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連載コラム

「省エネ新光源・LEDの動き」(その2)2005年海外照明展動向

[ 2005年12月28日 ]

照明デザイナー 落合 勉(M&Oデザイン事務所)

1. はじめに

 地球環境が世界の問題として掲げられて10年以上が経った昨今、世界中で熱波や豪雨、そして寒波など異常気象が頻発しています。日本でも2005年の夏は高温と台風の多発に、そして年末には豪雪に見舞われました。この異常気象と地球温暖化との因果関係は科学的に証明するまでに至ってないようですが、CO2などの大気中の温室効果ガスによる地球温暖化防止を唱え、1997年に「地球温暖化防止京都会議」が開催されました。その会議にて先進国への温室効果ガス排出削減目標等が定められました。日本の削減目標は2008年〜12年の間までに、1990年基準比で6%減で批准されました。この京都議定書は2005年2月16日に発効され、それぞれの目標に向かってその対策を進めています。産業界を中心に世界一の環境対策を施してきた日本でも、さらなる方策を展開中です。照明業界では照明の省エネ化による消費電力(CO2排出量)の削減化を進め、消費電力の少ない光源(蛍光ランプ)活用を促進しています。そして今、さらなる少電力点灯=LEDの搭載器具普及が社会ニーズとして顕在化しています。

 「省エネ新光源・LEDの動き」と題し、前回は自動車業界の最近のLED照明について記しました。今回は2005年ニューヨークのLIGHTFAIR INTERNATIONAL 2005(以下LIGHTFAIRと記す)や、ミラノでの照明展INTEL 2005/World Light Show(以下、WLSと記す)などの海外照明動向を中心に紹介します。


2. LIGHTFAIRでのLED動向

 ニューヨーク市内のハドソン川ほとりに位置するJacob.K.Javits Convention Centerにて「LIGHTFAIR」が開催(4/12〜14)され、アメリカにおける照明界の動向を窺い知ることができました。その時の印象は3点で、(1)LED光源が展示の主役になっていた(現市場照明器具は蛍光ランプとHID搭載器具)。 (2)出展器具製品ではメイド・イン・チャイナ製が目立ち(主になりつつあると感じ)、高級デザイン感覚でのEU製と価格勝負の中国製との印象。そして主催国のアメリカ製品については、(3)ランプではGE社、器具メーカーでは老舗のLITLIA社などがアメリカ人嗜好を意識した市場ニーズ商品を展示・展開していました。

 LIGHTFAIRは毎年開催されますが、東海岸と西海岸とで交互に実施され、今年は東海岸での開催年にあたりました。世界74カ国から出展社数570社ほどで、その来場者数は19000人で盛況であったと聞き及んでいます。

 
図1, 2 会場外観(左)と会場エントランス


 出展製品は、各種の照明器具や光源および多種多様な照明部品等ですが、ここでの紹介はLEDについて特記しています。他の光源(蛍光ランプやハロゲン、セラミックハライド等のランプ)やそれら搭載器具等コメントは省略しています。
 下の写真9点はGE社の出展ブースの展示LEDの様相です。各種光源が展示されている中で、LED(GELcore社)の3種が展示されていました。"Tetra"と銘したライン照明とチャンネル文字用の"New Tetra",そしてハイパワーの白色LEDでした。


図3 GE社ブース 入口風景

図4 壁面演出
 
図5, 6 左/入口を入って左にLEDが展示されていた。
右/入口から見た風景。ブース床に照射され、床面を移動するGEトレードマーク。

図7 ハイパワーLED新製品を紹介していた展示コーナー
   
図8, 9, 10, 11
上左/LED製品(ライン照明演出用)
上右/LED製品(半ドーム形状のパッケージハイパワー白色LED)
下左/LED製品(Tetra)
下右/LED製品(New Tetra)


 LEDのベアチップ(素子)供給メーカーであったCREE社は、ヒートシンクと組み合わせた独自のLEDモジュールを出展していました。そのブース照明は、天井部に設置された正方形や円形、長方形などのヒートシンク一体型LEDモジュールで、ブース内の明るさは確保されていました。LEDだけで照明演出を実践―――自社のベアチップ使用のLEDランプでその使い方事例としての照明モジュールを提示。この演出は照明デザイナーにはとても分かりやすく、照明器具活用化にも空間演出使用化にも大いに参考になりましょう。なぜなら、LEDは従来の光源とは異なる発光方式でその機構も形態も違いますから、照明器具メーカーも照明デザイナーもどのようにしたら使えるか不安な要素があるのです。実際に、取り扱ったデザイナーや器具メーカーはまだまだ少なく、あったとしてもLED専門者の指示のもとで試みているのが現実です。まだ十分に理解実践されてないのが現実です。

