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連載コラム

光のラインを描く LED Next Stage 2014レポート

[ 2014年5月22日 ]

2014年の3/4(火)~3/7(金)東京ビッグサイトでLED Next Stage 2014が開催されました。LED Next Stageはその名が示すとおりLED照明に特化した照明展示会で、今年で5回目を迎えます。国内最大の照明展示会であるライティング・フェアは2年に一度東京ビッグサイトで開催されており、LED Next Stageはライティング・フェアが開催されない年に隔年で開催されています。今年で5回目ですからスタートしてから10年という事になります。10年前の2004年当時を思い出してみるとLED照明の注目度は高まっていましたが、その主な用途はカラー演出でRGBタイプのLEDが主力でした。もちろん白色や電球色を用いた一般照明用途のLED照明もありましたが、従来光源に比べ明るさが不足していたり、イニシャルコストが従来光源の倍以上といったようなものが多く、一般照明としてはまだまだ改善の余地が大いにありました。この10年でLED照明は飛躍的な進化を遂げています。価格、明るさ、演色性、省エネ性などあらゆる面で従来光源と同等、もしくは上回る製品が当たり前のようになってきています。

以前は従来光源を使用した照明器具とLED照明器具のカタログと分けていた大手照明メーカーもLED照明の充実からカタログを1冊に統合し、その大部分をLED照明が占めるという時代になってきています。普段照明器具を選んでプランニングをする私自身もこの2~3年は選択する照明器具の95%がLED照明です。こうして10年という単位で振り返ってみると、あらゆる照明器具に取って代わるほど躍進しているLED照明の勢いと各メーカーの技術力の高さに改めて驚きます。

そんなご時勢ですから、ライティング・フェアでも展示されている照明器具の9割近くがLED照明となっており、2つの展示会をセットで考えると参加メーカーや規模の違いはあれども、我々照明業界の者にとっては実質毎年大規模な照明展示会が行われているような感覚です。

さて、今回のLED Next Stage 2014ですが、特にライン照明の新しい製品が目立っていたように思います。これまでも継続して紹介している無線による照明制御システムなども新しい製品が登場し、このスタイルが今後のLED照明のスタンダードになっていくことを感じました。その他、全体的なトレンドというわけではありませんが、これまでにないようなLED照明にも幾つか出会いました。普段私が携わっている建築照明の視点から気になったLED照明をレポートします。

面発光タイプのライン照明

直管形蛍光灯のような直線の形状をした照明をまとめてライン照明と呼びます。海外ではLinear Lightと呼ばれる事もあるそうです。日本は世界的にみてもLEDのライン照明の種類が非常に豊富で、そのクオリティも非常に高いといって良いと思います。こういった照明は主に建築化照明に使用されることが多く、長寿命でコンパクトなLEDの特徴を最大限に発揮できるのがライン照明ではないかと思います。LEDライン照明はこれまで建築化照明の主力であった、直管形蛍光灯やシームレスラインといった蛍光灯を最大のライバルとして開発が進められてきました。やはり蛍光灯がライバルですから、ライン照明を評価する際に注目されるのは「明るさ」と「価格」でした。そしてこの数年で蛍光灯の代替としても充分な明るさや価格、効率を備えたLEDライン照明が数多く登場し、現在では選択肢が豊富にある各社の競争が激しいジャンルです。

しかし、今回のLED Next Stage 2014で見られた新しいコンセプトのLEDライン照明はそれらと少し違うタイプの面発光するライン照明です。直管形LEDランプやオフィス照明用のLED照明等、ライン(線)の幅が少し広いタイプの物であれば既に面発光タイプのLEDライン照明が多く登場しています。しかし、今回見られた面発光タイプのLEDライン照明はそれらとは異なり、幅20mm以下のスリムなものです。間接照明として器具を隠して使用することはもちろん、むしろ面発光するラインを見せて「光のラインを描く」感覚で使用できる輝度を楽しむ照明器具です。

このコラムでも紹介しましたが、2012年にフランクフルトで開催されたLight+BuildingでみつけたLED linearというドイツの照明メーカーのブースでは、面発光するスリムなLEDライン照明器具が多数展示されていました。中には器具が自在に曲げられるもの、IP67~68といった性能を備え厳しい屋外環境でも使用可能なLEDライン照明など、新しいアプローチで開発された器具に感心したと同時に日本でも同様の器具が出ないかと待ち望んでいた所でした。

