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スマホ決済、どう勝ち抜く――米スクエアCEOジャック・ドーシー氏、販売分析など周辺に商機(そこが知りたい)

[ 2014年11月30日 / 日本経済新聞 朝刊 ]

 スマートフォン(スマホ)の普及を追い風にスマホを活用した決済サービスの関連市場が活気づいている。米スクエア(カリフォルニア州)はスマホにクレジットカードの読み取り装置を装着し、決済に使うサービスの草分けだ。参入企業が相次ぐ中、どう勝ち抜くのか。ジャック・ドーシー最高経営責任者(CEO)に聞いた。

 ――北米に続いて日本市場に参入して1年半がたちました。

 「日本に参入する際、当社の取り扱いは年間150億ドル(約1兆7700億円)規模と説明したが、現在はそれをはるかに上回る。日本は『現金文化』で簡単な市場ではないと予測していたが、現在は東京だけでなく全都道府県で当社のサービスが使われている」

 ――日本では楽天、米国では米アマゾン・ドット・コムなども同様のサービスを始めています。

 「商取引にまつわる手間を軽減するのが当社の目標だ。米国ではカード読み取り装置の普及が大きな課題だったのでまず手を付けたが、これは我々の事業のごく一部にすぎない。決済そのものは一般に薄利とされるが、売上高の集計や分析などカード決済の周辺により大きな商機がある」

 「米国では個人や事業者が対象の少額貸し付けサービス『スクエア・キャピタル』を始めた。カード決済の手数料と一緒に返済する仕組みだ。半年間で1万5000の個人・事業者に7500万ドルを貸し付け、利用者の85%は2回以上利用している。収益源の多角化が重要と考えており、関連事業を増やしていく」

 ――アップルも決済サービス「アップルペイ」を始めました。

 「アップルペイは近距離無線通信『NFC』を活用した支払い手段のひとつであり、クレジットカードの代替だ。当社は個人や事業者に(レジの役割を果たす)料金受け取りの道具を提供しており、競合しない。米国では仮想通貨のビットコインも受け取れるようにするなど、あらゆる支払い手段に対応しようと考えている。アップルペイを含むNFCで支払っても(店などが)料金を受け取れるようにする予定だ」

 ――ツイッター会長との「二足のわらじ」はいつまで続けますか。

聞き手から一言
事業への姿勢に 見習うべき点も

 「起業家になろうとか、会社運営に携わりたいと思ったことはなく、自分が使いたいサービスや製品をつくってきただけだ。ツイッターとスクエアはこうした要素を持ち、自分の子供のように思っている。ツイッターCEOとも毎週火曜に夕食をともにしている。両社が自分を必要とする限り、現在のかかわり方を続けたい」

 ドーシー氏は米国を代表する起業家のひとりだ。ツイッターは時価総額が250億ドルに達し、非公開のスクエアも企業価値は60億ドルとの見方がある。ツイッターの経営から遠ざかり後に復帰した様子は、スティーブ・ジョブズ氏のアップルへの復活劇にも重なる。

 スクエアの出口戦略を尋ねると「現在は事業強化に集中する時期」と強調した。将来的な新規株式公開(IPO)は示唆したが、IPOは「資金調達の一手法にすぎない」と冷静な見方も。スクエアの類似サービスが国内で相次いだが、見習うべきは事業への姿勢かもしれない。(奥平和行)

 米ミズーリ州出身。幼少期からコンピューターに興味を持ち、2006年にツイッターのサービスを開始。現在は米ツイッター会長と09年に設立した米スクエアのCEOを兼務。38歳。

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