 このCREE社のように、各種の"照明用LEDモジュール"を実際に展示し見せたことにより、その明るさ感の体得や使い方へのヒントが伝わるのです。CREE社にとって自社製品=ベアチップ(素子)を売るためだけなら、この照明器具販促が主の展示会は有効ではないでしょう。しかし、LEDが照明用として広く大きく市場形成を展開していくには、この照明演出参考例を見せ、判断材料としていろいろ知らしめることは大切で重要です。産業の川下への配慮を有するビジョナリーカンパニー(世界3大LEDベアチップ(素子)供給メーカーの威信)を感じたブースでした。


図12
多くの人達で賑わっていたCREE社のブース。
天井部に設置された正方形や円形などの
ヒートシンク一体型LEDモジュールで照明演出を見せています。
床面には座面が高い椅子(ハイチェアー)が数脚あったのみでした。


 下の画像は世界中の照明器具メーカーで使われているLEDデバイスメーカーのLumileds社出展ブースです。この数年で認知されてきた商標LUXEONを大きく掲示していました。Lumileds社は約40年前、ヒューレット・パッカードのオプトエレクトロニクス部門として発足したのですが、現在はPhilips Lighting社のグループ会社となっています。そして数年前からそのLED事業分野はチップ型ハイパワーLEDに注力、主販路を照明業界とし、器具搭載しやすい機構へといち早く対応したのでした。現在では世界の多くのLED照明器具取り扱い会社で、LumiledsLEDデバイスが採用されています。


図13 Lumileds社-LUXEON(商標)を掲示しているブースの様相

図14
新製品LUXEON K2が発表されていた。
4Wで1.5Aという1ミリチップ・ハイパワーLEDは注目されていた。


図15 ハイパワーLED・RGBによる面発光システムのデモンストレーション。 5色(青、緑、赤、アンバー、白)が基調となっていました。


 今や世界中で認知されつつあるアメリカの代表的LED"エンターテインメント会社に"Color Kinetics社があります。出展ブースではLED演出事例やその演出用LED製品群が出展されていました。

 
図16, 17
左/Color Kinetics社−カラーライン演出用の新製品。
コンパクトサイズになっていた。
右/LEDカラースポットで投光したブース上の看板。
色光が緑から青や赤に変わる。

 
図18, 19
左/LED照明演出事例。
右/省スペースの棒型デジタルライト。コンパクトながら明るさを誇る新製品。
パワートランス内蔵型、定格:AC100〜240V 12W。光源:高輝度カラーLED。

図20
コンパクトなランプ型のデジタルライトハイパワーLEDを搭載した
次世代モデルとして新たに登場。24V5W。


 LIGHTFAIR会場で注目したLEDに、Lamina社の展示サンプルがありました。メタルと低温焼結セラミック層を貼り合わせたパッケージ構造(LTCC-M)のLED製品は、2005年度のベストLED新製品部門賞とテクニカルイノベーション部門賞の2つを受賞していました。


図21 Lamina社展示ブース


 Lamina社のLED製品は、多数のLED素子を高密度に実装する事で、単位面積当りの高レベル輝度が可能とのことでした。同社特許のパッケージ構造(LTCC-M)で、パッケージ熱抵抗を低くし、適切なヒートシンク等との組合せで、LED素子温度上昇を一定範囲以内に保つことを可能にしたとのこと。このことより高輝度と長寿命の両立を実現することができ、色むらも少なく調色性と信頼性に優れた発光が可との説明でした。日本では加賀電子にて取り扱いが決まっており、今後が楽しみです。

 
図22, 23
左/Lamina社LEDデバイスサンプルと会場にて配布の説明用紙
右/Lamina社LEDパッケージ構造を示したパネル


 日本からLIGHTFAIRへ出展した企業は数社(ニッポ電機、岩崎電気、松下グループ等)ありましたが、LEDランプでは日亜化学工業だけでした。その出展ブースは簡素で小規模なブースでしたが、LEDの輝度や色光技術の高さには多くの関心が寄せられていました。その背景には、前回のニューヨーク・LIGHTFAIR(2003年度)での高い評価――従来のYAG蛍光体を用いた白色LEDでは困難だった電球色領域(色温度2,500K〜3,500K)のLEDを展示し、「テクニカル・イノベーション・アワード2003(照明における技術革新賞)」と「ベスト・オブ・カテゴリー・アワード2003(カテゴリー別の製品賞)」を受賞していた――からです。そして今回の展示は、その時の電球色技術を一般照明へ展開した製品紹介(2800k)と自社のパワーLED、そして光量UPの高輝度LEDなど(世界トップのLED製品群)を展示しており、注目されての展示内容でした。