    


図1~3 Light+Building2012のLED Linearブース

そして昨年、LEDライン照明やLEDテープライトなどを扱うatexという照明メーカーから幅8mmのスリットライトという面発光タイプのスリムなLEDライン照明が登場し、日本もこういったタイプの器具が増えていくのではないかという予感と期待が高まっていました。今回のLED Next Stage 2014では思いがけずたくさんのメーカーから同様のコンセプトの器具が展示されており、それぞれの器具に非常に興味を持ちました。


図4 atexのスリットライト

まず、シームレスラインでお馴染みのDNライティングでは器具幅14.4mmのMC-LEDという面発光LEDライン照明が展示されていました。シームレスラインと同様のモジュール展開に加え、300mm、100mmというモジュールもあるので様々な組み合わせが検討できそうです。またスリムな器具にも関わらず1250mmタイプで全光束2000lmですから明るさの方も期待できます。スリムな面発光タイプの器具ではありませんが、HAS-LED という新しいLEDライン照明も展示されていました。1250mmタイプで全光束3270lmの明るさを持つHAS-LEDは、光の拡散性も充分でシームレスラインの代替機種としての活躍が期待されるのではないかと思います。


図5 DNライティングのブース


図6 光るラインを直接見せるMC-LED


図7 1250mm/3270lmの性能を持つHAS-LED
光の拡散度合いが分かりやすいプレゼンテーション。

DNライティングと同様にLEDテープライトやLEDライン照明等の建築化照明に特化したプロテラスでもスリムな面発光タイプのLEDライン照明「Luci silux」が展示されていました。幅12mmというスリムさで10種類の長さ、6種類の色温度のバリエーションがあります。最小で75mmのサイズが用意されているので、かなり細かい調整が可能です。特注加工でマグネットによる設置も可能との事でした。


図8 プロテラスのブース
Luci siluxをアピールした展示となっている。

    
図9,10 Luci siluxを使用した壁面の間接照明
光るラインを直接見せるデザインとなっている。連結部も目立たない器具デザインとなっている。


図11 75mmのLuci silux


図12 Luci siluxの特徴を生かした棚の間接照明
器具とほぼ同じ幅、器具高さとほぼ同じ深さのスリットに取り付け可能

    
図13,14 参考出品として展示されたLuci nano line
幅4mmという極細の面発光ライン照明。ペンダントやフロアスタンドの形状で展示されていた。

韓国発のFEELUXというメーカーにもありました。FEELUXも先に紹介したメーカーと同様に建築化照明に特化したメーカーで、独自の個性をもったLEDライン照明を揃えています。数年前から日本でも本格的に商品展開を始め、認知度が高まってきています。主力となるLEDライン照明はDIVA2と呼ばれるシリーズで基本的にLEDの小さな光源を一定のピッチで並べた器具です。この器具には拡散カバーのオプションが用意されており、これを取り付けると均一に光る面発光のライン照明へと変化します。オプションというと野暮ったいものをイメージしてしまいますが、幅10.6mmという細さで非常にスリムです。拡散カバーは丸いラウンドタイプと角形のスクエアタイプの2種類が用意されており、用途によって選択可能です。DIVA2シリーズにはさらにハイパワーなDIVA2 HO、色温度可変機能を持つDIVA2 Dual、フルカラー演出が可能なDIVA2 RGBがあり、それぞれ拡散カバーの取り付けが可能です。DIVA2 HO、DIVA2 Dual、DIVA2 RGBになると器具のサイズが少し大きくなりますが、それでも拡散カバーをつけて15mm程度ですから充分すぎるほどスリムなライン照明です。DIVA2シリーズは全てマグネットで取り付け可能で、連結する際はブロックのように器具同士の端部をはめ込みます。コーナーや曲線部分の設置も考慮し稼動する接続部が用意されていたり、端部の給電パーツ、手動の調光スイッチなども同じ要領で取り付けが可能です。特にこういった発光面を直接みせる照明器具の場合は、ギリギリの納まりに設置する場合が多く連結部分の配線処理が最大の課題です。この器具の場合はその問題がクリアされているので非常に使いやすいのではないかと思います。


