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連載コラム

第53回「いまどきの「洗う!」サービス、「セルフ」はどこまで進化してる?」

[ 2008年5月1日 ]

 最近、私のまわりでも、犬や猫などのペットを飼っている人口が増加中。座談会の自己紹介でも、「夫と息子と、生後6カ月のコ、トイプードルがいます」なんてカンジで話す人も増えたからね。平成15年のペットフード工業会による「犬猫飼育率全国調査」によると、犬猫飼育数の推計値が1,810万匹となり、日本人口の14歳以下の数1,763万人を上回っている。たしかに、郊外の大型店、アウトレット等でも「ペット同伴可」の店が増えているし、ペットショップだけでなく、ペットカフェ、ドックラン、ペットサロンも、だいぶ増えてきている気がするな。
 このドックサロンだけど、最近は人間と変わらぬサービスぶり。ペットがシャンプーしてもらっている間、買い主はお茶を飲みながら、できあがりを見ていられるサロンもあるらしい。本当は、ご主人さまの手でゆったりと洗ってもらうのが一番なのかもしれないけど、住宅事情の問題で自宅ではなかなか難しい場合もあるよね。また、大型犬の場合だと家の浴槽では狭いし、中腰の体勢で洗うのがしんどい、ってこともあるかも。
 しかし、そんな悩みに応えてくれるサービスがあると聞き、早速、実物を見にカインズ多摩境店とジョイフル本田に行ってみた。


●セルフvsウォッシュマシーン! ペットだって、キレイ好き?

 カインズ「セルフウォッシュドック」の場合、予約は必要ない。来店したときに空いていれば、いつでも入れる。場所とドライヤーだけ貸してくれる形で、シャンプー、タオル、ブラシ、爪きりなどは自分で持ち込み。飼い主が濡れてしまったときのための着替えとか、ビニールエプロンも必要かな。セルフの場合は、一頭/30分につき500円の料金。延長は15分につき200円だって。ちなみに、スタッフにお手伝いを頼むと、30分につき1,000円の料金がかかるそう。うん、たしかにセルフなら、愛しいわがコに、よけいなストレスを与えずにすむし、飼い主だって広さのあるバスタブで、のびのびと洗えて室内は快適温度だ。冬場はとくにありがたいし、後始末の手間も軽減できる。ペットも飼い主も広々とした空間で、のんびりゆったり過ごす優雅な時間。これは、なかなかいいぞ。

 一方、郊外にある「ジョイフル本田」には、「ドックウォッシュマシーン」なるものがある。これは一見すると、コインランドリーみたいな洗濯機の中にワンちゃんを入れて予洗いし、全自動でシャンプーする。シャンプー完了後、ひと休みして、すすぎをして、ドライに。35度の優しい温風で乾かしてもらっているうちに、ワンちゃんもすっかりリラックスして、思わず寝てしまう子もいるとか。乾きが足りなかったときのために、ドライヤーも貸してくれるそうだ。先日、ジョイフル本田・ひたちなか店に行った時に、たまたま見かけたのだけど、全自動で愛犬を洗っている老夫婦がいらした。ウォッシュマシーンの脇にぴたっと座り、仕上がりを優しいまなざしで見守っている老夫婦。なかなか、ほほえましい風景だった。

 
ジョイフル本田


●女性も増えた? セルフスタンド&洗車場

 セルフで! といえば、ひと昔前はガソリンも「入れてもらうもの」、車も「洗ってもらうもの」の感覚が強かったけど、いまやガソリン=セルフがかなり浸透しつつある。洗車も自分で、という人の方がきっと多いよね。ペット同様、大事な愛車も自分の手で丁寧にキレイに洗いあげたい、でも家には洗車スペースがない! という人は、セルフのスタンドで場所・水を借りて行う方法がある。これなら安上がりで、自分の納得がいくまで車を洗って磨ける。

 自分で行うのが面倒だけど、少しでも安く、という人は、「セルフウォッシュマシーン」もある。これは、車に乗ったままで洗えるドライブスルー方式の洗車マシーン。上下左右からものすごい水圧をかけて洗う方式だ。2分弱で洗車は完了するのだけど、以前、長男が小学生の頃、車に同乗させていたら、「うわー、吸い込まれる、とける、とけるぅ〜」と、楽しそうな悲鳴を上げていた。


●学生や一人暮らしの人だけではない。ユーザー層拡大中!

 「セルフ」つながりといえば、コインランドリーも進化している。コインランドリーといえば、1人暮らしの人や学生が利用するイメージだけど、一般家庭にはない大型洗濯機、たとえば、22キログラムという大容量の回転ドラム式洗濯機や、25キログラムの乾燥機などが設置されている。これって、掛・敷布団や毛布、ベッドカバー、コタツ布団一式、カーテン、カーペットといった大型の特殊なものも洗える。
 これらはクリーニング屋や業者に委託することもできるが、コインランドリーなら値段も安いから、1枚出すところを2枚洗えるぞ! ってなるよね。家族全員の寝具をキレイに洗いあげられたら、健康にもつながるし、家族から「ありがとう!」の笑顔のおまけもついてくるし、何より自分で洗えるのが気持ちいい。
 また、春先は花粉のアレルギーがあれば、洗濯物を外干しできないのだけど、コインランドリーで乾燥させれば大丈夫。花粉を家の中に持ち込まずにすむ。このメリットも大きい。

 もう一つ、おもしろいことは「洗い屋本舗」の「スニーカーランドリー」サービスだ。スニーカーやスポーツシューズ類が大人サイズなら2足まで、子どもサイズなら4足まで洗えて、まっ白な仕上がりに。洗濯一回につき200円! 専用乾燥機なら、送風部分を靴に差込み乾きにくい靴を内側から乾かすことができるのだ! わんぱくな子は靴までドロンコにするし、スポーツをやっていればなおのこと。それをまっ白、キレイにしてもらえるのは、すっごく助かる!



 
洗い屋本舗

 今どきのペットウォッシュやコインランドリー、それにセルフスタンドは、女性でも気軽に利用できるように外観を入りやすくしたり、匂いに気をつかったり、サービスがわかりやすいように工夫している。今までは、店やお父さんたちに任せっぱなしだった「洗う」サービスだったが、自分でやってみれば、案外主婦でもやればできるし楽しいし、気持ちがいいことに気づく。サービスを提供してもらうばかりではなく、やれる場所を提供してもらうのも店とサービスを受ける側、双方にとってメリットがありそう。なにかと値上がりしている昨今、節約にもつながるってものだ。
 一方通行の「やってもらう」だけがサービスではない、ということを感したウォッチングだった。

今どき主婦のShopウォッチ
執筆者:堤 香苗

株式会社キャリア・マム代表取締役。1964年、兵庫県神戸市生まれ。早稲田大学第一文学部・演劇専攻卒業。
大学時代よりテレビ、ラジオのパーソナリティー等をつとめ、フリーアナウンサーとして活躍。結婚、出産後、子育ての経験を生かした仕事を志し、1995年4月、育児サークルPAO(キャリア・マムの前身)を設立。その後、ママの社会参加の機会を積極的に創出する活動母体として、「ママの元気と笑顔」を合言葉に、『キャリア・マム』を設立。現在、コーディネーターとして、主婦や育児中の女性、起業を目指す人へのアドバイスや、「女性の起業」「在宅ワーク」「ITビジネス」等のテーマで講演も行う。2007年1月「おしゃべり力〜主婦のホンネが常識を変える!〜」、5月「ヒット商品はこうしてできる!売れるマーケティングのしかけ」を出版。

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