図24 日亜化学工業の出展ブース
 
図25, 26, 27
上・下左・下右/製品技術力の高さを示していた展示パネルとそのLEDランプ。


 ところで、アメリカのエンターテインメントやアミューズメントの市場は特に大きく、そしてその演出内容も世界トップレベルといわれます。そのような市場背景からでしょう、LIGHTFAIR会場内にはLEDを使った多様なサイン・ディスプレー照明演出への事例(Color Kinetics社のも同様です)が見られ、楽しい華やかさを醸し出していました。

 
 

図28, 29, 30, 31, 32
LEDを用いたカラフルなる演出を見せていたアメリカの出展企業。
展示品には中国製品が目立った。


 アメリカ指向のエンターテインメントなるものも含め、LIGHTFAIR会場でのLED展示には次のように3種に区分されていました。まず、基本部材のLEDやそのデバイスおよびモジュールを展示(LEDや電子部品メーカー)している出展社群、次いで照明用演出の器具を展示(光源部に白色LEDを用いた照明器具メーカーなど)のケース、3つ目がイルミネーション用途展示で、光源を直視させる方法(サイン・ディスプレー等でディストリビューターなど)でした。この3つの区分の中で、アメリカ企業出展社の多くは、3つ目の区分(カラー多用のイルミネーション用途展示)でした。しかもメーカー(組み立て加工を含めて)は少なくMade in chinaの品々を取り扱うディストリビューター(卸し)が中心で、しかも小さなブースが多く目立ちました(確かに会場内LED出展社は、圧倒的にアメリカ企業が多いのですが)。

 アメリカの大きな市場を目指して海外からの出展社は多く、LEDについて目立ったのが台湾や中国、韓国からの出展でした。その展示製品は共通化し(LumiledsのLUXEON IIIや砲弾型LEDを用いてのダイクロイックミラー型ランプやイルミネーションの展示、さらに看板等)、そしてそれらは調光や点滅など不可なるものが多く、低価格帯品でありました。しかし彼らのビジネスへの貪欲さと積極性は目を見張るものがあり、次なる展示会には世界市場への対応製品を出展してくることでありましょう。

 
図33, 34 LED製品を展示していた中国や韓国からの出展社。

図35 韓国からの出展社、水中でLED器具を点灯実演していた。


 アメリカの照明市場は大きく多様で、その縮図がLIGHTFAIRであるかのように思えました(出展内容から)。それらから思考した時、アメリカで販売されている照明器具は輸入品ウエートがかなり高いと考察されます。それも21世紀の先端主要光源といわれるLED器具についてもです。
 確かにLEDについては、アジア極東地域(日本、韓国、台湾)が半導体工場やその加工製品工場の世界的集積地であることから、半導体の一種であるLED照明製品も、アジア極東地域が世界の生産地域になることは当然とも言えましょう。すでに、白熱ランプや蛍光ランプの照明器具量産は台湾から中国へとその移行が進んでおり、遅かれ早かれLED器具も中国を含んだアジア極東地域での生産活動が始まりましょう。そんな感想を抱いた2005年のLIGHTFAIRでした。


3. ミラノでの照明展とLED

 20世紀末の照明デザインは、世界のデザイン同様に、イタリアデザインがリードした時代でもありました。今日ではその影響力は多少弱まりましたが、時代の先端性や世界照明市場ニーズの先見性ではまだ注視するところ大であります。昨年(2005年)には関心を有す照明展2つがミラノ国際展示会場でありました。EUROLUCE(ユーロルーチェ)とINTEL(インテル)WLS(ワールドライトショー)です。この2つの照明展からLED動向についてコメントします。まずはEUROLUCEのLEDについてからです。

 世界三大家具見本市が毎年春に開催され、その家具見本市と併催で、住宅用装飾照明器具主体の照明展EUROLUCEがあります(隔年)。2005年度はその開催年でした。NYのLIGHTFAIRを見終えて、大西洋をフライトし視察しました。そのEUROLUCE・LED照明への印象ですが、『まだ少数だが、LED特性を表出しておりさすがだ!EUROLUCEの照明デザイン力は健在なり。』でした。