図15 FEELUXのブース


図16 拡散カバーを取り付けたDIVA2
カバーを取り付けていない一番右の器具と比較すると拡散カバーの効果が良くわかる。

    
図17,18 DIVA2の器具の取り付け
ブロックのような感覚で器具同士を連結する。

    
図19,20 色温度可変機能をもつDIVA2 Dual

    


図21~23 フルカラー演出が可能なDIVA2 RGB

    
図24,25 レールから電源を確保するMonoRail
電源となるレールにライン照明をはめ込むと点灯する仕組み。レールのどこに取り付けても点灯する。また電源供給用のパーツもあり、レールから給電しレールの外にあるライン照明や棚下灯などを点灯することもできる。非常に良く考えられたフレキシビリティーの高いシステム。什器照明としてはもちろん、建築照明においても様々な場面で応用ができる。

ステップフォワードというメーカーのブースでもREVSIGN(レブサイン)という面発光タイプのLEDライン照明が展示されていました。国内の実績はもちろんですが香港での実績が非常に多い印象です。LEDネオンという呼び方をしており、サイン照明が主な用途のようですがアイデア次第で様々な用途に応用できそうです。ラインタイプのLED照明ですが、取付金具から離すと自在に曲げることが可能で、屋外でも使用することができます。今回展示された他メーカーの面発光タイプの照明は全てインテリア用の照明でしたが、屋外でも使用ができる性能は大きなアドバンテージだと思います。中にはIP68という性能持った機種もあるので屋外の過酷な設置状況でも安心して使う事ができそうです。


図26 ステップフォワードのブース

    
図27,28 様々なカラーバリエーションがあり、曲げることも可能


図29 側面発光タイプも用意されている


図30 水中に入れた状態での展示
高い防水性能をアピールするインパクトのある展示。

無線照明制御システム

これまでも当コラムにて受信機を搭載した照明器具や電源などと無線照明制御器を組み合わせたワイヤレスな照明制御システムを紹介してきました。照明を各点灯グループに分ける事無く、一筆書きのように繋げた照明器具を無線で自由に制御し、システムによっては特定の1台を調光したり消灯・点灯することが可能になります。


図31 既存照明制御システムの照明の配線イメージ(左)と無線照明制御システムを用いた照明配線のイメージ(右)
図はルートロンのEcoSystemの配線イメージ(ルートロン社のカタログより)

その代表的ものがルートロンのEcoSystemだと思います。他のメーカーに先駆けて無線照明制御システムを販売し、既に大手照明メーカーでもEcoSystemに対応した照明器具が展開されています。EcoSystemについてはこれまでも当コラムにて何度か紹介しておりますのでそちらをご覧頂けばと思います。今回気になったものはPWM調光器具に対応したパウパックです。これまでのパウパックは専用電源と照明器具を組み合わせることで、ピコリモコンというリモコンや人感センサーを使って無線で調光するシステムでした。大掛かりなシステムを組む必要がなく、施工も簡単である為工事費の削減にも繋がるシステムとして注目されていました。今回新しく登場したPWM調光器具向けのパウパックは、PWM調光が可能な照明器具であれば中間に専用電源を介することなく無線で調光可能にしてしまう画期的なツールです。


図32 PWM調光器具用のパウパック(画像中央)

従来のパウパックでも充分コンパクトなシステムでしたが、中間の専用電源が必要なくなると使用可能な器具の選択肢が飛躍的に増えます。新規物件はもちろんのこと、既にPWM調光対応の器具が取り付けられている施設でも大規模な工事を行う事無く無線調光にリニューアルが可能になります。ピコリモコンは9台まで接続可能ですので、広い空間で離れた場所にピコリモコンを設置すれば、複雑な配線工事をする事無く簡単に3路スイッチのような使い方が可能です。従来のシステム同様人感センサーや光センサーを組み合わせるとさらに次元の高い使い方ができそうです。

またブース内ではパウパックとピコリモコンを使用した興味深い納入事例が紹介されていました。ドイツのフランクフルトにあるマリオットホテルで、全588の客室をパウパックとピコリモコンを組み合わせた無線調光にリニューアルしたそうです。複雑な配線工事が不要なため通常よりも15%早く改修を終え、内装の復旧なども必要ないため内装工事費も発生せず大幅なコスト削減を達成したとの事です。工事が簡易的なため工期中もホテルは通常通り営業でき、ホテル自体の営業損失を約8,400万円回避、そして一般的なスイッチを設置した場合と比較して約7,000万円のコストダウンとなり、合計で約1億5400万円のコストダウンとなったそうです。こういった具体的な数字が提示されるとクライアントや設計者に対して非常に説得力があります。


