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連載コラム

「フランクフルトメッセ2004 Light+Building照明展から」(その1)今年はLEDが主役!

[ 2004年6月7日 ]

照明デザイナー 落合 勉(M&Oデザイン事務所)

 世界最大の国際照明見本市、Frankfurut Light+Building 2004が今春開催され視察してきました。その様相は前回と比較し大きな指向変化が見られ興味深いものでした。その動向を3回に分けて紹介します。今回はその初回で、世界の照明界、いや産業界でも注目されているLED(Light Emitting Diode=発光ダイオード(半導体))を用いた照明が急増した事例をとりあげます。

 Light+Buildingと題した照明見本市は、4月18日〜22日の5日間、ドイツ・フランクフルト国際見本市会場で開催されました。 世界中の照明関係者が集い、見本市会場内だけでなく町は照明の催しで夜間までも活気づくほどでした。

 フランクフルトはライン川の支流・マイン川の流れるドイツの商業・金融の中心地で、正式にはフランクフルト・アン・マイン(マイン河畔のフランクフルト)と呼ばれ、現在ではヨーロッパを代表する金融商業都市となっています。また、中世から見本市都市としても知られ、今では年に15回ほどの大きな国際見本市が開かれ、このLight+Buildingもその一つです。

 今回のLight+Building2004は3回目にあたり、前回の2002年(隔年開催)同様、建築空間との関連性を強めた「照明全般の見本市」として、出展社数1926社、11万人の来場者で賑わっていました。会場は大きく4つの展示会場(照明・電気工学・空調技術・ビルオートメーション)に構成され、8ホール・16フロアーと広大でその規模は11万平方メートルでした。

 
図1 会場全体図/図2 会場入口
 
図3 会場俯瞰外観/図4 会場中庭Agora(Hall 3:右建物)
 
図5 会場入口内ガレリア(夜)/図6 会場内移動のための動く歩道


 前回の2002年との大きな違いはLEDが随所に目立ったことで、展示会場の出展ブースにはいろんな形態のLED照明が提案されていました。

 LEDは電球と比較すると消費電力は1/10程度、寿命は10倍以上で、有害物質を使用しない素材で作られる21世紀の主要光源として急速に認知普及化されているランプです。最近の新しい交通信号機などに使われ始めた小さな光源がLEDで、日本全国の交通信号機光源がLEDに替わるだけで国内原子力発電所2箇所分が不要になる(それだけ省電力)とも言われます。今回のLight+Building展の大きなポイントは、このLEDがヨーロッパの照明動向に確実に影響を与えていたことです。

 そのLEDは1960年代にアメリカで商品化先行をしたのですが、まだまだ暗く実験的用途にとどまっていました。しかし70年代に、明るく品質の安定した高輝度LEDが日本の技術力で実現。まず赤色を、続いて80年代に緑色が、そして90年代には青色の高輝度LEDが日本で量産されるようになったのです。(光の3原色が量産され白色光のLEDが急速に市場提供され始めたのです。)世界の光源3大メーカーといえばOSRAM、PHILIPS、GEですが、LEDは日亜化学工業、豊田合成、LUMILEDSとなり、世界のLED生産高の50%以上を日本で占有するほどです。このLEDが照明分野――既存ランプにも、照明器具にも、さらに照明演出にも――に影響し始めたのです。

 
図7 照明各会場への起点となる連絡プラザ(インフォメーション、クローク、本屋)
図8 主要展示ブース(SITECO)


 LED単独使用の器具が発表されていましたが、その背景には各種のLEDモジュールやそのバケット(ソケットにあたる)、さらに種々のダウントランスが市場に出現してきており、器具メーカーが容易に入手できるようになったからです。

 
図9 主要展示ブース(OSRAM)/図10 主要展示ブース(PHILIPS)
 
図11 主要展示ブース(ZUMTOBEL STAFF)/図12 主要展示ブース(ERCO)
 
図13 代表的なLEDの使用事例(面的表現)/図14 代表的なLEDの使用事例(ライン表現)

図15 代表的なLEDの使用事例(器具化表現)


 上記の写真は会場内の出展企業の展示状況ですが、ヨーロッパを代表する器具メーカーの一つZumtobel社やErco社などもLED新製品や展示演出など随所にLED展開事例を披露しています。今後はますますLED照明が多種多様に表出されるでしょう。(続く)

照明技術・デザイン最新事情
執筆者:落合 勉

照明デザイナー
M&Oデザイン事務所代表
LBA JAPAN NPO 理事長、愛知県立芸術大学非常勤講師、照明文化研究会 会長


1948年愛知県三河生まれ、ヤマギワにて照明を実践。
1991年横浜にてM&Oデザイン事務所スタート、現在に至る。
2001年からLED照明デザインワークに特化しての活動を展開、そして2006年からはOLED照明普及にも尽力。
2006年のALL LEDの店舗空間、2008年のALL LED街あかりや住空間、2009年のALL OLED照明空間など手がけ、SSL快適照明を探求提案。
器具のプロダクトデザインや照明計画などを行う傍ら、国内外の照明関連展示会や企業などを訪れ、グローバルな照明最新情報をインプットする。コラム(http://messe.nikkei.co.jp/lf/column/ochiai/index.html)参照。
趣味は古灯具探索で、日本のあかり文化の認知普及活動を展開中。
2009年7月、Light Bridge Association JAPAN NPOを設立し、理事長に就任。
次世代のあかり文化を担う「あかり大好き人間」の育成を目指している。

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