日経メッセ > ライティング・フェア > ニュース > 学校つり天井、原則撤去へ、文科省、震災での落下事故受け、全国8700棟が対象。

日経の紙面から

学校つり天井、原則撤去へ、文科省、震災での落下事故受け、全国8700棟が対象。

[ 2013年7月5日 / 日本経済新聞 朝刊 ]

 東日本大震災でつり天井の落下が相次いだことを受け、文部科学省は4日までに、学校施設のつり天井や照明器具などの落下防止対策をまとめた。地震の揺れで落下の恐れのあるつり天井は撤去を求める内容。全国の公立小中高校には防音や断熱のため、つり天井式の施設は約8700棟ある。文科省は「大半が撤去の対象となる」としている。

 同省によると、公立小中高校の体育館や武道場、屋内プールなど約4万5500棟のうち、約2割の約8700棟につり天井がある。2011年3月の東日本大震災で、学校施設の天井が落下するなどの被害が1636件発生。ほかの公共施設でも九段会館(東京・千代田)で2人が死亡する落下事故が起きた。

 だが、つり天井や照明器具など非構造部材の耐震化率は昨年4月時点で32%にとどまっており、校舎など建物本体の85%に比べて対策が大幅に遅れていた。

 同省は体育館や屋内プールなどのつり天井について目視で点検するよう要請。点検の結果、(1)天井と周囲の壁に隙間がない(2)耐震用の補強材が設置されていない(3)屋根と天井の形状が異なり、つりボルトの長さが一定でない――などの問題が見つかった場合、「安全確保に万全を期す観点から撤去が必要」としている。

 同省は15年度までにつり天井などの耐震化を完了させる目標を掲げ、全国5カ所で学校関係者らを対象に講習会を開催。7月中に対策をまとめた手引を全国の自治体に配り対策を加速させる。

 体育館のつり天井の撤去には一般的に1500万円程度の工事費用が必要。今年度は復興予算を活用した国の財政支援制度があり、実質的な地方負担は撤去費用の13・3%で済む。

 同省防災推進室は「つり天井落下で児童・生徒の負傷に加え、体育館を避難所として活用できない事態が想定される。迅速に対策を進めてほしい」としている。

 ▼つり天井 施設の天井裏からつり下げた「つりボルト」と呼ばれる金属棒に石こうボードなどのパネルをぶら下げた構造。東日本大震災では、地震の揺れにより、つり天井と周囲の壁が衝突するなどして、石こうボードやつり金具が脱落する事故が相次いだ。

ニュースの最新記事

PAGE TOP