 
図36, 37
左/会場にあったサイン
右/Forma社のフレキシブルチューブ活用のスタンド


 図37はForma社のフレキシブルチューブ活用のスタンドです。最近のイタリアでは、ダウントランス機能を有したコンセントなどLED点灯への整流機能を有する通電パーツを創出しています。それらが入手可能なイタリアだからこそ器具デザインの自由(LED特性を生かした)なる展開もできる、そんな背景から生まれたスタンドです。

 日本でもLEDランプを点灯させる通電パーツが既製品化され、一般ソケットや蛍光ランプのトランス同様に入手簡単になってほしいものです。もともとローボルトで点灯(3〜5V)するLEDです。従来器具より安全性は高いはず。ランプ製造への技術は高くても、それを生かす周辺部材つくりが遅れたら付加価値商品作りは遅れてしまう。日本のLED器具作り、気になるところです。

 他に注目した出展作品にINTRA社とDCA社のものがあります。共にプロトタイプのようでしたが、ハイパワーLEDを駆使した従来器具とは次元の異なるデザイン感を見せていました。さすがフリーダムなるイタリンデザイン魂、あれこれ見ることができ嬉しくなります。

 
図38, 39 INTRA社のLEDペンダント
 
図40, 41 左/INTRA社のLED器具
右/DCA社のハイパワーLEDを埋め込んだマルチスポット


 欧州ホームセンターやデパートで、Do it yourselfスタイルで広く売られている製品にPaulman社のパッケージ商品(ブリスタパックなども)があります。そのPaulman社ブースには室内床埋め込みLED器具を展示していました。一般ダウンライトの発想による床埋め込み展開ですが、その薄さ(10ミリ程)には驚きました。


図42 Paulman社の床埋め込みLED器具


 この薄い器具は、床面照射はなく歩行への視認性や導光機能を優先した製品です。このような指向器具は、従来の照明器具業界の発想からでは製品化されなかったもので、器具高を薄くでき、熱発生が僅かのLEDだからこそ可能になったといえます。LED特性を発揮した製品群の一つといえます。

 EUROLUCEの会場には他にもLED製品は展示されていましたし、またLED以外の光源器具も多種多様に展示されていました。それらの展示は本当に華やかでカラフルでそして大胆で美しく、盛大でした。ここではその様子紹介は割愛しますが、何か次の機会に紹介できればと願う次第です。

 EUROLUCEが終えた1ヶ月後、同じ会場でWLSがありました。EUROLUCEとは趣きを異にするLED新作が、多数出展していました(華やかな住宅向け器具展示のEUROLUCEに対し、施設用の量産指向の照明器具展示がWLSです。)。

 INTELは1978年設立のANIE(イタリア電気電子産業団体)会員企業が母体の協会(ASSOCIAZIONE INTEL)で、電子電気工業技術や照明機器分野の隔年開催見本市です。そのINTELとは、International Exhibition for Electrics, Electrical technology, Lighting and Householding Appliance componentsの略で、照明の"World Light Show(WLS)"、住宅&ビルオートメーションの"Building Show"、強電(発電や送電)関係の"Power Show"、電子技術産業の"Components Show"、そして工場生産オートメーションの"Factory Show"の5展示エリアから構成されています。

 全会場面積88,000平方メートル、全出展社1,250社ほどの広いINTEL会場のうち、14と15ホールを使用して展示展開していたのが照明のWLSです。出展社数は273社(約半数がイタリア国内企業、ヨーロッパ主要照明企業も出展)で照明器具、光源、通電パーツ、照明用材料、照明システムなど活況ある展示様相でした。尚、このINTELではDESIGN AWARD 2005と名付け、出展製品からInnovation、Designの観点から優れた製品を選出し表彰展示していました。その中にLED製品もありました。

 
図43, 44
INTEL・DESIGN AWARD 2005で選出され、
会場中央の特別会場で展示されていたLED新作
(左がプロジェクター仕様、右が大型スポット仕様/共にハイパワーLED使用)。
ここでは2点のLED製品のみ紹介しますが、
他にもLED製品や多様な電子電気製品がありました。


 WLS会場に展示されていた製品群から留意したLED製品をピックアップし紹介しますが、照明演出主目的の器具展示は、WLS会場以外でもLED使用製品(インジケーターやサイン関連)が多くありましたので、それらからもいくつか併せて紹介します。

