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連載コラム

第37回「意外にも・・・ママになってからこそ表参道が楽しい! キャリア・マム的、表参道探索のススメ」

[ 2007年1月15日 ]

●表参道には、子育て中ママだからこそ楽しめるショップが意外とある! って、ホント?
 なんたって渋谷区神宮前である。表参道である。若いころは、よくショッピングに行ったり、お茶したりしてたけど、子どもができてからは「なかなか行くこともなくなったわ〜」という人も多そうな街である。

 私たちが子育てにかまけているここ数年の間に、表参道はずい分変わった。なんたって同潤会アパートは表参道ヒルズに変わったし、メトロの駅には「Echika」ができて、とっても便利&オシャレになった。あと、とにかくカフェが増えたよね〜。

 有名ブランドのでっかい店も出店しているし、なんだか表参道はますます洗練されたオシャレな街になってる、という気がする。となると、ちっちゃい子どものいるママたちにとっては、ますます縁遠い街、になっているのかというと...それがそうでもないのだ。

 「子どもがいるからこそ、買い物に行きたい店が表参道に増えている!」という情報を聞きつけ、うわあ、久々〜! とワクワクしながら、今回は表参道探索に出かけてみた。メトロの表参道駅で降りて明治通りまでの間、表通りを歩いたり裏道に入りこんだりしながら、果たして本当に「表参道で、子どものための買い物ができるのか?」を探ってみたのだ。


●表参道で見つけた古着屋、おもちゃ屋

 ハナエモリビルの前を、ラフォーレの方に向かってずっと歩いて行くと、最初に見つけた子どもグッズのお店は、古着屋の「Santa Monica」。ここは子ども服専門ではないが、表に面したところに輸入物のかわいい子ども服をかなり置いている。アメリカチックな小粋な雰囲気の古着は、アメリカ好き、古着好きなパパ&ママには見逃せない。

 しかし、表通りを歩く限りは、この他には超有名おもちゃショップ「KIDDY LAND」はあるが、やはり子どものための買い物ができる店は、ほとんどない。やっぱ、表参道って、ママになったら縁遠い街なんじゃん、と思いながら明治通りとの交差点を渡って、神宮前6丁目の裏通りにちょっと入ってみた。

 こじゃれたカフェや美容院などが点在する裏道に、突如現れた「おとぎ話」から抜け出してきたような、かわい〜いお店が「ゆーといぴあ原宿店」であった。あったかみのある素朴な木のおもちゃを中心に、見ているだけでほのぼのしてしまうような、おもちゃが狭い店内いっぱいに展示されている。

 

 けばけばしい色のものも、遊んでいてケガしそうなとがったものもない。まるっこくて、木を使っていても、やわらかい感じの「子どもにやさしい」おもちゃの数々は、自分の子どものためにも欲しくなるが、赤ちゃんが生まれた友だちへのプレゼントにも買いたくなる。きっとお孫さんのいるおばあちゃんなんか、あれもこれもと欲しくなるんじゃないかなあ、と思うそんな店だ。

 店のコンセプトゆえか、表から見たときも神宮前にあるとは思えない、素朴なたたずまいである。店が小さいこともあって、地元に住んでいる人が趣味でやっている店、みたいな風情があるのだ。

 日本や海外のおもちゃ作家が手がけるこだわりのおもちゃは、安全でシンプル、そしてちょっと知育の匂いもする。小さい子どもがいるうちに、ぜひのぞいてみたい店だ。
 こんな店が神宮前の裏通りにあるなんて...! おそるべし表参道! これはひょっとすると、「子どものための買い物」には、裏通りが穴場なのかも? と勢いづき、今来た道を戻らず、裏通りを探索しながらメトロの表参道駅まで戻ってみることにした。


●あるある! おもちゃに子ども服、絵本もあったー!

