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有機EL部材市場に脚光、日本勢の参入相次ぐ、三菱化学は発光材、ブイ・テクノロジーは加工用マスク。

[ 2016年2月24日 / 日本経済新聞 朝刊 ]

iPhone採用で商機

 日本の素材メーカーなどが相次いで有機EL部材市場に参入する。三菱化学は新方式の発光材料を2017年にも量産。液晶製造装置のブイ・テクノロジーも加工用部材の開発に着手した。米アップルがスマートフォン「iPhone」に有機ELパネルを採用する方針で、商機とみた各社が一斉に動き出した。高度な素材や製造技術が必要な新市場で日本勢が存在感を高める好機といえそうだ。

 有機ELパネルは電圧をかけると自ら発光する材料を回路基板に付着させ、画像を映し出す。

 三菱化学はこの発光材料事業に進出。プリンターのインクのように液体にした発光材料を基板に塗る「印刷方式」の新素材を開発した。早ければ17年に黒崎事業所(北九州市)で量産に入る。すでに国内外のパネル各社に試作品を提供しており、今後、量産技術の確立を急ぐ。

 印刷方式は従来の「蒸着方式」と比べて材料費を10分の1に抑えられ、生産コストも大幅に下がる。これまでミクロン単位での微細な塗り分け技術がなく、各社が開発を競ってきた。

 三菱化学は照明向けの有機ELで培った技術をもとに狭い面積に薄く正確に材料を塗れる新素材を開発した。これにより印刷方式による量産に道が開け、液晶から有機ELへの置き換えが加速する可能性もある。

 発光材料で先行する出光興産は韓国の坡州(パジュ)工場の生産能力を2・5倍に拡大。住友化学は約200億円を投じて関連するタッチパネルの生産能力を今年10月までに4割程度高める。

 デジタル製品の材料のうち汎用品は中国勢などの参入で競争が厳しい。日本の素材各社は高い材料技術が必要な分野を強化して収益を稼ぐ。

 有機ELパネル生産に欠かせない部材の供給に乗り出す例もある。

 ブイ・テクノロジーは発光材料を基板に付着させるのに使う「蒸着マスク」の開発を始めた。同マスクは微細な穴の開いた部材で、パネルメーカーと協業して性能検証に入った。他社製品より高精細なパネルの生産が可能になるという。大日本印刷と凸版印刷がほぼ独占するマスク市場に割って入る形だ。

 スマホの先進技術をけん引してきたアップルが18年発売のiPhoneの一部に有機ELパネルを採用すると打ち出し、一部に限られていた有機ELパネルの搭載製品が拡大する可能性が高い。

 米調査会社のIHSテクノロジーは有機ELパネル市場はスマホ向けがけん引し、20年に14年比3・7倍の324億ドル(約3兆6000億円)に拡大すると試算する。

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