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連載コラム

第71回 まるで避暑地にいるように時が流れるパークサイド。心もからだも洗われていく、スローな時間にもうメロメロ!

[ 2009年11月2日 ]

じわっと幸せな気分になれるのがパークサイドの最大の特徴

 "パークサイド(公園のそば)"...という言葉を、安易に使うことが最近増えてきているような気がしない? 日曜に舞い込んでくる大量のマンション広告を見ても、この手のうたい文句をよく目にする。しかし実際に行ってみると、猫の額ほどの空き地に、ベンチと滑り台がぽつんと置いてあるだけの提供公園であることが多く、ここは本当に公園なのぉ?と首をかしげたくなっちゃう場合がほとんど。ニューヨーク・マンハッタンのセントラルパークほど広くなくてもいいけどさ、やっぱり公園は緑が豊かなところじゃなくっちゃ。って、ちょっと話が大きすぎ? でも、ふと視線を移した時に飛び込んでくる景色が、こんもりと生い茂る木々の緑だったり、紅葉の赤だったりすると、なんだかじわっと幸せな気分に浸れるのよね。すると精神状態も安定してくるから、すべてのことにプラス志向になれるってわけ。これってもしかすると、マイナスイオンの影響かしら? そんな景色を独り占めできる、正真正銘パークサイドにあるカフェを見つけたぞ!

パークサイドカフェ1

機能とスタイリッシュなセンスが、ひとつの作品として完成している「パークサイドカフェ」

 インターネットで"パークサイドにあるカフェ"と検索すると、まずヒットするのが、ここ横浜市都筑区仲町台のせせらぎ公園に隣接する「パークサイドカフェ」だ。せせらぎ公園は、横浜市営地下鉄ブルーラインの「仲町台」で下車し、歩いて2分ほど。「水と緑のまちづくり」という港北ニュータウンの開発理念に基づいて作られた、自然林に囲まれた水辺がある公園だ。特に遊具などがあるわけではなく、どこか落ち着いた大人の雰囲気を醸し出していて、のんびり過ごしたいときには絶好の空間だ。そんな公園の緑道沿いに、木々に覆われるようにひっそりと建っているのが、名前もそのままズバリ!「パークサイドカフェ」だ。

 仲町台駅前郵便局を曲がってすぐにある、車道側からの入り口は、ゴテゴテした飾りはなく、まるでスタイリッシュなマンションのエントランスのよう。中はどうなっているのかなと、ガラス窓にそっと顔をくっつけて覗いてみた。すぐ目の前にあるのは、階下へと続く階段。そしてその先にもエントランスらしきものが。えっ?こっちにもあっちにも入り口があるの?なんだかおもしろい造りになっているぞ。

パークサイドカフェ4 パークサイドカフェ6

 車道と公園には高低差が存在しているので、公園側からも、車道側からも入れるように2カ所の入り口を設け、なんと内階段でつながっていた。階段のすぐ横のスペースには、雑貨などが置かれ、インテリアとしても利用できそうなイスや小物雑貨などが並ぶショップになっている。レストランに早く行きたい気持ちを押さえつつ、雑貨大好きな私は、もちろんぐるっと一回り。おしゃれだけど、実用的にも使えそうなものをチョイスしているようだ。特にドイツ製で吸収力がよさそうな小振りのスポンジワイプという商品は、デザインもかわいく、使い勝手もよさそう。会社でがんばっているみんなにお土産にしてもいいかな...。などと考えていたら、吹き抜けになっている天井から注がれる太陽の光に混じって、頭の上のほうで、何やら動く人影が! 

 気配に気づき、ふと見上げるとフロアがあり、聞くと建築家のアトリエとのこと。小物のかわいさに夢中で、不覚にも全然気がつかなかった。なるほど、これは高い天井の良さを最大限に生かすことが機能的な造りだ。公園に面したグランドフロアがレストラン、1階がインテリアショップ、2階がアトリエになっている。この建物は、実は設計から内装、インテリアに至るまで、すべて建築家によって作られた"ザ・テラス"という作品でもあったのだ。

 レストランへの階段を下りると、まず目に飛び込んできたのが、天井まで全面ガラス張りになっている窓。5~6mほどあるだろうか。燦々と輝く日差しを受け入れ、室内を明るく照らしだしている。窓の向こうに生い茂る木々は、まるで軽井沢にでも来たみたい。なんだか一気に世間のうざうざした事柄から、ぱあっ~と解き放たれた感じがした。会社のいろいろな問題も、家庭のイライラもこの時だけは忘れられる。ああ、この開放感。幸せ~。