 Philips社のブースにあったLED紹介製品群から、ハイパワーLEDの展示事例が下の3画像です。集光レンズ付タイプを集合させた街路灯とLEDモジュールをシステム的にデモ展示していました。

 

図45, 46, 47
上左/Philips社のLED街路灯
上右/街路灯の灯具部
下/2004年のフランクフルトLight+Building展で発表した
ハイパワーLEDが装飾的演出で構成されていた。


 世界3大ランプメーカーの一つOSRAM社の出展ブースでも、LED展示コーナーは関心を持つ人たちで賑わっており、人影が多くてうまく撮影できなかったことを思い出します。写真は会場上から撮影したブース全体の様子やハイパワーLED・DRAGONなどです。LED展示ケースをライトアップしているスポットはDRAGONを集合した器具で、その集合状況が展示ケースのアクリルカバーに映りこんで見えます。そして図50は、DESIGN AWARD 2005受賞のプロジェクター用灯具(光源はLED)です。

 

図48, 49, 50
上左/OSRAM社のブース
上右/アクリルケース内に展示されていたハイパワーLED・DRAGON。
写真の右上に映るLED使用のスポットライト。
下/光源にLEDを用いたプロジェクター光源灯具部


 WLS会場には従来のランプメーカーとは異なる新生LEDメーカーやLEDデバイスメーカー、さらにLEDモジュール・ユニットメーカーやLED用電源部メーカーなどなど、LED発光装置の主要部材ごと(従来光源の灯具体系とは異なる)に特徴ある出展ブースが並び、大変興味深い(細心なる注視力も要した)展示会でした。着々と(2003年から見て)、LED照明器具作りへの主要構成部材が既製パーツ化してきている様子が窺い知れた展示会でした。これは、「LED照明器具アッセンブリー体系が、イタリアでは形成されつつある!」と感じたのです。このことはLIGHTFAIRやEUROLUCEの会場では感じられなかったことでした。LED素子やLEDランプなど(半導体生産体系)の先進性ある製造企業を輩出してないイタリアにおいて、21世紀の主要光源として認知化されているLEDをこれほどまでに照明器具活用化(ソフトアプリケーションへも)を展開していたことに驚いたのです。いやはや、市場性に賭けるイタリア商魂はさすが!と、感心して見て回ったLED製品を紹介します。

 
図51, 52
左/VLM社の新作、新方式の通電は注目した。
ローボルト弱電流のそして軽量のLEDだからこそできる方式、今後が楽しみである。
右/TRIDONIC社のLED展示コーナー。
前回は点照明のLEDランプを展示していたが、
今回は線、面照明へのLEDモジュールを意識させた展示内容であった。
 
図53, 54
VOSSLOH SCHWABE ITALIA 社のブースの様相。
電子バラストなどの通電部品製造メーカーであったが、
近年LEDデバイスやモジュールにも積極的品揃え展開をしてきている。
天井部に吊るされた大きなカラー面発光など展示にも工夫し、注目されていた。
 
図55, 56 英国Tri o Light社の各種LEDデバイス展示の様子。
 
図57, 58
左/ing Castaldi社のエクステリア用LED照明器具。
右/CONCHIGLIA社の工事用表示灯です。
他にもLED工事用のサインなどを出展していました。
 
図59, 60
左/WLS展示会場ではなくFACTORYエリアに出展されていたサイン表示会社。
右/FACTORYエリアに出展の表示灯専門の会社。

図61 ドイツからの出展DRESS社。LEDモジュールなど取り扱っていた。

図62
TRILUX社のカラー演出も可能な吊り下げ間接照明器具。
青から赤にも変化し、RGB混光で白色光にも!
 
図63, 64, 65
エクステリア専門メーカーSIMES社の展示ブース、
LEDの光力をレンズ活用して効果的に展開している。


 アジアからのLED関連出展社で留意したのは、SEOUL SEMICONDUCTOR社と中国からの出展社でした。SEOULはLEDメーカーとしてランプ技術の高品質化を感じさせるブース演出でした。図66はそのブースの外観、図67は主要出展LEDのひとつ「6pinLED」です。図68は特別展示会場(ホール25)に出展していた中国からの出展社群です。各種の照明関連品がブースごとに展示されていました。中にLEDを組み込んだ製品(イルミネーション)もあり、海外輸出へのエネルギーを感じた特別展示会場でした。