 次に見つけたのは、これまたおもちゃ屋だが、俳優・津川雅彦さんが経営することで有名な「gran papa」。ここ原宿店はなんと、12月1日にオープンしたばかりの新しい店だ。「ゆーといぴあ」と同じ神宮前6丁目にあるが、これも裏通り。しかし、とてもおもちゃ屋には見えないステキな外観だ。入口近くにはケーキ? のようにディスプレイされたタオルセットが並び、店内はおもちゃ屋というよりは宝石屋のように洗練されている。

 子どものおもちゃというより、大人が喜んで買ってしまいそうな精巧なブリキのおもちゃやフィギュア、宝石みたいに美しい万華鏡など、普通のおもちゃ屋では見ることのできない品揃えで、見ていて楽しい店だ。

 さらに表参道駅方面に進んで行くと半地下になったところに、なんだかステキな子ども服がディスプレイされている店を発見! ミリカンパニーの子ども服ショップ「Love & peace & money」であった。ここは、ネットでも人気の子ども服の店だが、とっても渋い子ども服がたくさん並んでいる。渋いって...なんていうか色合いが、である。赤ちゃん服や子ども服に多いパステルカラーや、はたまた原色や蛍光色などがまったく使われていない。ベージュやブラウンなどの落ち着いた色合いが主なのである。それだけに店の雰囲気も「子ども服」「ベビーウェア」独特の甘さや華やかさはあまりない。内装もオシャレな雰囲気で、「子ども向け」のふわふわしたところがない。いかにも輸入モノ的なデザインのものが多く、スタンプを押して作ったようなプライスカードも日本のモノぽくない。

 しかし、まったくの国内メーカーだそうで、あくまでもこの輸入モノ風な雰囲気は演出のようだ。ネットでも通販しているから、ミリカンパニーの服はショップに来なくても買うことはできる。が、この神宮前の店は、ミリカンパニーの渋めの子ども服が好きな人ならきっと気に入るに違いない。そんなオシャレな店である。

 少し横道にそれてみると、なつかしーい! 「タンタン」の姿が見えてきた! 70年以上も前にベルギーで生まれた冒険物語の主人公・タンタンはシンプルな線描きがとても現代風なタッチだ。今の子ども向けというより、もう大人になってしまった人たちにとって「子どもだったころ」をなつかしく思い出させてくれるタンタングッズが、この店にはたくさん並んでいる。タンタンのイラスト同様、とてもシンプルでスタイリッシュ! 今どきの子どもにとってタンタンが、ヒーローなのかどうかはわからないが、ママたちはきっとなつかしく思うだろう。

 タンタンショップの道向かいに見える、昔の西部劇に出てくるような外観の建物は「ヒステリックミニ」のショップだ。サングラスをかけて、悪ぶった女の子のイラストが象徴的なヒステリックミニは、50年代風ともアメリカ風とも言える、ちょっと不良っぽいテイストのブランドだ。よく、母子でおそろいぽく、キメてる人いるよね。若いお母さん(=ヤンママ←死語だ〜)が多い気がするけど。そのヒステリックミニのショップである。決して大きな店ではないし、内装も外装もそっけない。店に入るために外階段を上るようになっているが、その階段の手すりも木製で、このへんは50年代風どころかアーリーアメリカンな感じだ。店内も非常に素朴な作りで、置いている商品もあまり多くない。広くない店だが空間を広くあけているので、だだっ広く感じられる。商品はいかにもヒステリックミニ! で派手めなのだが、店はいたってシンプルなのだ。これは表参道だからなのか?


●子連れの聖地「クレヨンハウス」は、今でも子連れママたちで大繁盛!

