720度パトロールカメラ™「Cupola360」と「Cupola360+」ソフトウェアプラットフォームの紹介
現代の建物、施設、インフラ、そして地域社会の安全管理において、従来の防犯カメラや監視システムの限界を打ち破る革新的なソリューションが登場した。それが、株式会社iiTECが提供する次世代型全方位監視システム「Cupola360」シリーズである。
本稿では、ハードウェアとしての中心を担うパトロールカメラ「RX1000P」および「RX1000F」の圧倒的なスペックと、その可能性を最大化させるソフトウェアプラットフォーム「Cupola360+(プラス)」の機能について、その詳細を解説する。
1. 従来の監視システムが抱えていた限界
これまでの一般的な防犯カメラや全方位(魚眼)カメラには、運用上避けては通れないいくつかの弱点が存在していた。
第一に、「死角」の問題である。水平方向のみ、あるいは限られた画角しかカバーできない従来のカメラでは、死角をなくすために膨大な台数のカメラを設置しなければならなかった。これは導入コストや配線工事の手間を増大させるだけでなく、監視モニターの数を増やし、人間の目による監視効率を著しく低下させる要因となっていた。
第二に、複数のレンズを用いた全方位カメラで見られる「映像の歪み」や「パッチワーク(継ぎ接ぎ)映像」の問題である。従来のマルチセンサーカメラや後処理で映像をつなぎ合わせる(ポストステッチ)方式では、映像の境界線で被写体が消えてしまったり、AIが正確に人物や動体を認識できずにエラーを起こしたりすることが多発していた。また、魚眼レンズ特有の湾曲した映像は、人間が直感的に状況を把握するのには不向きであった。
Cupola360シリーズは、これらの課題を独自技術によって根本から解決したシステムである。
2. ハードウェア:Cupola360 パトロールカメラの圧倒的スペック
Cupola360の最大の特徴は、世界で唯一の「インカメラ(カメラ内)・ハードウェア・リアルタイムステッチSoC(ASPEED AST1235マルチカメラ・パノラマ画像プロセッサ)」を搭載している点にある。
複数のレンズが捉えた映像を、サーバー側で処理するのではなく、カメラの内部で瞬時に一枚のシームレスなパノラマ映像へと合成して出力する。これにより、歪みが一切なく、視覚的な空間の連続性を保った美しい映像をリアルタイムに配信することが可能となった。この「歪みのない1枚のステッチフレーム」は、人間の目にとって直感的に見やすいだけでなく、AIの画像解析(物体検知や行動検知)にとっても最適なデータとなる。
ラインナップとして、用途に合わせた2つの主要モデルを展開している。
【RX1000P:シングルレンズ・パノラマユニット】
「RX1000P」は、水平方向360度、垂直方向85度の視野角を持つモデルである。5MのCMOSセンサーを4基搭載しており、1920×960、3840×1920、さらには最大5.7K(1360×5760)@30fpsという圧倒的な高画質ストリーミングに対応している。
筐体はIP66の防水仕様およびIK08の耐衝撃設計となっており、米軍調達規格である「MIL-STD-810H」に準拠した過酷な環境テスト(落下、振動、湿度、塩霧、日射、熱衝撃など)をクリアしている。建物外周や商業施設のロビー、公共空間など、幅広いシーンでの常時常駐パトロールに最適な設計である。
【RX1000F:720度全球・高没入型ユニット】
「RX1000F」は、水平360度に加え、垂直方向180度をも網羅し、前後左右だけでなく、上下まで完全に死角をゼロにした「720度全球(全方位)監視」を実現するフラッグシップモデルである。1/1.8インチの8M CMOSセンサーを4基搭載し、空間を丸ごとそのまま録画・配信する「全球録画(full-sphere recording)」を可能にする。
RX1000Pと同様にIP66の防水仕様、耐寒・耐熱、耐衝撃設計を備えており、-10℃から50℃の環境下で安定稼働する。ONVIF(Profile S)やRTSPといった主要な通信プロトコルに対応しているため、既存のVMS(ビデオ管理システム)やNVR(ネットワークビデオレコーダー)への統合も容易である。PoE(802.3at Class 4)受電に対応しており、LANケーブル1本でデータ通信と電源供給を完結できる点も、設置のハードルを大きく下げている。
3. ソフトウェア:Cupola360+ プラットフォームがもたらす変革
