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連載コラム

第59回"オンナノコの好きなもの、集合!"のカフェが、ママ達のハートもわしづかみっ!〜複合型カフェの理想形「モリタコーヒー」

[ 2008年11月5日 ]

三鷹の「ある意味先進的」なカフェ

 今回取り上げたいのは、三鷹のカフェだ。都心ではなく三鷹。それも駅からはちょっと離れているし、幹線道路にも面していないのでメジャーな店とは言えない、かもしれない。だけど、すっごく素敵なお店で、私にとっては「これぞカフェ!(癒し空間)」と思える店なのだ。
 その店の名は「モリタコーヒー」。店名も素朴だ。名前だけ聞けばいぶし銀の古びた内装で喫煙者のおじさん達が集っているような店を想像してしまう人も多いだろう。が、その想像は見事に裏切られる。シンプルでありながらおしゃれな内装。フード類もこじゃれてる!

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 モリタコーヒーのいちおしは三鷹では有名な「モリスケ」のシフォンケーキ! コーヒーも有機栽培だし、紅茶も産地にすごくこだわっている。ティータイムメニューとしてはかなりポイントが高い! おまけにお茶だけでなく、食事もかなりいけてる。キーマカレーやビーフシチュー、いかにも手間がかかっている感じで手作り感満点のメニューは、人気も抜群!
 お茶をしても、食事をしても、満足できること間違いなしの、私にとっては「はずさない店」...それがこのモリタコーヒーなのだ。

女心をつかむ文具店とのコラボレーションの魅力

 おっと、まるで「私の好きなカフェ」紹介みたいになってしまったが、そこはShopBiz! この店には単に「すてき、おいしい」だけではない仕掛けがあるので、それを紹介したいと思う。
 モリタコーヒーの店内には「山田文具店」が入っている。隣接しているのではなくショップインストアなのだ。もちろん、文具店のみの利用もできるが、モリタコーヒーに来ているお客さんが、オーダーしたものが出てくるまでの時間、ぷらっと文具のコーナーを見ることもできる。

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 カフェにお友達といっしょに来たときは、おしゃべりに花が咲いてテーブルから離れないことも多いけど、1人でふらっとカフェに入った場合は、手もちぶさたな時間ってたしかにある。そんなときに、見て回るととっても楽しい空間がこの「山田文具店」なのだ。
 オンナノコは、もともと文具って大好き! たいしておしゃれでもないスーパーの文具コーナーにさえオンナノコたちは群れる。
 そこにきて、山田文具店に置いてあるものはかなりキッチュでチャーミング。私が「かわいいっ!」と思ったのは海外の薬袋やお菓子袋など! なんか日本のものとは違うセンスでいい感じ。なにに使おうかな〜と想像がふくらむ。

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 それもそのはず、この山田文具店のオーナーの文具へのこだわり、愛情は半端ないのだ。「なつかしくて味のある、国籍や年代にとらわれない文具」を、本当に自分の目で見て選んだものなのだな、というのが伝わってくる。国籍問わずというだけあって、チェコの文具なんかもある! チェコだよ、チェコ! どれだけこだわって買い付けしてるんだ?  というのがそれだけでもわかる。

1人カフェの時間を気分よく過ごせる店づくり

 じつは、このモリタコーヒーは、三鷹にあるセレクトショップ「デイリーズ」とシフォンケーキの「モリスケ」が共同運営しているのだ。それだけに、店内の家具はすべてデイリーズのもの。どれもリーズナブルな値段のわりに、おしゃれだし使い勝手がいい。ソファやいすの座り心地もよい。
 モリタコーヒーは、デイリーズの家具の良さを体感してもらうという、家具の展示スペース的な役割も果たしているのだ。

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 さらに心にくいことに、絵本や雑誌、漫画までが用意されていて、1人できてゆっくり時間をすごすことを歓迎されている空気がかもし出されている。道路に面した窓際に置かれた桜の木の長〜いカウンターのところどころに、きわめておしゃれなたたずまいで漫画が並んでいるのだ。

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 漫画は下手なものを置くと、店の雰囲気をぶち壊しかねない(ラーメン屋かよ? な雰囲気になったら台無しですもん)が、ここに置いてある漫画は「20世紀少年」や「ブラックジャックによろしく」など、面白さも保証付きの大人向けの漫画。しかも、この手の青年誌コミックは、本の装丁がステキなのでおしゃれな店の一角にあっても違和感がない。
 「喫茶店」や「コーヒーショップ」ではなく「カフェ」!を選ぶ人が多いのはなぜなのか? それは、いい時間を過ごしたいからなのだと思う。となれば、ドリンクやフードを提供するだけでなく、お客様にくつろぎの空間を提供することがカフェの使命なのだ。
 モリタコーヒーのあり方は、その理想を追求している。なんの気負いも感じられない形で。その気負いのなさこそ「癒しの空間・くつろぎの空間」にはふさわしい。
 私にとっては、これからもつい、足を運んでしまいそうな店なのである。

今どき主婦のShopウォッチ
執筆者:堤 香苗

株式会社キャリア・マム代表取締役。1964年、兵庫県神戸市生まれ。早稲田大学第一文学部・演劇専攻卒業。
大学時代よりテレビ、ラジオのパーソナリティー等をつとめ、フリーアナウンサーとして活躍。結婚、出産後、子育ての経験を生かした仕事を志し、1995年4月、育児サークルPAO(キャリア・マムの前身)を設立。その後、ママの社会参加の機会を積極的に創出する活動母体として、「ママの元気と笑顔」を合言葉に、『キャリア・マム』を設立。現在、コーディネーターとして、主婦や育児中の女性、起業を目指す人へのアドバイスや、「女性の起業」「在宅ワーク」「ITビジネス」等のテーマで講演も行う。2007年1月「おしゃべり力〜主婦のホンネが常識を変える!〜」、5月「ヒット商品はこうしてできる!売れるマーケティングのしかけ」を出版。

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