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有機EL、輝度高く、九大、光のもとを効率生成。

[ 2018年7月6日 / 日経産業新聞 ]

 九州大学の安達千波矢主幹教授と中野谷一准教授らは、近赤外光を出す有機ELの明るさを高める技術を開発した。素子に使う材料を工夫することで、光のもとになる「励起子」が効率的にできた。近赤外光は人間の体を通り抜けやすいため、脈拍などを調べるウエアラブルデバイスなどに応用を目指す。

 有機ELは、電子と電子の抜け穴(ホール)が引き合ってできる励起子を使って有機材料を光らせる。研究チームは1つの励起子が2つに分裂する「一重項励起子分裂」と呼ぶ現象に注目した。分裂を促すルブレンと呼ぶ特定の物質を発光する有機材料に混ぜ、有機ELの素子を試作した。

 詳しく解析したところ、励起子ができる効率は100%を超えていた。分裂で励起子が増え、電子や正孔を上回る量ができたという。電流で励起子を作った場合は100・8%、光では108・5%だった。200%まで高められるとみる。

 試作した素子で発生する励起子のエネルギーでは、体を透過しやすい近赤外光を出す有機材料が活性化する。ウエアラブルデバイスの光源に活用し、脈拍などの生体情報を調べる用途などを想定する。エネルギーを変えられれば、異なる波長の光も出せる。

 実験に使った有機材料はエルビウムと呼ぶ希少金属を含む。今後、より安価な材料に置き換えて効率良く励起子を出せる改良も進める。

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