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連載コラム

第129回 多摩センターにオープンした、「夢」の発信地!「oshigoto café」

[ 2014年9月2日 ]

 もう大学生になったうちの息子が、まだベビーカーに乗っていたころ、多摩センターには「そごう」があって、イッツ・ア・スモールワールド時計があった。子どもはもちろん、私のようなママたちも1時間に1回、世界の民族衣装を身につけた人形が飛び出してくるあの時計が大好きだった。
 そごうはもうとっくの昔に撤退し、あの時計もなくなり、その建物は試行錯誤を重ねながら、今は「ココリア多摩センター」という、三越をメインとするテナントビルとして生き延びている。

 高齢化の例にもれない多摩センターだけあって、三越エリアはかなりシニア層を意識したラインナップになっているが、ここ数年は、このココリア多摩センター、かなり若いファミリー層も取り込んできている。事務所からも自宅からも近いので、私もよく利用するのだが、最近この5階に、一風変わったカフェがオープンし、私はこのカフェが大のお気に入りになった。

 5階には、幅広い年代の女性に人気の手芸店・ユザワヤがあるが、そのすぐ脇に、「oshigoto cafe」というかわいらしいピンクの看板が出ている。ぱっと見て、この奥は「staff only」かな? と思うような入口に見えるが、正面に回ってみると、床もテーブルも壁に設えられた飾り棚も明るい木目調で統一された、エントランスだ。この入口からの風景を見ただけで、なんだかホッと温かい気持ちになる。歓迎されている、という気分になる。

 

駅近ビルにいることを忘れてしまう! 木に包まれたカフェ

 中に入ると、右手の飾り棚には、レザー細工のストラップやパスケース、きれいなプリザーブドフラワーのアレンジメントが展示されている。買うこともできるようだが、売るために置いてあるというよりも、この作品の作り手たちは、我が子のようにかわいい自慢の作品を多くの人に見てもらいたいのだろう。ショップというよりはギャラリー、そんな飾り棚がまず迎えてくれる。

 

 突き当たりを左に向くと、入口から想像するよりもずっと広々としたカフェスペースが現れる。木の香りがとても心地よい。手前にはカウンター、2~4人用の四角と円型のテーブルが並んでいる。このテーブル同士の距離はちょっと近すぎるような気もするが、なぜこの距離なのかは、この店に少しいればわかってくる。

 一番奥には、このカフェの特徴である小上がり。ここは、靴を脱いで上がるようになっていて、なんだかお友達のお家にお邪魔しているような、くつろいだ気分にさせてくれる。小上がりには窓に面したカウンターテーブルもあるのだが、この窓からは緑豊かな多摩中央公園と、多摩センターのシンボリックな建物・パルテノン多摩を見下ろすことができて、それはそれは絶景なのだ。もちろんこの小上がりもすべて木目で統一されているが、子ども用の小さな椅子や背の低いカウンターなどは、この店で扱っている家具作家の手によるもの。子どもスペースの脇には、絵本の表紙が見えるよう立てかけて収納できる薄い書棚も設置されている。

 天井を見上げると、建物本来の天井よりも下にわざわざ梁を作ってある。そして、天井から下がっている温かみのある照明器具。この梁と照明が、ここがビルの中であることを忘れさせ、どこかのログハウスにいる気分にさせてくれる。

働きたい女性、地元の人たち、集いたい人すべてを応援する「oshigoto café」

 しかし、このカフェの魅力は、こういった内装や景色だけではない。そのコンセプトが最大の魅力であり、特徴なのだ。「oshigoto cafe」の名前が表す通り、ここはお仕事をする人、お仕事をしたい人を応援するカフェなのだ。とくに、子育ても仕事も頑張りたい! 自分らしく生きたい! そんなママたちを日本でいちばん応援するカフェなのだ。
 一人でも入りやすいように、カウンター席も豊富に作ってある。ゆっくり読書もできるし、パソコンを開いて仕事をしてもらってもいい。もちろん電源も用意してある。小上がりの大きなテーブルは、子ども連れのグループに便利だろう。
 まだオープンしたばかりだが、これから仕事を始めたいママたちを応援するイベントやセミナーなども、このカフェや隣接するホールを使って、どんどんやっていく。ここに来れば、お仕事の情報が得られたり、刺激を受けてモチベーションが上がったりする、そんなカフェにしていきたいのだ。

 ん? やっていく? 誰が?

 じつは、そう。ここは、わがキャリア・マムが初めて手がけたカフェなのだ。自分たちで考えて、自分たちで作った(スタッフで塗料塗ったりもしたのです!)カフェ。こんなカフェがあったらいいな、を形にしたのだから、「大のお気に入り」なのは当たり前。手前みそで申し訳ない。

 しかし、オープンした以上、手前みそでは絶対に終わらない!

 このカフェが、たくさんのママたちに元気を与え、仕事を始めたいママには一歩踏み出す勇気を与えるようになること。子どもがいて思うように動けないことをマイナスだと考えずにすむように、子連れでも温かく迎えてくれるカフェもあるし、お隣のテーブルの人も赤ちゃんがいれば、笑顔で話しかけてきてくれることもあると知ってもらえること。それが、ちょっぴり先輩ママである私やキャリア・マムのスタッフの夢だから。
 自分たちだけでなく、みんなの夢をかなえるカフェにしたい。

 

 自分の作品を展示販売したり、イベントをやったり、それから、こだわりの産直野菜や特産品だって販売する。そんな場を提供することで、多くの人がそれぞれの場所で、それぞれの得意分野を仕事にしていけると思うから。

 やりたいことはいくらでもある。
 できることもまだまだある。

 私は、自分の可能性も、ママたちの可能性も信じている。その可能性をこのカフェから発信していこうと思っている。

今どき主婦のShopウォッチ
執筆者:堤 香苗

株式会社キャリア・マム代表取締役。1964年、兵庫県神戸市生まれ。早稲田大学第一文学部・演劇専攻卒業。
大学時代よりテレビ、ラジオのパーソナリティー等をつとめ、フリーアナウンサーとして活躍。結婚、出産後、子育ての経験を生かした仕事を志し、1995年4月、育児サークルPAO(キャリア・マムの前身)を設立。その後、ママの社会参加の機会を積極的に創出する活動母体として、「ママの元気と笑顔」を合言葉に、『キャリア・マム』を設立。現在、コーディネーターとして、主婦や育児中の女性、起業を目指す人へのアドバイスや、「女性の起業」「在宅ワーク」「ITビジネス」等のテーマで講演も行う。2007年1月「おしゃべり力〜主婦のホンネが常識を変える!〜」、5月「ヒット商品はこうしてできる!売れるマーケティングのしかけ」を出版。

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