 公園側の窓は開け放たれ、ウッドデッキにはパラソル付きのテラス席が並んでいた。公園でのお散歩帰りに寄ったのか、かわいいわんちゃんの姿もちらほら。犬同伴OKなのね。すぐ近くの緑道では、ジョギングする人や幼稚園の遠足の行列もみかけられた。時がここだけのんびりと流れていくように感じた。

パークサイドカフェ3 パークサイドカフェ2


外観だけでなく、味のこだわりも魅力のひとつ

 キッチンは客席と一体型のオープンキッチン。シェフがおいしい料理を作るため、忙しく動き回っているのが見えた。「私のランチおいしくしてね~」と言うまでもなく、すぐにでてきたサラダは、色とりどりに彩られキラッキラ輝いている。新鮮なのは、神奈川県秦野市の有機野菜を使っているからだそうだ。隣の席に座っていた主婦グループ8人が食べていたワンプレートランチもおいしそう。今度来たときは、絶対にコレを注文しようと心に決めた。絶え間なく客が入店し、オープンして10分もたたないのに満席に。ところどころあいている席にはリザーブの札が置いてあり、人気のほどがうかがえる。主婦は流行・味覚・コストパフォーマンスともにアンテナが優れているから、主婦でいっぱいになる店は、絶対に流行るのよね。

建物だけでなく、サービス面でも、しっかりした信念が

 ホームページには「自然に豊かに暮らすということは、決して贅沢だとか高級であるということではなく、自分にとっての幸せな時間を多くすごしたいということ。私たちは食・住を通して、そんなライフスタイルを提案していきたい」と書いてある。つまり食と暮らしを楽しむことをトータルに提案していきたいというのが、この店の考え方のようだ。

 以前私が訪れた時に、偶然、こんなことに出合った。食事中、子どもたちがはしゃぎまわっているのに、子連れのママさんたちは話に夢中で気がつかない。まわりに座っている人たちは、なんだか迷惑そう。困ったなあと思っていたら、すかさずスタッフが...。ここのキーワードは"大人が楽しむ"。公園のそばだけに子どもの入店規制はしていないが、まわりに迷惑をかけるのなら遠慮してもらいたいのだそうだ。私だって子持ちだから、ママさんたちの大変さはわかるけど、たまに食事に来るなら、やっぱり静かに食べたいものね。子どもに、はしゃいでいいところとダメなところを、きちんと教えるのが真の教育。外観だけでなく、サービス面でもしっかりした信念を持っているのだなあと感じた。

パークサイドカフェ5

四季折々の景色は、料理にとって最高のスパイスに

 自然を見ながら、おいしいものを食べることこそが究極の贅沢。木々のにおいや色、吹いてくる風でさえも、料理にとって最高のスパイスになるのだと思う。四季の移り変わりを感じ、心が豊かになってくると「明日もがんばろう!」という気になるでしょ。避暑地に行ってすがすがしい空気を吸うと、心もからだも洗われたようにリフレッシュできるのと同じよね。えっ? 避暑地まで行く暇もお金もない? そういう時にこそ、こういうレストランを利用するのよ。ゆっくりのんびり移り変わる景色を楽しみながら食べると、おいしい料理がさらにおいしく感じられるよ。

 こんなところでデートなんかしたら、ロマンチックな女の子はコロっといっちゃいそうだな。世の独身男性諸君! 自分を磨くことに加えて、絶好のロケーションを味方につけたら、鬼に金棒だぞ。がんばれ!

今どき主婦のShopウォッチ
執筆者:堤 香苗

株式会社キャリア・マム代表取締役。1964年、兵庫県神戸市生まれ。早稲田大学第一文学部・演劇専攻卒業。
大学時代よりテレビ、ラジオのパーソナリティー等をつとめ、フリーアナウンサーとして活躍。結婚、出産後、子育ての経験を生かした仕事を志し、1995年4月、育児サークルPAO(キャリア・マムの前身)を設立。その後、ママの社会参加の機会を積極的に創出する活動母体として、「ママの元気と笑顔」を合言葉に、『キャリア・マム』を設立。現在、コーディネーターとして、主婦や育児中の女性、起業を目指す人へのアドバイスや、「女性の起業」「在宅ワーク」「ITビジネス」等のテーマで講演も行う。2007年1月「おしゃべり力〜主婦のホンネが常識を変える!〜」、5月「ヒット商品はこうしてできる!売れるマーケティングのしかけ」を出版。

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