Cupola360カメラが捉える圧倒的な全方位・全球映像のポテンシャルを、現場の運用レベルで100%引き出すのが、ソフトウェアプラットフォーム「Cupola360+(プラス)」である。
本ソフトウェアは、ただ映像を画面に映し出すだけのビューアーではない。「Eyes of AI(AIの眼)」というコンセプトのもと、物理的な空間とAIによる視覚的インテリジェンス、そして現場の制御システムを融合させる役割を担う。
【デプロイシステムとバーチャルパトロール(Patrol & Live Map)】
Cupola360+では、グラフィカルなマップ画面上でカメラの配置を「ドラッグ&ドロップ」で簡単に展開(デプロイ)できる。
最も画期的なのが「Patrol & Live Map」機能である。複数のカメラがネットワーク化された空間において、オペレーターはまるで「Googleマップのストリートビューを歩いているかのように」、カメラからカメラへとデジタル空間内をシームレスに移動できる。従来の監視システムのように「カメラ1」「カメラ2」といった個別の画面を切り替える必要がなく、空間の繋がりを維持したまま、直感的な現場巡回(バーチャルパトロール)が行える。
【高度なリアルタイムデータオーバーレイ(On-Screen Display: OSD)】
Cupola360+は、720度のライブ映像の上に、テキストやグラフィック、IoTデータをリアルタイムで直接重ねて表示(OSD)する機能を備えている。
例えば、建物内の特定の設備や hazardous area(危険エリア)の映像上に、注意喚起や緊急情報をピンポイントで表示させることが可能である。また、環境センサーと連動して温度や湿度、空気質データを映像にオーバーレイ表示したり、設備のメンテナンススケジュールやアラート情報をカメラ映像内で一元管理したりすることができる。これにより、「現場でいま何が起きているか」をデータと映像の両面から同時に、かつ直感的に把握できる。
4. iiTEC独自のAI・制御技術との融合と未来のセキュリティ
株式会社iiTECでは、このCupola360およびCupola360+の先進的なプラットフォームの上に、自社の強みである高度なAI解析技術と産業用オープン制御(CODESYS)を融合させた、独自の現場DXソリューションを展開している。
【指差し安全確認AIによる現場の事故防止】
工場、建設現場、道路、工事現場などの安全管理において極めて重要な「指差し呼称・確認」の動作を、AIによってリアルタイムの映像から自動検知する。Cupola360の死角のないクリアな全方位映像と組み合わせることで、現場のどこで作業員が安全動作を行っているか(あるいは怠っているか)を確実に把握し、ヒューマンエラーによる労働災害を未然に防ぐ。
【開発中:AI熊検出・自治体通報システム(地域安全)】
現在、iiTECが鋭意開発を進めているのが、昨今社会問題となっている野生動物の出没に対応する「AI熊検出システム」の構想である。
Cupola360の広範囲なパトロール監視能力を活かし、広大なエリアや建物の境界線で熊を検知する。検知された情報はクラウドを経由し、瞬時に自治体や関係機関へと通報、発報アラートを届ける仕組みを目指している。これにより、現場や施設の安全確保だけでなく、地域社会全体の安心・安全へと貢献する未来のセキュリティ体制を提案している。
【CODESYS制御による確実な現場連携】
iiTECのシステムは、異常を検知して「画面に通報する」だけで終わらない。国際標準規格の制御プラットフォームである「CODESYS」の技術と密接に連携している。
AIカメラが指差し確認の未実施や、侵入者、危険な予兆を検知した瞬間、CODESYS制御を通じて物理的な現場のアラート(パトライトの点灯や音声警報)を発報したり、ゲートを自動でロックしたり、設備の運転を安全に停止させたりといった「検知から制御までの一気通貫の自動化」を可能にしている。
| 出展者名 | iiTEC |
|---|---|
| https://www.iitec.jp/ | |
| URL | https://cupola360.iitec.jp/#product-rx1000p |
株式会社iiTECは、720度カメラ「Cupola360+ RX1000F」を出展。鉄道や工事現場向けの「指差し確認AI検知」を中心に、開発中の「AI熊検出・自治体通報システム」の構想を紹介する。広範囲な検知に加え、CODESYS制御と連携した確実なアラート発報・制御の仕組みを提案。死角なき全方位監視と先進のAI・制御技術で、現場の安全と地域社会の安心に貢献する未来の体制をブースにて体感されたい。