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連載コラム

第101回 「ザ・オキナワ」気分を満喫できる!  緑を堪能できる沖縄古民家お食事処・大家

[ 2012年5月7日 ]

 今回の沖縄行きで、絶対に寄ってこようと決めていた店がある。
 それは、名護市にある古民家お食事処「大家」!
 沖縄特産のアグー豚を使った沖縄料理で有名な店だ。

 じつは、うちのスタッフの1人が以前、家族で沖縄旅行をした際に、この店に行ったそうなのだが、彼女はその日、ちょうど体調が悪く食事ができずに、駐車場の車の中でだんな様と子どもたちが食事をすませてくるのを待っていたのだそうだ。
 車の中でぐったりしている彼女を尻目に、おいしい沖縄料理を楽しんで戻ってきただんな様と子ども達は、「よかったよ!」「おいしかったよ!」「行けなくて残念だったね」と口々に言っては、彼女の神経を逆撫でしたのだという。

「かなえさん、沖縄に行くなら私の仇を討ってください。絶対に大家には行ってきてください。あのときの夫と子ども達の満足そうな顔、私は今でも忘れられないんです。」
 とスタッフから、なんだか見当違いなお願いをされてしまったのだ。

 私は沖縄に着いた次の日、さっそく「大家」に行ってみた。
 名護市の中心地からすこし山に向かって入っていく感じ。目の前にあらわれたのは広々とした駐車場だった。「大家」は、修学旅行生やツアー客も多く訪れるという有名店だけに、かなり駐車スペースを確保している。そのことに感心しながら、店のほうに進んでいく。エントランスも、伝統を感じさせてかなりいい雰囲気。いかにも沖縄! という気分が盛り上がってくる。

店内の開放感にビックリ! テーマパークのアトラクションのよう

 外から見ると、「大家」の建物は決して大きく見えない。小ぢんまりした普通の家屋のように見えるのだ。建物自体の高さも決して高くないので、天井も低い。
 しかし、中に入って、食事をとる席に通されると、外から見ただけでは想像できないような高い天井があり、店内と外を仕切る壁やガラスがない。ラッキーなことに私が通された席は外に面していて、目の前には大家の裏手にそびえる山の緑が迫っており、目の高さのあたりには岩肌が見え、そこに滝のように水がとうとうと流れていた。
 うっそうとした緑、さらさらと流れ落ちる水が目に心地よい。そして、風がさわやかなのだ。

 席に座っても、メニューを眺める前に、その景色を堪能してしまった。なんだか、ディズニーランドのジャングルクルーズみたいな世界が目の前に広がっている。これが、店内なのだからビックリだ。

 もちろん、水辺の席ばかりではない。少し店内を探索してみると、グループで使うのによさそうな個室風の席もある。店の中の階段を上ってみると、中2階くらいの位置にある部屋もあった。いずれも、どこか隠し部屋のような雰囲気もあり、落ち着けそうだ。家族や親戚も招いての祝宴などにも向いている、と感じる。店内のまがりくねった廊下、狭い階段なども「田舎のおばあちゃん家」に遊びに行って、慣れない家の中を冒険したときの気分を思い出させてくれる。
 そう。昔の家って、なんだかよくわからない部屋があって、ちょっとこわかった。でも、その怖さがおもしろかったんだよな~、と大家の中を探索していて思い出した。

 席に戻ると、注文した「大家そばセット」が出ていた。いわゆる沖縄そば、ジューシー、パパイヤのキムチ、島豆腐の冷奴がついている。女性なら大満足なボリュームで、沖縄料理を満喫できる。おまけに目には、ずっと豊かな緑と流れる水が映っているのだ。こんなに気持ちのよい昼食は、めったに食べられるものではない。

 ボリューム満点の食事でお腹が重くなったところで、少し敷地内を散策してみることにした。
 さっきまで座っていた水辺の席から目を楽しませてくれた裏山には、散策路が設けられているのだ。それほど、ハードなコースではないが、腹ごなしにはちょうどよい。散策路の両側には、緑と花があふれている。季節によってここで、様々な花が目を楽しませてくれるのだろう。

 沖縄の伝統を感じさせる料理もよいが、やはりこの立地が「大家」の大きな魅力だ。
食事をしに来て、ちょっとしたピクニック気分も味わえるのだから。

展示されている沖縄古民家で「旧きよき日本のコミュニティー」に思いをはせる

「沖縄料理」のほか大家のもう1つの売りなのは、広い庭に展示されている沖縄古民家だ。
 いわゆる縁側があり、自然の形状を生かした柱の1本1本が違っていて表情豊かだ。部屋はいくつかに分かれてはいるのだが、間仕切りを開け放せば大きな1つの広間になる。広く外に向けて開いた縁側、裏側にも広い窓があるので、暑い沖縄でも、この造りで戸や窓を開け放せば気持ちよく風が通りそうだ。
 この古い家の縁側に腰をおろしていると、なんだか気持ちがほっこりしてくる。プライバシーなどは到底守れそうにない造りの家だが、こんな家で暮らしてたころの日本人には、いい意味でプライバシーなんて感覚はなかったんだろうと思える。小さな子どもからおじい、おばあまでがいっしょくたになって暮らす。ご近所の人が当たり前のように、家に上がりこんでくる。誰もが気軽にこの縁側に腰をかけおしゃべりをする。そんな生活が、ほんの数十年前まであったのだ。それは決して沖縄だけでなく、日本のあちこちに。
 そんななつかしい「日本の原風景」や「日本人の心」をリアルに思い出すことができる。この「大家」は、そんな店だ。

 「大家」に行きそびれたスタッフのNちゃん、あなたはほんとについてない。
あなたが私に教えてくれたこの店は、沖縄に行ったなら絶対に一度は行っておきたい店だったよ。
 次に沖縄に行くチャンスがあったら、ぜひ行っておいで! と彼女に薦めなきゃ! と心に決めた私だった。

今どき主婦のShopウォッチ
執筆者:堤 香苗

株式会社キャリア・マム代表取締役。1964年、兵庫県神戸市生まれ。早稲田大学第一文学部・演劇専攻卒業。
大学時代よりテレビ、ラジオのパーソナリティー等をつとめ、フリーアナウンサーとして活躍。結婚、出産後、子育ての経験を生かした仕事を志し、1995年4月、育児サークルPAO(キャリア・マムの前身)を設立。その後、ママの社会参加の機会を積極的に創出する活動母体として、「ママの元気と笑顔」を合言葉に、『キャリア・マム』を設立。現在、コーディネーターとして、主婦や育児中の女性、起業を目指す人へのアドバイスや、「女性の起業」「在宅ワーク」「ITビジネス」等のテーマで講演も行う。2007年1月「おしゃべり力〜主婦のホンネが常識を変える!〜」、5月「ヒット商品はこうしてできる!売れるマーケティングのしかけ」を出版。

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