日経メッセ > ライティング・フェア > ニュース > 東工大、レーザー・LED活用、無線給電、光で距離長く、他の電波に影響少なく。

日経の紙面から

東工大、レーザー・LED活用、無線給電、光で距離長く、他の電波に影響少なく。

[ 2018年11月6日 / 日経産業新聞 ]

 東京工業大学の宮本智之准教授らは光を使って無線で電気を送るシステムを開発した。高出力の半導体レーザーや発光ダイオード(LED)で電気を送り、レンズを使ってレーザーを集めて太陽電池で電気を得る。10ワットほどの電力が送れる。長距離の無線給電システムとして、3年後の実用化を目指す。

 無線給電は電磁誘導を利用したシステムが、置くだけ充電としてスマートフォン(スマホ)の一部機種で実用化している。ただ送電できる距離は1センチメートル未満と自由度が低い。他にもマイクロ波を利用した手法も検討されているが、他の電波への影響が懸念される。

 研究グループは光に着目した。光源からの光を太陽電池にあてて発電する。光はそのままでは拡散してしまうため、特殊なレンズを通して太陽電池の領域にだけ均一に光が集まる工夫をした。光源の位置が少しずれても同じ部分に光が集められる。光もマイクロ波と同様に電磁波の一種だが電子機器で使われる領域と大きく波長が違うため影響も少なくすむ。

 人には見えない近赤外光の20〜25ワットの高出力の半導体レーザーを光源に使う。2・5〜5メートルの距離でスマホの充電できる約10ワットの電力を送れる。技術的にはテレビなどの家電を動かすのに十分な100ワットほどの出力も可能。LEDでも1メートルほどの距離で100ミリワットほどの出力ができる。小型のIoT端末への給電に利用できるとみている。

 発電所などの高電圧な装置が稼働している場所で使う小型の機器への給電に利用できる。漏電のリスクがあり、電気配線しにくかった。配線が邪魔になる工場などでも役にたつ。

 将来的には電気自動車への無線給電にも応用する。キロワット級の高出力のレーザーを使えば可能だ。人が近くにいるとレーザー光が照射されないような仕組みをシステムに組み込むなどして、安全な運用を検討していく。(中島沙由香)

ニュースの最新記事

PAGE TOP