図33 マリオットホテルの事例を紹介する資料

昨年の1月末に行われた遠藤照明の展示会でSmart LEDZという無線照明制御システムが大きく取り上げられていました。このシステムは受信機である無線モジュールを搭載した器具と、ゲートウェイという無線制御器、タブレット型のコントローラーのみで成立するシンプルなシステムです。ルートロンのEcoSystemと同様に人感センサーや照度センサーとも組み合わせることが可能です。このSmart LEDZが遠藤照明のブースで紹介されていました。一つのゲートウェイで最大200台の器具が制御可能で、その無線有効範囲は半径35mという事です。その範囲内で特定の照明器具1台のみをコントロールすることが可能になります。既に最新のカタログには無線モジュールを搭載したLED照明が相当数用意されており、オフィス照明のみならず、ダウンライトやスポットライトまで用意されているので大規模建築から住宅レベルまであらゆる空間で導入が可能です。ただし、現時点ではSmart LEDZでは幾つかのシーンを設定しそれを呼び出す機能がないとの事で、時間によって光の演出を変える場合はタイマー機能によって点灯するタイミングを調整する必要があるようです。また、当然のことながらこの照明システムを採用する場合は全て遠藤照明の器具で統一しなければなりません。ただ、この点についてはLED照明はメーカーや機種によって光の性質が異なりますから、同じメーカーで照明器具を統一するという手法は悪くないと思います。今後シーン設定の機能が追加されれば、調光器メーカーや自社の調光器を扱っている大手照明メーカーにとってさらに強力なライバルになると思います。


図34 遠藤照明のブース


図35 照明の制御を行うタブレット型のコントローラー


図36 Smart LEDZに対応している照明器具に搭載されている無線モジュール


図37 ゲートウェイと照明器具の設置例
画像の中央、天井に設置されている丸い器具がゲートウェイである。コントローラーからの信号をゲートウェイ介して各照明器具に伝達する。

また先ほど紹介したFEELUXではWiFiによる無線制御システムを採用していたり、台湾の照明メーカーであるTonsの器具を扱うAECOテクノロジーのブースでは、神田通信機株式会社が取り扱っているHelvar社のシステムを用いて、展示している照明をタブレット端末で無線制御していました。(Helvarはルートロンと並び照明制御の分野で世界的に知られているメーカーです。)この無線照明制御システムにはDALI(照明制御分野における国際標準の通信規格で特にヨーロッパでは広く使用されています)が採用されています。

    
図38,39 FEELUXの無線照明制御システム

    

    


図40~44 AECOテクノロジーブースの無線照明制御の様子
アドレスを持ったHelvarの電源とLED照明を組み合わせ、タブレット端末を用いて各照明器具の制御を行う。

色温度可変器具

一台の器具で色温度を変えることができるものを色温度可変器具と呼んだりします。このような器具はRGBタイプの器具と違い、カラー演出を行うものではなく、電球色-白色-昼光色あたりまでの色温度を自由に選択できるというものです。これまでも何度も当コラムで取り上げてきましたがこのジャンルの器具はここ数年で非常に増えてきています。最初は色温度が変えられる器具、そして色温度だけではなく調光が可能な調光・調色器具へ、さらに高照度時には白色で照度を落とすと電球色になるというものも登場しました。最新のものでは白熱電球の特徴をLEDで再現した調光・調色器具があります。白熱電球は2800K前後の電球色ですが調光して明るさを落とすと、色温度が下がり赤みを帯びた光になり、なんともいえない美しさがあります。これに対してLED照明は調光しても明るさが変化するだけで、色温度が変化することはほとんどありません。美しい電球色が再現できるようになった今でも、ハロゲンランプなどが未だにホテルなどで採用されているのはその為です。その白熱電球の特徴を再現し、電球色の光をベースに調光すると照度と色温度同時に低くなるというLED照明がトレンドになりつつあると思います。前回のライティング・フェアに展示されていたトキ・コーポレーションの色温度可変アドバンテージなどが良い例です。

