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「ゼロエネ」推進へ実証棟、三菱電機専務執行役伊藤泰之氏、空調や照明連係。

[ 2019年5月13日 / 日経産業新聞 ]

 三菱電機は消費エネルギーを自給自足するゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)を推進する。高効率のビル設備に対する需要は高まっており、同社が手掛ける空調や照明、昇降機などを組み合わせて省エネ提案を進める。関連技術を検証する実証棟を2020年に設立するなど強化策も打ち出す。ビルシステム事業担当の伊藤泰之専務執行役に今後の戦略を聞いた。

 ――ZEBに関心が高まっている背景を教えてください。

 「オフィスビルなどに省エネの余地が大きいからだ。日本は1970年代から15年度にかけて国内総生産(GDP)が2・6倍となったが、エネルギー消費量は1・2倍に抑えられた。ただ、このうちオフィスビルなどのエネルギー消費だけを切り出すと、2・4倍と大幅に増加したままだ」

 「ビルの設計を見直したり高効率設備を導入したりすれば省エネにつながり、二酸化炭素(CO2)排出量も削減できる。政府も補助金を出すなどしてZEBを推進しており、電機メーカーだけでなく、ゼネコンや設計事務所などもZEBを推進している」

 ――三菱電機の強みは何ですか。

 「設計からビル設備の納入、運用までを一貫して手掛けられることだ。昇降機や空調、配電システムなどと太陽光発電などを全て手掛けていることが強みで、機器の組み合わせでさらに効率化する」

 「どういったZEB関連技術の組み合わせが効率を最大化できるかを検証する実証棟を情報技術総合研究所(神奈川県鎌倉市)に20年に設立する。ZEB関連の提案や設備設計を担う部署も18年10月に新設した。これまでは20人が所属し関連部門と連携する体制を取ってきたが、19年4月には200人規模の組織に強化してエンジニアリング力を高める」

 ――これまで手掛けた案件を教えてください。

 「白鷺電気工業(熊本市)の新本社ビルの設備納入やシステムを三菱電機が手掛けた。太陽光発電システムを含めて基準比75%以上の省エネを実現した。ZEB関連の案件は18年度に10件受注したが、19年度は20件規模を目指したい」

 ――今後の課題は。

 「大規模ビルへの対応だ。これまでZEBは多くが中小規模のビルで実施されている。実証棟での検証なども踏まえて設備自体の高効率化や組み合わせ、運用方法を磨き、大規模ビルにもZEB化を提案していきたい。日本で技術を蓄積し、欧米やアジアなどでも展開してきたいと考えている」

 「ZEBとほかのビルシステムを一緒に提案することも重要だ。清掃や警備にロボットを活用することや、電気自動車からビルへ電力を供給するBCP対応を進めることなども合わせて提供する」(聞き手は志賀優一)

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