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糖度、アミノ酸、香り...、野菜の味、操る照明、山口大発ベンチャー、植物工場用、制御LED。

[ 2017年3月23日 / 日本経済新聞 地方経済面 ]

 山口大学発ベンチャーのアグリライト研究所(山口市)は「おいしさ」を制御できる植物工場用発光ダイオード(LED)照明を開発した。野菜の成長や糖度などに関わる異なる光を組み合わせ、うまみや食感を設定できる。生育期間や生産量と併せて食味・食感をコントロールした野菜が生産できる技術として植物工場などに売り込む。

 LED照明は山口大農学部の山本晴彦教授(農業気象学)の研究室が開発した技術を活用し、ブルーウェーブテクノロジーズ(東京・大田)が製造。3種類の照明を「ベジレッズW」として商品化した。野菜の糖度や塩味、アミノ酸を抑え、あっさりとした食味の「さわやか」、アミノ酸が多くうまみを強めた「旨味(うまみ)」、糖度が高く苦みがある「コク」をそろえた。従業員が作業しやすいよう色は白色光にした。

 農産物と光の関係は、例えばフリルレタスでは赤系は甘味や重量に、青系は形や香りに、緑系は葉の充実などに関わるとして、使用するLEDは赤系、青系、緑系の光を組み合わせた。

 この照明で栽培した野菜を山口県産業技術センターが分析したところ、3種の照明でそれぞれ目標とする糖度、アミノ酸などの成分が得られた。試験では、しゃきしゃき感など歯ごたえの差も確認できたという。

 一般的な植物工場の生産品目であるレタス系だけでなく、水菜、ホウレンソウ、ネギ、バジル、セロリ、春菊などへも応用できる。

 設置費用は日産千株の植物工場モデルの場合、蛍光灯からの置き換えであれば初期投資と電気代、交換費用を合わせると3年間で5500万円という。

 同社では野菜の品種、生産量、食味・食感を設計し「植物工場全体をコンサルティングするビジネスをする」(園山芳充社長)考えで、2025年までに年間17億円の売り上げを見込む。

 アグリライト研究所は山本研究室の農業における光の作用の研究を核に11年に起業し、これまでに道路照明の光がイネなどの生育を阻害する「光害」防止の技術を開発、岩崎電気などが製品化している。16年11月期の売上高は約1億円。

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