今回大光電機のブースでは上記の様々な特徴をもつ調光・調色器具にそれぞれに名前をつけ、機能・特徴ごとに分けて展示していました。一般的な色温度(2700K~5000K)と調光(5%~100%)を自由に調節できるタイプの器具を「調色調光」、白熱電球を模したタイプ(色温度:2000K~2700K、調光:1%~100%)を「温調」、さらにスイッチで2700Kと5000Kに切り替え可能でそれぞれの色温度で5%~100%の調光が可能な「楽調」の3種類となっています。それぞれ、ライン照明とダウンライトが用意されています。意外に分かりにくいこのジャンルの器具の特徴に名前をつけて分類することで、適した使い方が自然とみえてきます。やはり万能なのは調光調色だと思いますが、調光調光のみ一つの器具を制御するために2台の調光器、もしくは調光制御システムの場合は2系統必要になるので状況に応じて適切な器具を選択することが重要です。


図45 大光電機のブース

    
図46,47 照度を落とすと色温度が変化する「温調」


図48 特徴ごとに名前をつけて分類されている大光電機のLEDライン照明

狭角・超狭角の大型LED投光器

2020年のオリンピックでの需要を睨んでということもあるのだと思いますが、HID1000w相当といった大型LED投光器で尚且つ狭角、超狭角という器具をよく目にしました。大型の投光器といえば広い配光で広範囲を照らすイメージがあるかもしれませんが、パワーがあるほど遠く離れた位置から照らすため、広角配光だけでは光が広がりすぎてしまいます。様々な光の演出を行うためには中角や狭角の配光が必要になります。特に高層ビルのライトアップなどでは遠くまで光を飛ばすことができる狭角配光が非常に重要です。各メーカーの光学制御の技術の進歩によりここ1~2年で狭角、超狭角の配光をもった器具が増えてきました。その流れが大型LED投光器にも見て取れます。遠藤照明、岩崎電気、東芝ライテックなどのブースに狭角・超狭角の大型LED投光器が展示されていました。

    
図49,50 遠藤照明の超狭角LED投光器
6°配光という器具を展示している。大規模建築、橋梁、タワーのライトアップなど様々な場面で活用できる。


図51 岩崎電気の大型LED投光器
メタハラ1.5kw相当の明るさを誇る。広角、中角、狭角の配光を揃える。効率重視のRa70タイプと、演色性重視のRa80タイプを選択できる。


図52 創業70周年となる岩崎電気

    
図53,54 東芝ライテックの大型LED投光器
岩崎電気と同様にメタハラ1.5kw相当の明るさで広角、中角、狭角の配光を揃える

その他、気になったメーカーや照明器具を簡単に紹介していきます。

AECOテクノロジー
先にも紹介しましたがTonsという台湾発のメーカーの器具を扱うAECOテクノロジーのブースで、LEDならではという照明器具を幾つか見つけました。前回のライティング・フェアでは、しっかりとしたグレアレスダウンライトなどの器具を展示しており気になっていました。(以前にTonsは照明デザイナーの落合勉さんのコラムでも紹介されています。)今回は前回よりも大きなスペースで様々な器具を展示しており、グレアレスなダウンライトなどはもちろんですが、シンプルでコンパクトな製品群に非常に興味を持ちました。特に穴径φ45の小さなダウンライト、穴径φ50の小さな床埋め込み照明が素晴らしいと思います。


