新聞 ]

 九州大学の松島敏則准教授と安達千波矢教授らの研究グループは、厚みがあっても発光する有機エレクトロ・ルミネッセンス(EL)の素子を開発した。従来は100ナノ(ナノは10億分の1)メートル程度の薄さでしか発光しなかった構造を、電気を流しやすい材料と組み合わせ、2000ナノの厚さでも発光するようにした。

 大面積のディスプレーを作るには薄い構造だと加工しづらくコストがかかっていたが、厚みがあればこうした問題の解決につながるとみている。

 成果は英科学誌ネイチャーに掲載された。

 有機ELのディスプレーは素子自体が光るため、バックライトに発光ダイオード(LED)を使う液晶に比べて発色やコントラストに優れるとされる。

 十分な発光を保つには素子の構造を薄くする必要があるが、工程が複雑でコストがかさんでいた。電気を流しやすい材料を組み合わせて使えば発光を強くできるが、加工するときの熱やプラズマで有機材が傷むため、実用化が進んでいなかった。

 研究グループは太陽電池に使われ、安価で電気が流れやすいペロブスカイト材料と組み合わせて素子を作製した。

 熱やプラズマを使わずに加工できるため、有機材の劣化を抑えられた。新たに作製した構造では、これまでの10倍の厚みで実用レベルの発光ができることを確認した。

 将来はレーザーやセンサーなど、これまで有機ELの活用が難しかった分野にも応用できるとみている。

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