 「ふう〜む、たしかに表参道にも、なかなかいい店があるじゃないの」と、うれしくなりながら裏道をずんずん歩いていたら、ここは昔からある「クレヨンハウス」にたどりついた。なつかしいなぁ〜〜〜! すでに中学生になった上の子が、まだかわいいおちびちゃんだったころに来たことがある! あのころは、表参道にある子どものためのショップって、こことキディランドくらいじゃなかったっけな〜。

 そんな感慨にふけりながら店の前に立つと、そこにはベビーカーがずらっと並び、ベビーカーの列と向かい合わせに置かれた店外のベンチには、「つき合いで来たけど、絵本には興味なし」な表情のパパたちが、手もちぶさたそうに座っている。うんうん、今も変わらず繁盛しているのね〜と、うれしくなった。

 何年ぶりかに入ってみたクレヨンハウスは、やはり子連れママにとってはパラダイスだった。子どもに読ませたい本、読んで聞かせたい本がたくさんある。私がのぞいた時期には「いじめに負けるな」という緊急企画をやっていて、いじめを克服する手助けになりそうな本がたくさん紹介され、並べてあった。さすがクレヨンハウスだ。いつも子どもの立場に立つことを忘れないところが、スゴイな〜と感心してしまった。

 地階では自然食のバイキングレストランも展開しており、ちょうど昼時だったせいか満席で空き待ちの列ができていた。待ってまで食べる時間がなかったので、レストランには入りそこねたが、このレストランも子どものためによい食べ物(もちろん、大人にだっていい!)を厳選して提供していることが、これだけの人気をよぶのだろう。

 表参道が子連れには敷居の高い街だったころから、しっかりと根を生やしてきた「クレヨンハウス」は、今もしっかり生き延び、さらに強く大きな幹に成長しているんだなあ、と感服するばかりだった。そして、そんなクレヨンハウスの成功が呼び水となったのか、思った以上に表参道はママ向けの店が多かった。しかも、ベッドタウンの駅ビルに入っている子ども服ショップやおもちゃ屋とは、やはり違う。どの店も「さすが表参道!」なテイストがあり、個性が感じられるのだ。

 正直言って「子連れでショッピング!」を、おすすめするには人が多くて、ベビーカーだって押しては歩きにくいという欠点がある。子どもグッズのショップでも、「子どもがベタベタさわったら困るな〜」という雰囲気の店もある。オシャレなカフェで休憩するにしても、どの店のトイレにも、おむつ換えベッドやベビーキープがあるとは考えにくい。やはり、表参道は「子連れ大歓迎!」な街ではないのだと思う。

 だけど、子どもを連れてじゃなく、たとえばおばあちゃんやママ友だちと「子どものための買い物をしようよ!」「ついでに話題のカフェで、ごはん食べてこようよ!」と繰り出せば、すごく楽しめる街なんじゃないかな。もちろん、せっかく表参道まで来たんだったら、子どものものだけじゃなく、自分のための買い物だってすればいいし、昔は足繁く通ったわ〜というショップをたずねてみるのもいい。ひと昔、ふた昔前に比べたら、ずっと落ち着いた雰囲気になった表参道は、意外にも「大人の街」になっていた。だったら、「子どもがいるから」なんて理由で臆することはないんじゃない! 子どものためにも自分のためにも、ショッピングを楽しめるのが表参道の良さなんだから、ねっ!

今どき主婦のShopウォッチ
執筆者:堤 香苗

株式会社キャリア・マム代表取締役。1964年、兵庫県神戸市生まれ。早稲田大学第一文学部・演劇専攻卒業。
大学時代よりテレビ、ラジオのパーソナリティー等をつとめ、フリーアナウンサーとして活躍。結婚、出産後、子育ての経験を生かした仕事を志し、1995年4月、育児サークルPAO(キャリア・マムの前身)を設立。その後、ママの社会参加の機会を積極的に創出する活動母体として、「ママの元気と笑顔」を合言葉に、『キャリア・マム』を設立。現在、コーディネーターとして、主婦や育児中の女性、起業を目指す人へのアドバイスや、「女性の起業」「在宅ワーク」「ITビジネス」等のテーマで講演も行う。2007年1月「おしゃべり力〜主婦のホンネが常識を変える!〜」、5月「ヒット商品はこうしてできる!売れるマーケティングのしかけ」を出版。

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