 
図66, 67
左/SEOUL SEMICONDUCTOR社のブース外観
右/展示のLED

図68 中国からの出展企業の展示ブース群


4. 台湾のLED照明展

 台湾で初のLED照明展"LED Taiwan"が開催されると聞いて、後学のために視察に行きました。会場は台北市内の台北世界貿易中心(Taipei World Trade Center)、2005年6月8〜10日で開催されました。このLED照明展は光通信の"第4回OptoCom Taiwan"展と光電子工学の祭典"第14回OPTO Taiwan"展らと併催で、主催はPIDA(Photonics Industry and Technology Development Association/財団法人 光電科技工工協進会)でした。

 このLED照明展のことは、昨春の東京・新宿にて開催していた「LED・ケイタイあかり展3」のセミナーに来ていたPIDAの人から告知されていたのです。その時に照明セミナーも予定されており、メインスピーカーは石井幹子氏である旨も知らされました。拝聴したいと思っていましたが、時間調整ができず残念ながら機会を逸してしまいました。後で、大阪万博〜愛知万博までを通じて石井氏の照明観について講演されたと知らされ、拝聴できず残念に思いました。次の機会を楽しみにします。

 台湾LED照明展には70社ほどもLED関連企業がブースを構えていました。その展示品にはLEDランプやデバイスも多く、またその活用製品事例も幾多見られました。それらの出展品の中には興味を引くものもあり、LED製品が今後の台湾輸出製品に育っていくと感じた展示会でした。また、LED展会場横(通路を挟んで)にはOptoCom TaiwanとOPTO Taiwanの両展が展開されており、LED製造に関連する材料や機械や道具類までが一同に見られました。LED関係者なら大いに関心を示す3つの組み合わせの展示会であろうと思いました。

 LED照明展会場入り口部には「LED星光大道」と記した企画展コーナーがあり、LEDの特徴や光効果のデモンストレーションなどが見られました。その企画展コーナー前には工業技術研究院の最新研究内容が展示されており、来場者の関心を引いていました。

 
図69, 70
左/台湾LED展 会場風景
右/「LED星光大道」と記された企画展入口
 
図71, 72
左/工業技術研究院の様相
右/工業技術研究院の展示、交流発光LED
 
図73, 74
左/工業技術研究院の研究材料掲示パネル
右/半導体製造機械の展示


 LED照明展会場のメイン通路には、LED製造メーカーやデバイスメーカーが集まっており、展示にも工夫を凝らしたブースもありました。

 
図75, 76
左/Ever Light社のブース
右/Ever Light社のハイパワーLED

図77 Lumileds社の出展ブース
 
図78, 79
左/日亜化学工業のブースの様相
右/日亜化学工業の主要出展LEDの一つ「ジグソーシリーズ」

図80 スタンレー社のブース

図81 スタンレー社のハイパワーLEDの事例(車のヘッドライト)

図82 スタンレー社のハイパワーLEDの事例(屋外用スポットライト)


 会場隣の光通信のOptoCom Taiwan展と光電子工学関連のOPTO Taiwan展では、製造機械以外に蛍光体材料や基盤、さらには作業衣等まで展示してあり、見どころあれこれで楽しい会場でありました。

 
図83, 84, 85
上左/蛍光体材料が展示してある
上右/基盤材料が展示されたブースの棚
下/作業衣専門の取り扱い出展社
照明技術・デザイン最新事情
執筆者:落合 勉

照明デザイナー
M&Oデザイン事務所代表
LBA JAPAN NPO 理事長、愛知県立芸術大学非常勤講師、照明文化研究会 会長


1948年愛知県三河生まれ、ヤマギワにて照明を実践。
1991年横浜にてM&Oデザイン事務所スタート、現在に至る。
2001年からLED照明デザインワークに特化しての活動を展開、そして2006年からはOLED照明普及にも尽力。
2006年のALL LEDの店舗空間、2008年のALL LED街あかりや住空間、2009年のALL OLED照明空間など手がけ、SSL快適照明を探求提案。
器具のプロダクトデザインや照明計画などを行う傍ら、国内外の照明関連展示会や企業などを訪れ、グローバルな照明最新情報をインプットする。コラム(http://messe.nikkei.co.jp/lf/column/ochiai/index.html)参照。
趣味は古灯具探索で、日本のあかり文化の認知普及活動を展開中。
2009年7月、Light Bridge Association JAPAN NPOを設立し、理事長に就任。
次世代のあかり文化を担う「あかり大好き人間」の育成を目指している。

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