図55 AECOテクノロジーのブース

    
図56,57 コンパクトなダウンライト(穴径φ45)と床埋め込み照明(穴径φ50)
配光もそれぞれ広角、中角、狭角のバリエーションがある。

    
図58,59 コンパクトなフットライト
ありそうでなかなかないタイプのフットライト。このサイズであれば住宅などでも積極的に使える。


図60 シンプルな上下配光ブラケット
コチラもありそうでなかなかないタイプのブラケット。


図61 手のひらサイズのスポットライト
屋外でも使用可能な小型のスポットライト。小型ながらしっかりと遮光角が取られグレアにも配慮した器具になっている。

コイズミ照明
昨年からパートナーシップを組んでいるXICATO社のLEDモジュールを採用した器具が展示されていました。XICATOのモジュールを採用しているのはヤマギワや森川製作所などが知られています。今回展示されているXICATOのLEDはこれまで使用されていた効率重視のStandardと高演色(Ra97)のArtistに加えて新しくVibrantが加わりました。このVibrantの演色性はRa82ですが、照らした対象物の色が鮮やかに見えるという特徴があり、特に店舗などに適しているシリーズです。またXICATOの従来のXSM、XLMといったLEDモジュールはそれ自体が防水性能を備えていましたが、今回展示されているXIMモジュールはインテリア用に絞り、素材なども変更しコストダウンが図られているそうです。このモジュールの登場でVibrantはもちろん、StandardやArtistといったこれまでのシリーズもより使いやすくなりそうです。またXIMモジュールはDALIでの調光が可能なタイプも用意されているので、先ほど紹介したHelvar社の無線照明制御システムとの相性が非常に良いのではないかと思います。


図62 コイズミ照明のブース


図63 XIMモジュールはDALIでの調光が可能なタイプも用意されている。

    
図64,65 Standard(左)とVibrantの比較(右)
共にRa82のLEDですが右側のVibrantの方が赤は鮮やかに、白も透き通った色に見える。

パナソニック
2012年の東京駅でのイベントが大きな転機かと思いますが、昨今国内でもプロジェクションマッピングという言葉をよく耳にするようになりました。高出力のプロジェクターを用いて建物などに映像や動画を投影する手法をプロジェクション呼びます。一方、プロジェクターの照射ポイントから照らす建物などの対象物までの距離を計算した上で、対象物を3Dデータ化、それに対してぴったり映像や動画、時には音楽などとリンクするように緻密に計算された映像コンテンツを作成し、対象物に映像を投影する手法をプロジェクションマッピングと呼びます。ですからプロジェクションマッピングは映像コンテンツの作成だけを考えても、単なるプロジェクションに比べてはるかに手間やコストがかかります。似て非なるもの、全くの別物です。プロジェクションマッピングとプロジェクションが同義語として扱われている事が多く最近少し心配になっています。

    
図66,67 プロジェクションの事例

    
図68,69 プロジェクションマッピングの例
建築などの立体物の形状に映像をぴったり合わせた演出を行う。

さて、少し話がそれてしまったのですが、パナソニックからSpace Playerという画期的なプロジェクターが発売されました。ライティングダクトに設置可能なスポットライトタイプのプロジェクターです。屋外での使用はできませんが店舗、美術館や博物館、イベントなど様々な場所で活用できそうです。動画はmov、avi、mp4、mpeg、wmvなど、静止画はjpg、bmpなど、一般的なファイル形式が使用可能なもの魅力です。照明と照らす対象物のポジションさえ決めてしまえば、プロジェクションマッピングのような使い方も可能です。工夫次第で手軽にプロジェクションやプロジェクションマッピングを楽しむことができます。この器具の最も素晴らしいところはライティングダクトとプロジェクターを組み合わせた点だと思います。これまでになかった全く新しいジャンルの照明でこれからユーザーがどのような使い方をするのか楽しみです。


図70 Space Player
白と黒のカラーが選択できる。天井面が黒の場合は黒のボディを選択すると器具の存在感を最小限に留める事ができる。

    
図71,72 壁に貼り付けた自動車の模型にプロジェクションしている様子
模型は固定だが、背景の映像を動かす事によって模型が動いているように見える。

    
図73,74 石膏像にプロジェクションしている様子
石膏像に眼球を投影し動きを持たせることで生きているような表情に見せる演出。


図75 テーブルの皿やグラスだけをプロジェクションしている様子
テーブルにメニューをプロジェクションする試みも行われていた。

パイフォト二クス
ここ数年、知人の照明デザイナーの方々から「ホロライト」が面白いというお話を良く聞きます。ホロライトはパイフォトニクスというメーカーの照明器具で四角い小さなLED投光器のような器具です。本来、照明器具から照射される光というものは、狭角配光のシャープな光でさえ角のないふわっとしたものです。ホロライトから照射される光は特殊なレンズの効果で本当にシャープな四角い光が出ています。美術館で使用されるようなレンズ付のカッタースポットとも異なる独特の平行光です。この種の光は光の特性を良く分かっている人ほど驚くのではないかと思います。常に新しいものを探しているデザイナーが注目するのも頷けます。常設、イベント、インスタレーションに、様々な活用ができそうです。


