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パナソニックの新潟・照明工場、IoT導入で生産効率向上、設備の不具合、早期に発見。

[ 2018年12月11日 / 日本経済新聞 地方経済面 ]

 パナソニックは施設用照明を製造する新潟工場(新潟県燕市)で今後3年で30億円を投じて増産、生産改革も進める。あらゆるモノがネットにつながる「IoT」を活用し、最終組み立ての生産効率を1割高める。各工程での稼働状況をつかみ、不具合もなくしていく。主力品である発光ダイオード(LED)照明は今後、需要増が続く見通し。グループ内のモデル工場として生産性にこだわり改善を進める。

 LED照明の生産プロセスは金属板の切断・塗装のほか、樹脂製カバーや電源部品の取り付けなど複数の工程からなる。今回、システム導入したのは、全部材を組み立てる最終工程で各設備の作業時間を計って稼働状況をリアルタイムで把握できる仕組みにした。

 どの工程で不具合が起きているのかが分かる。そのうえで、異変の原因を究明することにつなげ、生産設備を調整することで問題を解決する。製造する品目を切り替えるケースであっても、タクトタイム(生産ペース)を維持できるという。

 量産を目的にする生産ラインでは今春、自動監視システムを導入した。50メートルの長さの工程をすべて自動化している。製品ごとの設備の変更もスムーズにしており、作業のムダをなくした。品種ごとで切り替えにかかる時間を従来と比べて5分の1に縮めた。

 LED基板の外観チェックには人工知能(AI)を活用する。不良品を高精度で見つけられるように学習させており、現在、不良品はほぼゼロの水準を確保。こうしたIT技術による取り組みを加速するため、人材育成もあわせて進める。作業員が生産ラインから一時的に離れ、スキルアップできるようにする。

 少量多品種の最終組み立てラインは作業員とロボットが協調して働ける環境を整える。例えば作業員が器具を治具に固定しておき、ロボットがねじ止めを担当するなど役割を決めて生産性を高める。微調整を求められる作業を人手に頼りつつ、双方のスピードを一致させて、ムラが出ないよう工夫している。現在、8台のロボットが稼働する。

 新潟工場は金属板の切断、折り曲げ、塗装プロセスを手がけており、一貫生産を担う。こうした生産改革を進め、「製品を共通化し、設計変更にもすぐ対応できる」(森川誠工場長)という。LEDは普及が加速するが、技術や外観などについては発展途上の段階にある。新潟工場を主力モデルにして、グローバルに供給能力を引き上げる。

 パナソニックは2020年6月に水銀をつかった照明の生産を終了する。水銀による汚染防止を図る「水銀に関する水俣条約」で一般照明用の水銀ランプ製造、輸出入が禁止されることを受けて31種類の自社製品の製造を止める。LED照明への置き換えを促しつつ、工場などに使う高天井用、街路灯、道路照明器具などの商品点数を拡充する。(上田志晃)

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