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連載コラム

第55回「ずっと気になっていたんですが...コンビニの跡地には何ができてる? 原油高が引き金の不況感と、コンビニ閉店の相関関係は?」

[ 2008年7月1日 ]

 恥ずかしながら私、コンビニにはとってもお世話になっている。だって、便利なんだもの。いつでも開いてるし、季節関連商品は充実してるし、新製品もチェックできるし、最近はコンビニごとの"限定商品"なんてのも多くて見逃せない。おまけに、どこにでもある! ...はずだったのに、最近、すこーしずつコンビニが減ってるような気がする。 ここ半年くらいは、とくに「どこそこのミニストップが閉店した」「家の近くのローソンがなくなった」そんな話が多いのだ。コンビニはどこもけっこう繁盛しているように見えるのだが、なんせ24時間開けているんだから、経費もかかるはず。利益となると、なかなか上がらないということか。しかも、このところ急激に増してきた「不況感」......! なんてったってこのガソリンの高値! 今までだったら夜中でも、思い立てば郊外のコンビニに、ぶーんと車で買い物に行ってた人も、「ま、車出すのはガマンすっか」と思ってしまう → コンビニの集客が落ちる → 閉店、という流れもありそうな気がしてしまう。そのくらい、最近はコンビニの閉店が目立つのだ。コンビニ好きの私としてはなんとも寂しいことだ。

 しかし...。ただ寂しい反面、むくむくと好奇心がわいてきた。コンビニが閉店したあとには何ができることが多いのか、ということにだ。郊外型のコンビニは店の前に駐車場がついていることが多く、これはなかなかいい店舗物件だと思うのだ。店内の面積もわりあい広く、道路に面してはガラス張り。この造りも業種によってはけっこう使い勝手もよいのではないか。
 反面、妙に面積が広いため、こじんまりした商売では使いにくい。案外「コンビニの後継店探し」は難しい、のかもしれないとも思える。
 そこで、自分の生活圏内で、「もとはコンビニだった」施設がどのように転用されているのかを見て回ることにした。


●消えゆくコンビニ。跡地にやってきたのは、あんな店。こんな店。

 スタッフからの情報も得て、まずは町田市まで足を伸ばす。町田街道沿いにある写真スタジオ。すっかりおなじみになった衣装がたくさん揃えてあるタイプの写真スタジオだが、ここも以前はコンビニだったのだとか。言われて見れば、駐車場と建物の感じがコンビニぽい。
 さらに、八王子市南大沢に向かう途中にある新聞の販売所。ここも昔はコンビニだったらしい。かつてはお客さんの車がたくさん停まっていただろう広い駐車場には、新聞配達員のバイクがたくさん停まっていた。なるほど! この業種にはこの広い駐車場は使い勝手がよさそうだ。

 さらに進むと、交差点の一角にあるクリーニング屋。ここも元はコンビニだったそうだが、交差点にあるコンビニは車では意外と入りにくい。それが敗因だったのか? 斜め向かいにも最近までスリーエフがあったと思ったのだが、現在は空き店舗になっていた。やはり交差点のコンビニは厳しいのかもしれない。
 野猿街道を、多摩センター方面に向かって走ると、左手に見える車の販売所。ここも以前はコンビニだった。道路に面してガラス張りになっているところが、車のように展示する商品がある業種には好都合のようだ。ここを右折して、京王堀之内駅方面に向かうと、ローソンとセブン-イレブンが向かい合っている大きな交差点があり、セブン-イレブンの隣に中華飯店が見えてくるが、この店は以前はファミリーマートだった。ローソンが出店する前に、中華飯店に衣替えしていたので、セブン-イレブンの一人勝ちかと思いきや、そうはさせじとローソンが出店した、コンビニ激戦地である。

 さらに、尾根幹線に向かって直進すると、左手にクリーニング店が見えてくるが、ここもはるか昔はコンビニだった。尾根幹線の少し手前を左折して、小田急唐木田駅に向かう細い道を進んで行くと、唐木田駅の近くにおしゃれなカフェがあるが、ここも、元はコンビニだった。コンビニゆえに全面ガラス張りの店の造りが、こんな住宅街の中に? というおしゃれなカフェにぴったりだ。車通りも多くない立地にもかかわらず、繁盛し続けているのは立派だ。

 

 唐木田駅前を通り抜け、左折して尾根幹線に出るとすぐに、クリニックがある。ここは少し前まではミニストップがあった場所だが、今や広々した駐車場完備のクリニック。車移動の多いだろう病人や高齢者には利便性が高そうな造りになっている。
 尾根幹線を少し進んで左折してキャリア・マム事務局のほうに向かうと、左手に個別指導の塾があるが、ここもたしか以前はコンビニだったはず。マムの近くにはもう1つ、以前コンビニだったが閉店したところがあったと思い立ち、マムに直行せずに見に行ったところ、ここはちょっとオシャレなお弁当屋さんになっていた。ヘルシーなお惣菜などもたくさんあって、かなりいい感じ。店の外観もウッディーな雰囲気で、いい意味で「元コンビニ」感が薄い。こんなステキなお弁当屋が近くにあったとは!

 

 


●立地はいいはず。不況に負けない発想の転換が大逆転をよびこむ!

 多摩境から南大沢〜堀之内〜唐木田〜多摩センターと、ほんの狭い範囲を見て回っただけで、こんなにもたくさんの「元コンビニ」店舗があることにはちょっと驚いたが、もっと驚いた(というか寂しかった)のは、実はコンビニの跡地でもっとも多いのは、「空き店舗」だったという事実かもしれない。
 今回の探索で、コンビニの跡地に多いのはどんな業種か? という興味があったのだが、まさか「空き店舗」とは...。とくに最近、閉店したコンビニの跡地はなかなか借り手がいないようで、「こんなにいい場所なのに!」というところでも空いたまま。「テナント募集」の貼り紙がしてあるところが多かった。やはり、不況は本当に迫ってきているんだなあ、としみじみ実感する結果になってしまった。

 でもでも、元コンビニという限られた条件の店舗でも、意外にオシャレな店に化けていたり、大繁盛店になっているとこもある! ということには元気づけられた。前にあった店は撤退した場所、ということは条件がいいとは言えないのだろうけれど、それをクリアするだけの知恵があれば、やっていけるってことだろう。
 ガソリンはいっこうに安くならず、なんでもかんでも値上がりして、明るい材料は少ない昨今だけど、「仕方ないよ。条件悪いんだもん」ではなく、がんばろう! と思った「コンビニ跡地巡りのミニドライブ」となりました。

今どき主婦のShopウォッチ
執筆者:堤 香苗

株式会社キャリア・マム代表取締役。1964年、兵庫県神戸市生まれ。早稲田大学第一文学部・演劇専攻卒業。
大学時代よりテレビ、ラジオのパーソナリティー等をつとめ、フリーアナウンサーとして活躍。結婚、出産後、子育ての経験を生かした仕事を志し、1995年4月、育児サークルPAO(キャリア・マムの前身)を設立。その後、ママの社会参加の機会を積極的に創出する活動母体として、「ママの元気と笑顔」を合言葉に、『キャリア・マム』を設立。現在、コーディネーターとして、主婦や育児中の女性、起業を目指す人へのアドバイスや、「女性の起業」「在宅ワーク」「ITビジネス」等のテーマで講演も行う。2007年1月「おしゃべり力〜主婦のホンネが常識を変える!〜」、5月「ヒット商品はこうしてできる!売れるマーケティングのしかけ」を出版。

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