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家電ON、スマホ操作NO、経産省の規制、50年前から。

[ 2012年9月14日 / 日経産業新聞 ]

時代遅れ、見直し機運高まる

 パナソニックがルームエアコンの新製品からスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)の遠隔操作で電源を入れる機能を外すことを決めた。50年前に定めた電気用品安全法で、電波を使う遠隔操作では電源を入れることが実質的に認められていないためだ。照明と音響製品以外は電源オンが認められておらず、家電メーカー各社が市場拡大を期待するスマホ家電普及の足かせになりかねない。

 パナソニックは8月、スマホで遠隔操作ができるエアコンの「Xシリーズ」を発表した。その後、経済産業省から家庭用品安全法に抵触する恐れがあるとの連絡があった。パナソニックは「技術面や安全面では問題はないが、法のただし書きに照らし合わせた結果、スマホで電源を入れる機能の削除を決めた」と話す。

 ただし書きというのは電気製品の安全を定める電気用品安全法の省令。省令では技術上の基準を具体的に規定している。その中に「遠隔操作機構を有するものにあっては、器体スイッチまたはコントローラーの操作以外によっては、電源回路の閉路(電源のオン)を行えないものであること」とある。

 経産省の商務流通グループ製品安全課によるとこの規定は「誤作動などの危険を防ぐため、実質的に屋外からの製品の遠隔操作を禁じている」という。このため、結果的に家電製品に使うリモコンは近距離でしか使えない赤外線による操作となり、電波は利用できなかった。この規定は「電気用品安全法の前身で1962年に施行した電気用品取締法から続いている」(製品安全課)古い決まりだ。

 その後、対象外の製品が取り入れられたが、照明と音響機器のみ。大半の家電製品はスマホでの電源オンが認められないことになる。

 東芝ホームアプライアンスも10月に発売するルームエアコン「大清快ボイス EDRシリーズ」でスマホとの連携機能を備える予定。スマホで運転と停止の操作ができるが、パナソニックの措置を受けて「対応を検討しており、経産省に相談中」という。

 家電メーカー各社は「スマート家電」と称し、スマホで遠隔操作ができる家電製品の開発に力を入れ始めている。現状の法体系のままではこうした取り組みの支障になる恐れが大きい。

 もっとも現在の規制は50年前から続いているだけに急速に進化するデジタル家電に追いついていないのも事実。経産省と家電メーカーの間で見直しに向けた協議も始まっており、早期に規制が緩和される可能性もある。

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