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NTTドコモ、「おサイフケータイジャケット01」――スマートライフ推進部担当課長今井和氏(この会社この商品)

[ 2014年12月4日 / 日経産業新聞 ]

iPhoneで決済 フェリカ搭載/iDなど利用可能

 NTTドコモが10月30日に発売した「おサイフケータイジャケット01」が話題を呼んでいる。米アップルのスマートフォン(スマホ)「iPhone(アイフォーン)」と組み合わせ、おサイフケータイが使える装置だ。スマートライフ推進部担当課長の今井和氏に開発の経緯や今後の戦略を聞いた。

 ――開発のきっかけを教えてください。

 「開発に取りかかったのは2013年秋だ。おサイフケータイをウエアラブル機器など幅広い製品で利用できるようにするというアイデアがあり、まず実用化したのが『ジャケット』と呼んでいるやや厚めのカード型の製品だ。専用のカバー(別売り)と組み合わせて使うこともできる」

 「アップルは今年発売の製品から近距離無線通信『NFC』に対応し、米国で決済サービス『アップルペイ』の提供を始めた。ただ、おサイフケータイの基盤となっているフェリカは(事実上)日本だけの仕様でありアップルが搭載する可能性は低い。別の取り組みが必要と考えた」

 ――開発で苦労したのはどのような点ですか。

 「iPhoneとの接続に使うブルートゥース関連の部品、約2カ月半の連続利用が可能な電池、そして、フェリカチップを搭載してどれだけ小さくできるかが課題だった。最初の試作品はもっと大きかったが、基板の設計などを見直した。使いやすい厚さにもこだわった。充電に利用するUSBケーブルの差し込み口を取り付けるため4・2ミリメートルが限界だった」

 「当初は初期設定やデータの書き込みに時間がかかっていたので、(アプリの)ユーザーインターフェース(UI)の改良などで使い勝手を向上した。最新のiPhone6はNFCを搭載しているので、これとフェリカが干渉しないことを確認する必要もあった」

 ――おサイフケータイは外部企業が提供する多様なサービスを使えるのが特徴です。

 「iPhoneでおサイフケータイが使えるようになり、歓迎された。発売時は全日本空輸の(ペーパーレスチケットの)『スキップ』とヨドバシカメラのポイントカードだけだったが、12月にドコモの電子マネー『iD』にも対応する。『QUICPay』も年度内に使えるようになる」

 ――今後の展開について教えてください。

 「もともとカード型だけを出すつもりはなく、様々な機器でおサイフケータイを使えるようにすることを目指している。腕時計型のウエアラブル機器などは構想のひとつだ。当社もこうした製品を実用化するが、外部企業にもつくってほしいと考えている。『レファレンスデザイン』のような形で設計図を公開し、開発を促したい」

記者はこう見る
決済サービス 競争環境変化

 スマートフォン(スマホ)の普及を背景に、決済サービスを取り巻く環境が大きく変わっている。端末開発ではメーカーが主導権を握り、携帯会社が中心となったサービス開発が難しくなってきた。おサイフケータイジャケット01はこうした変化に対するドコモなりの答えのひとつだ。

 ただ、先行きは楽観できない。スマホを舞台にした競争は激しさを増し、"本命"とされるアップルペイも日本上陸が噂される。ドコモは先行して全国津々浦々に行き渡らせた読み取り装置のインフラを生かして逃げ切ることができるか。正念場を迎えている。(奥平和行)

【表】おサイフケータイジャケット01の概要  

寸法(ミリメートル) 約86×51×4.2
重さ(グラム)    約22
電  池       リチウムイオン電池
連続動作時間     約2.5カ月
充電時間       約120分
接続方法       ブルートゥース〓・ローエナジー
対応機種       iPhone6、同プラス
           iPhone5s、同5c
           iPadエア
           iPadミニ レティーナディスプレーモデル
製造メーカー     パナソニックモバイル〓コミュニケーションズ
価  格       5400円

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