図76 パイフォト二クスのブース

    


図77~79 ホロライトによる照明演出
独特のシャープな四角い光の特徴をうまくいかしたプレゼンテーションである。


図80 レンズの効果により曲がる光で人工の虹を生み出す。


図81 スプレッドレンズなど比較にならないまっすぐな水平方向への光の広がり
一本の光のラインは一台の照明器具から照射された光である。

ウシオライティング
前回のライティング・フェアでも展示されていましたが、SoraaのダイクロハロゲンタイプのLEDランプが大きくアピールされていました。SNAP SYSTEMという考え方が他にはないオリジナリティ溢れるもので、ランプ前面にあるマグネットにフィルターやハニカムルーバーをくっつけて配光やグレアのコントロールを行うという新しい考え方です。


図82 ウシオライティングのブース

    


図83~85 SNAP SYSTEMの展示
配光、色温度、グレアがコントロール可能なオプションが揃っている。ハニカムルーバーが用意されているのが嬉しい。

クリエーションバウマンジャパン
カーテンにLEDのキラメキを組み合わせるという新しい商品「eLumino」が展示されていました。グリッド状に光るもの、ランダムに光るもの様々です。配線は刺繍ステッチで驚くほどうまく隠されて、こういった製品にありがちな不自然さが全くなく、高級感が漂っています。僅か6mmというスイッチもカーテンの中に組み込まれていて3段階の調光が可能です。電源もUSBケーブルから取るというシステムとなっていて取り付け取り外しも容易です。基本的に普通のカーテンと全く同じように取り扱える点がこの製品の素晴らしい所だと思います。


図86 クリエーションバウマンジャパンのブース

    
図87,88 光るカーテンeLumino
刺繍ステッチによって配線が隠されている。カーテンを重ねてレイヤーが増えると美しさがさらに増す。

SWITCH LIGHTING JAPAN
白熱電球タイプのLED電球に液体シリコンで、点灯時の発熱を抑えるという製品が展示されていました。アメリカのSWITCH Bulb Companyというメーカーの製品で、日本ではキャノンマーケティングジャパンが販売するそうです。調光可、密閉器具使用可、断熱施工器具使用可ということで白熱電球の代替光源として充分な性能です。最大の特徴は3年保障という点です。適切な使用していて不具合が生じた場合は製品の交換ができるそうです。液体シリコンによる冷却効果で電子部品の負担が軽減され、器具の不具合が生じにくいためかと思われます。こういったサービスは製品に対する自信の表れでしょう。


図89 SWITCH LIGHTING JAPANのブース

    
図90,91 液体シリコンが入っているLED電球
光も十分な広がりがある。

まとめ

個人的には複数のメーカーから面発光タイプのLEDライン照明が発表されたことを非常に嬉しく思いました。これまでは同じ照明効果を出すためには建築側に照明を隠すスペースを作ってもらい、最後に乳白アクリルやフロストガラスなどを被せるといった手法が一般的で、手間とコストがかかり、細く美しい光のラインを作ることは非常に難しい事でした。こういった器具が登場することで同じ手法が照明器具だけで完結し、コストが押さえられる上に美しいのですから我々にとってはちょっとした事件です。しかし、配線の処理や連結部の見え方には注意を払う必要がありそうです。
その他にも今回はLEDの特徴を活かした新しいコンセプトを持った器具にたくさん出会いました。大手メーカーだけでなく、大小様々なメーカーからそういった提案がされている事が素晴らしいと思いました。現時点で日本のLED照明のクオリティは相当に高いところまで来ており、過渡期に突入しているのかとも感じていましたが、器具の開発者や我々のような設計者・デザイナーのアイデアによってまだまだ新しい製品が生み出せるという可能性を今回のLED Next Stage 2014で感じました。

光のデザインレポート
執筆者:岡本 賢

岡本 賢(おかもと けん) 
照明デザイナー/Ripple design(リップルデザイン)代表

1977年愛媛県生まれ。2002年株式会社ライティング プランナーズ アソシエーツに入社し、幅広い分野のプロジェクトに参加し建築照明デザインを学ぶ。2007年独立し、Ripple designを設立。現在も様々な空間の照明計画を行っている。
URL http://ripple-design.jp

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